車の歴史
更新日:2020.01.29 / 掲載日:2020.01.29
CELICA LB 2000GT (RA25) 【3】
ツインカムヘッドを有する2つのパワーユニット
ボンネットフードに収まるエンジンは、ツインカムヘッドを有する高性能エンジンをトップグレードのGT系に設定すると共に、シングルカムの実用エンジンを搭載するグレードも用意されているところがスペシャリティカーらしいところとなる。現在となっては、シングルカムエンジンを搭載するグレードはほぼ残っていないようで、見ることのできる初代セリカはGT系グレードとなるようだ。
今回撮影したセリカLBもトップグレードとなる2Lツインカムを搭載する2000GTとなる。ちなみに初代セリカに搭載されたツインカムユニットは1.6Lの2T-Gと2Lの18R-Gがあり、クーペには2T-Gのみ、LBには2T-Gと18R-Gの両方を搭載するグレードが設定された。しかし70年代初頭といえば、オイルショックや排気ガス規制が厳しくなり、高性能エンジンには厳しい時代の始まり。その対策によりモデル後期になると、ツインカムエンジンとはいえ魅力が薄れていくことになってしまう。スポーツカーのようなスタイリングと走りのよさというセリカのイメージは、排ガス規制前のモデルにより出来上がったものといえる。
トルクフルな特性が魅力 2LDOHCの18R-G
トヨタツインカムの代名詞 1.6LDOHCの2T-G
2L4気筒DOHCとなる18R-Gの燃料供給は、ソレックスのツインチョークキャブが2連装される。撮影車両はエアクリーナーが取り外されたファンネル仕様だが、ブローバイの取り回しを工夫し、車検に対応させて
アクセルベダルの動きをソレックスキャブに伝えるのはワイヤーではなくロッドとリンクを用いている。ブレーキのマスターバッグなどを避ける形状のロッドがバルクヘッド部に配置されている。
カムカバーのデザインが統一されているため、18R-Gと2T-Gは見慣れていないとどちらがどちらか分かりづらいが、デスビなどで見分けることも可能。18R-Gはデスビが低い位置に傾いた状態で装備される。
サーモハウジングの位置も18R-Gと2T-Gでは位置が異なる。18R-Gは運転席側にサーモハウジングが備わる。ちなみに撮影車両は冷却ファンを電動化しており、そのスイッチが付く他車用を流用する。
撮影車両のラジエーターは、社外品の大容量アルミラジエーターに変更される。オリジナルは真鍮製でカップリングファンで冷却されるが、撮影車両はラジエーターの厚さが変わったことで電動ファンに変更。
ラジエーターの厚さが変わりファンとのクリアランスが少なくなったため、冷却ファンは電動式をラジエーターの前に設置。その駆動はサーモハウジングに追加されたスイッチと手動の二系統としている。
1.6L4気筒DOHCの2T-Gも燃料供給はソレックスの2連装となる。エアクリーナーは写真のようにインダクションボックスから延びる蛇腹のホースの先に付く丸型のものがオリジナルとなる。
デスビの位置はエンジンの運転席側前方となるのは18R-Gと同じだが、18R-Gが傾いた状態で装備されているのに対して、2T-Gは角度が起きた状態となる。オリジナルはポイント式点火だが撮影車両はフルトラ
2T-Gのサーモハウジングはエンジンの助手席側前方に位置する。18R-Gが運転席側なので、ヘッドカバーなどに手が加わっていてもこの部分を見れば、2T-Gと18R-Gをひと目で見分けることが可能だ。