車の歴史
更新日:2020.11.02 / 掲載日:2020.11.02
NISSANが生んだ革命児 SKYLINE 2000GT-R(KPGC10) インテリア他

2ドアハードトップ
となり戦闘力を大幅に高めた
レーシングエンジンさながらのS20エンジンを搭載するGT-Rだが、前期のセダンと後期の2ドアハードトップで、ビジュアル面も大きく変化する。2ドアハードトップとなったことによるスポーティ感の増大はもちろんだが、C10系スカイラインには、リヤホイールアーチの上部に掛かる通称サーフィンラインがあるが、GT-Rはワイドタイヤ装着に対応させるべく、サーフィンラインをカットするフェンダー処理が施されている。その処理方法が前期後期で異なり、前期では、いわゆるボディパネルの形状変更のみに留まるが、後期ではさらにオーバーフェンダーを追加する。前期はGT-R感が控えめであり、羊の皮を被った狼というキャッチフレーズにぴったりだが、後期は逆にひと目でそれと分かるビジュアルとなる。
そんなビジュアル面の差はともかく、レースでの戦闘力アップの要素として、セダンよりも2ドアハードトップは、ホイールベースで70mm、全長で65mm短く、全高は15mm低く、全幅は逆に55mmワイドとなる。GT-Rの主戦場であったTSレースでは、オーバーフェンダーが装着されるので、全幅の拡大は関係ないが、空力面や運動面で2ドアハードトップはより戦闘力を増したといわれている。
ただ、クルマのメカニズムに詳しい読者の皆さんのこと。ピラーレスハードトップというボディ形状は、4ドアセダンと比べボディ剛性が低くなってしまわないかという疑問を抱く方も多いのではないだろうか?筆者自身もそのような疑問を持っていたのだが、かつて実際にワークス車両でレースに参戦されていたドライバーから伺った話によると、レーシング仕様では2ドアハードトップのほうが明らかにボディ剛性が高かったそうだ。
中央に240km/hフルスケールのスピードメーターと10000回転フルスケールのタコメーター、その右側には水温と燃料、左側には時計と油圧計が配置される、GT-Rらしい機能的な6連のメーターパネル。
ヘッドライトスイッチとウインカーレバーはハンドルコラムに付くが、それぞれが独立し、右方向に2本のレバーが生える形で装備される。メインキーもハンドルコラム部に備わるハンドルロック機能はオプション。
シフトパターンは一般的な左上1速で右下がリバースとなるHパターンの5速。サイドブレーキはシフトレバーの右側、ドライバーとの間に配置される。シフトレバー前のトグルスイッチはワイパーとウォッシャー。
アクセルペダルはオルガンタイプを採用。クラッチペダルの奥に見えるアルミ製のフットレストはアフターマーケットのものだ。フットスペース右側にはボンネットオープナーと外気導入レバーが配置される。
フルカバーとなるドア内張り。ウインドウレギュレーターは一般的なものだが、ドアオープナーは、4ドアでは一般的な形状であったが2ドアハードトップは独特な形状を採用し、ドアアームレスト前方下側に付く。
フロントシートはGT-Rの専用装備となるバケットシートだ。前後のスライド機構は備わるもののシートバックが倒れないので、後席へのアプローチは決して良好とはいえないが、ホールド性は非常に高い。
乗り降りこそしづらいが、リヤシートにはそこそこの広さがあり、シートにも十分な快適性が備わる。また側壁内張りにはレギュレーターハンドルが備わり、リヤクォーターウインドウが開閉可能だ。