車の歴史
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.28

トヨタクラウンの歴史 最上級車としての進化と、技術の進歩をたどる

トヨタクラウンの概要と歴史をまとめてみた

goo-net編集チーム

トヨタは、トヨタの最上級車として純国産にこだわり、1955年にトヨペット・クラウンとしてデビューしました。

当初は国内専用車種としてスタートした後、2年後にはトヨタの対米輸出の先陣を切って輸出が開始されました。
その後海外でのノックダウン生産を含め、世界の各地で販売されています。
現在は中国、香港、マレーシア、シンガポール、中東の地域でも発売される高級セダンです。

車名は、英語の「王冠」に由来し、エンブレムにも王冠が掲げられ、トヨタの最上級モデルとして早くから位置付けられています。

半世紀以上にわたり、国内の歴史ある高級車として君臨し、「いつかはクラウン」のキャッチフレーズを掲げるなど、常に時代を象徴するステイタスと最新技術が与えられてきました。

派生車種にはクラウン・ロイヤルクラウン・アスリートクラウンマジェスタクラウンセダンクラウンコンフォートなどがラインナップされています。

初代からエポックメイキングなモデル、近年のモデルを取り上げて紹介します。

関連記事:【新型クラウン 最新情報】フルモデルチェンジした次期クラウン・気になるスペックは?

初代クラウン RS型/20型/30型(1955年~1962年)

記念すべきクラウン初代モデルは開発期間3年を経て、
1955年に「トヨペット・クラウン」として発売されました。

後部座席への乗降性を重視した観音開きドアが特徴的です。

ボディタイプは4ドアセダンのみで、
エンジンは直列4気筒OHVの排気量1.5Lと1.9Lの2本立てでした。

専用シャシとフロントダブルウィッシュボーン、
リヤリジッドアクスル方式のサスペンションを組み合わせ、
当時の道路事情と乗り心地を考慮したスペックを持ち合わせていました。

高級仕様の「トヨペット・クラウン・デラックス」、
ライトバン、ピックアップトラックの、
「トヨペット・マスターライン」を派生車として追加しました。

駆動方式はFRのみです。

2代目クラウン 40型(1962年~1967年)

アメリカナイズされた「フラットデッキスタイル」を採用した、初代より大型ボディが特徴です。
2代目より王冠を象ったエンブレムが採用され11代目まで長らく使用されました。

ボディタイプは4ドアセダンとステーションワゴンの2タイプ、
エンジンは1.9L 直列4気筒OHVエンジンと2.0L 直列6気筒SOHCエンジンの2本立てです。

2代目でエポックメイキングな技術としては2速AT(トヨグライド)が搭載されたことです。
また、パワーウインドウも採用されました。

ボディを大型化し2.6L V型8気筒エンジンを搭載した、
「クラウンエイト」が派生車として追加されています。

駆動方式はFRのみです。

3代目クラウン 50型(1967年~1971年)

3代目ではその後のクラウンに受け継がれるペリメーターフレームが採用され、
乗り心地と静粛性が格段に進化したモデルです。

フロントディスクブレーキ、パワーステアリング、フロント合わせガラス、ヘッドレストといった、
その後の自動車の標準装備となるさまざまな技術や、
最新のクオーツ時計が搭載されるなど話題を呼びました。

ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、ステーションワゴン、
ライトバン、ピックアップトラックとバリエーションが増え、
エンジンは1.9L 直列4気筒OHVエンジンと2.0L 直列6気筒SOHCエンジンの2本立てです。
オートマッチは2速かから3速へ進化しました。

駆動方式はFRのみです。

4代目クラウン 60型/70型(1971年~1974年)

4代目ではスピンドル・シェイプと呼ばれる丸みを帯びたデザインを採用し、
特徴的なフロントターンシグナルランプが話題になりました。
そのボディフォルムから「クジラ」の愛称で親しまれたモデルです。

このモデルから「トヨタ・クラウン」となりました。

ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、
ステーションワゴン、ライトバンのボディバリエーション、
エンジンは2.0L 直列6気筒SOHCエンジンと2.6L 直列6気筒SOHCエンジンの2本立てです。

燃料噴射装置、電子制御式3速AT、リア横滑り防止装置、
世界初のアイドリングストップがMT車に搭載されるなど、
4代目もモデルも最新技術が多く搭載されました。

駆動方式はFRのみです。

5代目クラウン 80型/90型/100型(1974年~1979年)

5代目では先代の丸みを帯びたデザインから直線基調のデザインへ改められ、
より豪華な重厚なフォルムへ移行し人気を博したモデルです。

ボディタイプは4ドアセダン、4ドア/2ドアハードトップ、
ステーションワゴン、ライトバンのボディバリエーションです。
中でもBピラーを持たない開放的な4ドアピラードハードトップが話題になりました。

エンジンは2.0L 直列6気筒SOHCエンジンと2.6L 直列6気筒SOHCエンジン、
2.2L 直列4気筒SOHCディーゼルエンジンのラインナップです。

4輪ディスクブレーキ、車速感応式パワーステアリング(日本初)、
OD付4速AT(世界初)などに搭載されるなど、クラウンならではの最新技術が多く搭載されました。

駆動方式はFRのみです。

7代目クラウン 120型(1983年~1987年)

