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更新日:2024.11.13 / 掲載日:2024.11.13
現代SUVの礎を築いた【ランドローバー ディスカバリー】その歴史といま買いの中古車
ランドローバー ディスカバリー|語り継がれる名車の系譜 vol.47|
文●ユニット・コンパス 写真●ランドローバー
※中古車参考価格はすべてグーネット2024年10月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年12月号の内容です)
イギリスの名門ランドローバーのメイン車種であるディスカバリー。その魅力は極めて高いレベルでバランスされた能力にある。
冒険心を掻き立てる万能SUV
現代的なSUVの基礎を30年以上前に確立させた
歴史は繰り返す。アウトドアで余暇を過ごすというライフスタイルは、じつは今から30年以上前にもブームとして人々に楽しまれていたのだ。
現代は感染症の流行やデジタル疲れがその背景にあったが、当時のそれは政治的・経済的な混乱が関係していたという。旗振り役となったのは、ランドローバーでマネージングディレクターを勤めていたトニー・ギルロイ。一時期は核戦争まで危惧された東西冷戦が解決の兆しを見せたことから、世相が明るくなることを予想したのだ。そこで企画したのが、ファミリー向けのアウトドア車。つまり、ディスカバリーであった。
初代ディスカバリーは、それまでプロの道具的なイメージが強かったクロカンの世界を一新させた。
秀逸だったのがそのデザインだ。ディフェンダー譲りのタフなシルエットを採用しつつも、階段状に高くなるルーフを採用。さらに3列目シートの位置にサンルーフを備え、家族全員が快適に過ごせるイメージを作り上げている。
1989年に登場した初代ディスカバリーは見事にその狙いを的中させヒットモデルに。その後のモデルチェンジで本格的な悪路走破性能を備えるピープルムーバーとして地位を確立。ランドローバーにとって3本目の柱となる商品に成長した。
まさに現在のSUV人気を先取したのがディスカバリーなのだ。
ランドローバー ディスカバリーはこんなクルマ
それまでのクロカン的なデザインから一転して洗練されたラグジュアリーSUV的なスタイルとなった現行型。車両が備える本格的な悪路走破性能はそのままに、都会にも溶け込むシンプルで現代的なテイストを採用している。
ボクシーなプロポーションから創造できるとおり、2列目、および3列(オプション)でも快適な空間を実現。運転支援システムも充実。
伝統のデザインをモダンに再構築した現行型ディスカバリーのインテリア。使われる素材にもこだわり、上質な空間となっている。
パワートレインはガソリンターボもしくはディーゼルターボ。モーターを組み合わせることで、低速域からスムーズな走りを実現する。
[ランドローバー ディスカバリーが名車になった理由]本格的な悪路走破性能と快適性のグッドバランス
家族全員と荷物を搭載し出かけられるクロカンとして誕生
「ファミリーが揃って出かけてアウトドアを楽しめるクルマ」をコンセプトに、英国で1989年に登場したのが初代ディスカバリー。機構の多くをレンジローバーと共用し、デザインはディフェンダーからテイストを受け継いだ。
冒険ラリーで実証された悪路走破性能
1980年から2000年にかけて開催された「キャメルトロフィー」は、世界一過酷なアドベンチャーラリーとして有名。ディスカバリーはその競技車両としても採用され、悪路走破性能の高さが本物であることを証明してみせた。
居住性の高さを外からわからせる秀逸なデザイン
ディフェンダーの本格クロカンのテイストを盛り込みながらも、ファミリーカーらしい解放感や居住性のよさを表現したデザイン。左右非対称のテールゲート窓は、バック走行の際に後方視界をより確保するアイデアだった。
たしかな実力が評価されて英国王室御用達に
イギリス王室御用達に選ばれ、馬術やボートといった牽引が欠かせない競技のサポートカーの定番モデルとなったディスカバリー。歴代モデルの進化は、本格的な悪路走破性能と居住性、快適性のハイバランスにある。
オンロード性能も向上したことで万能SUVに成長
かつてクロスカントリー系モデルは高速走行での安定性やコーナリングで不安を感じることが多かった。しかし、現行型では技術の進化により7人乗りのフルサイズSUVでありながら優れた走行性能を獲得。先進安全装備も充実。
人も荷物も自由に積み込めるラゲージルーム
ミニバンにも匹敵する7シーターとしての乗車能力は、荷物を積載することに集中することも可能。1列目以降はフラットに収納することができ、その場合は2500Lの荷物を載せられる。床の端部分は外向きにも展開可能。
新車といま買いの中古車たち
ディスカバリー
2024年5月に行われたグレード体系の見直しによりパワートレインは3L直6ディーゼルターボ+モーターのみに。同時にエンジン出力が強化され、装備も充実。完成度をさらに高めた。
新車価格:998万円~1276万円(ディスカバリー 全グレード)
ディスカバリー
2017年から導入されている現行型モデルの中古車は400万円台から探すことが可能。ただし市場に流通している物件が少ないこともあり、グレードやボディカラーにこだわるのは難しい。
中古車参考価格帯:390万円~830万円(17年~24年 ディスカバリー全グレード)
ディスカバリー 4
ラグジュアリーSUVとしてのテイストが強くなったのがディスカバリー4。デザインはレンジローバーとの関連性を感じさせるものとなり、快適性も高められた。中古車は台数が少ない。
中古車参考価格帯:420万円~570万円(09年~17年 ディスカバリー4 全グレード)
ディスカバリー スポーツ
ディスカバリーのキャラクターを受け継ぎながら、ボディをよりコンパクトにしたラグジュアリーSUV。歴代ディスカバリーのなかでは比較的中古車が数多く流通していて、選びやすい。
中古車参考価格帯:230万円~780万円(14年~24年 ディスカバリースポーツ 全グレード)