車の歴史
更新日:2020.02.05 / 掲載日:2020.02.05
CROWN 1900 DELUXE(RS41) 【4】
前:ダブルウィッシュボーン
後:トレーリングアーム
高速道路時代に対応させたX型フレーム
リヤサスペンションが、スタンダードではリーフスプリングのリジッドであるのに対し、コイルスプリングを使うラテラルロッドとトルクロッドが備わるトレーリングアームになっているなど、快適性や操縦安定性を高めたものを採用している。
車検を取得し公道復帰を果たしたが、 その後も、例えばキャブレターなど、デッドストックの新品を見つけては、自らの手でヨンイチに組み込んでいるそうだ。ちなみにキャブはフロートの油面が見えるようにフロートチャンバー部にはガラス製の覗き窓が純正で備わっているのだが、そのゴムシールが経年劣化してしまい、元々付いていたキャブは、その覗き窓からガソリン漏れが発生していたという。そんな各整備をオーナー自らが施したことで、現状は至極好調なヨンイチとなっている。
購入当初は、オリジナルにこだわるつもりもなかったようだ。しかしオリジナル純度が非常に高い上に、特に内装は50年以上前の車両とは思えないほど程度がいいことから、現在ではこの内外装のコンディションを保ちつつ、好調に走る状態をキープできるかが、森田さんの中で所有するテーマとなっているようだ。「速さとかはS30Zに任せて、このクラウンはオリジナルを保って、のんびり走ることを楽しみたいです。このクラウンでゆったりと流すのけっこう好きなんですよ」とオーナーの森田さんは語っていた。
フロントはダブルウィッシュボーン式のサスペンションを採用する。コイルスプリングの中にダンパーユニットが設置されるレイアウトとなる。スタビライザーも設置され、ロアアームに接続される。
リヤはトレーリングアームのリジッドアクスルだが、ラテラルロッドと5リンクサスのアッパーリンク的なリンクが1本だけデフ玉の右側に装備されているという、現代から見るとおもしろい構造となる。
フレームはモノコックではなく、トヨタ2000GTなどと同じX型フレームとなる。ボディ自体もかなり剛性を高めていたようで、X型フレームと相まって、当時のクルマとしては高いボディ剛性を誇ったようだ。
ステアリングギヤボックスはウォームセレクターレバー式。国産では初のステアリングメインシャフトを設け、ジョイントを2か所に配置。その内のひとつにはゴムダンパーが備わり路面からの衝撃を吸収する。
エンジン後端の中央部は燃料大型の燃料タンクが配されている。容量は50Lだ。燃料タンクの右側には、フレームを挟んで、トランク内に縦置きされるスペアタイヤの収納スペースの出っ張りがある。
高級車故に静粛性も重要だったようで、車体左後端にレイアウトされるメインサイレンサーはかなり大きなサイズとなる。ちなみにこのメインサイレンサーはデッドストックの新品に交換されたものとなる。
マフ ラーの腐り対策が現在の悩み
メインサイレンサーは新品に変更できたが、それ以前のパイプはかなり錆が進行している。
ノーマル形状で新たに作ることも考えたそうだが、レイアウトが複雑で難航。現在は補修で対応しているという。