7代目では「いつかはクラウン」をキャッチコピーに、
重厚ながらより洗練されたボディデザインと「クリスタルピラー」と呼ばれる、
Cピラーが特徴の人気を博したモデルです。

ボディタイプは4ドアセダン、4ドアハードトップ、
ステーションワゴン、ライトバンのボディバリエーションです。

エンジンは2.0L 直列6気筒SOHCエンジン、2.0L 直列6気筒DOHCスーパーチャージャー付エンジン、
2.8L 直列6気筒DOHCエンジン、3.0L 直列6気筒DOHCエンジン、
2.4L 直列4気筒SOHCターボチャージャー付ディーゼルエンジンなど多彩なラインナップです。

四輪独立懸架サスペンション(日本初)、
ABSの前身である四輪ESC(エレクトリック・スキッド・コントロール)、
メモリー付チルト&テレスコピックステアリング(世界初)など、最新技術が多く搭載されました。

駆動方式はFRのみです。

12代目クラウン 180型(2003年~2008年)

12代目 180型(2003年~2008年)

goo-net編集チーム

12代目では、
「ゼロクラウン、かつてゴールドだった車が、いまスタートになる」をキャッチコピーに、
プラットフォーム、エンジン、サスペンションが一新され、
文字通り生まれ変わったクラウンを訴求し、高い人気を博したモデルです。

ボディタイプは4ドアセダンのみです。

エンジンは2.5L V型6気筒DOHCエンジン、3.0L V型6気筒DOHCエンジン、
3.5L V型6気筒DOHCエンジン、駆動方式はFRと4WDのラインナップです。

四輪独立懸架サスペンション(日本初)、
ABSの前身である四輪ESC(エレクトリック・スキッド・コントロール)、
メモリー付チルト&テレスコピックステアリング(世界初)など、最新技術が多く搭載されました。

ボディタイプ
4ドアセダン(日本国内仕様)

ボディサイズ
4840×1780×1470 – 1485mm(全長×全幅×全高)

室内サイズ
2070×1535×1200mm(室内長×室内幅×室内高)

エンジンタイプ
4GR-FSE型 2.5L V型6気筒DOHC
3GR-FSE型 3.0L V型6気筒DOHC
2GR-FSE型 3.5L V型6気筒DOHC

排気量
2499cc(4GR-FSE型)
2994cc(3GR-FSE型)
3456cc(2GR-FSE型)

最高出力
215ps(158kW)/6400rpm(4GR-FSE型)
256ps(188kW)/6200rpm(3GR-FSE型)
315ps(232kW)/6400rpm(2GR-FSE型)

最大トルク
26.5kg・m(260N・m)/3800rpm(4GR-FSE型)
32.0kg・m(314N・m)/3600rpm(3GR-FSE型)
38.4kg・m(377N・m)/4800rpm(2GR-FSE型)

10・15モード燃費
10.0km/L~12.0km/L

車両重量
1550~1670kg

価格帯
3,150,000円~5,407,500円(特別モデルを含む)

主なグレード
「ロイヤルエクストラ」「ロイヤルサルーン」「アスリート」「アスリートi-Four」、
「ロイヤルサルーンi-Four」「ロイヤルサルーンG」(特別モデルを除く)。

主なオプション
マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフ、クリアランスソナー、ナイトビュー(歩行者探知機能付夜間運転支援システム)、レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)、レーンキーピングアシスト(車線内走行補助)、SRSサイドエアバッグシステム&SRSカーテンシールドエアバッグ、電動リヤサンシェード、本革シート、HDDナビゲーションシステムなど。

カラーバリエーション
ブラック、スーパーホワイトII、ブラッキッシュレッドマイカ、ダークブルーマイカ、シルバーメタリック、プレミアムシルバー、ホワイトパールクリスタルシャイン、クオーツグレーパールマイカなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

13代目クラウン 200型(2008年~2012年)

13代目 200型(2008年~2012年)

goo-net編集チーム

13代目では「超えてゆく、ブランド。」をキャッチコピーに、
ハイブリッドモデルを含め新たな時代を予感させる、
12代目の「ゼロクラウン」をブラッシュアップしたモデルです。

従来の王冠エンブレムも大きく意匠を変更したデザインとなりました。
ボディタイプは4ドアセダンのみです。

エンジンは12代目を踏襲する2.5L V型6気筒DOHCエンジン、3.0 L V型6気筒DOHCエンジン、
3.5L V型6気筒DOHCエンジン、駆動方式はFRと4WDのラインナップです。

プリクラッシュセーフティシステム(世界初)、
NAVIAI-AVS(ナビ協調機能付減衰力制御サスペンション)など、最新技術が多く搭載されました。

ボディタイプ
4ドアセダン(日本国内仕様、ハイブリッドモデルを除く)

ボディサイズ
4870×1795×1470-1485mm(全長×全幅×全高)

室内サイズ
2060×1520×1205mm(室内長×室内幅×室内高)

エンジンタイプ
4GR-FSE型 2.5L V型6気筒DOHC
3GR-FSE型 3.0L V型6気筒DOHC
2GR-FSE型 3.5L V型6気筒DOHC

排気量
2499cc(4GR-FSE型)
2994cc(3GR-FSE型)
3456cc(2GR-FSE型)

最高出力
203ps(149kW)/6400rpm(4GR-FSE型)
256ps(188kW)/6200rpm(3GR-FSE型)
315ps(232kW)/6400rpm(2GR-FSE型)

最大トルク
24.8kg・m(243N・m)/4800rpm(4GR-FSE型)
32.0kg・m(314N・m)/3600rpm(3GR-FSE型)
38.4kg・m(377N・m)/4800rpm(2GR-FSE型)

10・15モード燃費
10.0km/L~12.4km/L

車両重量
1590~1710kg

価格帯
3,450,000円~5,670,000円(特別モデルを含む)

主なグレード
「ロイヤルサルーン」「アスリート」「アスリートi-Four」、
「ロイヤルサルーンi-Four」「ロイヤルサルーンG」(特別モデルを除く)

主なオプション
NAVIAI-AVS(ナビ協調機能付減衰力制御サスペンション)、プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)、マイコン御チルト&スライド電動ムーンルーフ、クリアランスソナー、リヤフォグランプ、レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)、レーンキーピングアシスト、インテリジェントパーキングアシスト、電動リヤサンシェード、本革シート、トヨタプレミアムサウンドシステムなど。

カラーバリエーション
ブラック、ダークグリーンマイカ、ブラッキッシュレッドマイカ、ダークブルーマイカ、シルバーメタリック、プレミアムシルバーパール、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルキーゴールドマイカメタリックなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

14代目クラウン 210型(2012年~)

14代目 210型(2012年~)

goo-net編集チーム

14代目では「CROWN Re BORN」をキャッチコピーに、
大胆でダイナミックなラジエーターグリルを持ちエッジのきいたボディフォルムが特徴のモデルです。

従来の保守的なデザインからキャッチコピー通り、
リボーン(生まれ変わり)を象徴する歴代のモデルチェンジでも、
いちばん大きな変化と言われています。

ボディタイプは4ドアセダンのみです。

エンジンは2.5L V型6気筒DOHCエンジン、
2.0L 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジン、
3.5L V型6気筒DOHCエンジン、駆動方式はFRと4WDのラインナップです。

スポーティモデルのアスリート以外は排気量を2.5Lへダウンサイジングされ、
燃費とドライバビリティの向上が図られています。

世界初の路車間通信システムや車車通信システムからなる、
ITS Connectなど最新技術が多く搭載されました。

また、ボディカラーにピンク(モモタロウ)を纏った特別仕様車も話題になりました。

ボディタイプ
4ドアセダン(日本国内仕様、ハイブリッドモデルを除く)

ボディサイズ
4895×1800×1450 – 1475mm(全長×全幅×全高)

室内サイズ
1975×1510×1190mm(室内長×室内幅×室内高)

エンジンタイプ
8AR-FTS型 2.0L 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
4GR-FSE型 2.5L V型6気筒DOHC
2GR-FSE型 3.5L V型6気筒DOHC

排気量
1998cc(8AR-FTS型)
2499cc(4GR-FSE型)
3456cc(2GR-FSE型)

最高出力
235ps(173kW)/5200~5800rpm(8AR-FTS型)
203ps(149kW)/6400rpm(4GR-FSE型)
315ps(232kW)/6400rpm(2GR-FSE型)

最大トルク
35.7kg・m(350N・m)/1650~4400rpm(8AR-FTS型)
24.8kg・m(243N・m)/4800rpm(4GR-FSE型)
38.4kg・m(377N・m)/4800rpm(2GR-FSE型)

JC08モード燃費
9.6km/L~13.4km/L

車両重量
1540~1680kg

価格帯
3,530,000円~6,183,000円(特別モデルを含む)

主なグレード
「ロイヤル」「ロイヤルサルーン」「アスリート」「アスリート-T」「アスリートi-Four」、「ロイヤルサルーンi-Four」「ロイヤルサルーンG」(特別モデルを除く)。

主なオプション
マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフ、リヤフォグランプ、パノラミックビューモニター、インテリジェントパーキングアシスト、クリアランスソナー、電動リヤサンシェード、T-Connect SDナビゲーションシステムなど。

カラーバリエーション
ブラック、プレシャスブラックパール、シルバーメタリック、ダークレッドマイカメタリック、プレシャスシルバー、ホワイトパールクリスタルシャインなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

クラウンは1955年の発売以来、半世紀以上にわたり、高級車のベンチシートとして最新の技術が投入され、ステイタスの高さからも安定した人気を誇る車種です。

14代目では従来の保守的なデザインを一新し、大胆なラジエーターグリルを持つ革新的なセダンとして生まれ変わりました。

先進の安全装備や技術を積極的に採用するなど、今後もトヨタのフラッグシップモデルとしてますます進化していくことでしょう。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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