輸入車
更新日:2025.04.11 / 掲載日:2025.04.11
人気中古車実車レビュー【フォルクスワーゲン ゴルフ】上質さ光る名コンパクトカー

[フォルクスワーゲン ゴルフ]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、プジョー、BMW
※中古車参考価格は2025年3月グーネット調べ。 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年4月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
乗れば乗るほどゴルフの魅力にハマってしまう!
今回チェックするフォルクスワーゲン ゴルフは、輸入車を代表するメジャーモデルで、長年にわたって高い人気をキープしています。取材したのは、2024年登録の「ゴルフ TDI アクティブ アドバンス プラチナムエディション」で、走行距離は約2300km、支払総額は359万7000円となっています。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。かつてご自身でもゴルフGTIを所有していた経験もあるため、その言葉には説得力があります。
「最初は、ゴルフはアガリのクルマだと思ってどこか敬遠してたの。見た目からして真面目な雰囲気だし(笑)。でもいざ所有してみると毎日のように発見があって、スルメみたいに噛めば噛むほど味が出てきて驚いた! サーキットも走れるのに、引っ越しではタンスだって積めちゃう。懐の深さが凄いのよ。それでいて、新しい世代に進化するたびに、新しいチャレンジを盛り込んでるんだよね。そういうところにも感心させられる」
初代モデルの誕生は1974年。50年以上もゴルフは世界を代表するスタンダードカーとして活躍してきました。現行モデルは8世代目。先日マイナーチェンジを受けた後期型は「ゴルフ8.5」と呼ばれています。
「ゴルフ8の魅力は上質感。日本車も含めてライバルたちが実力を上げてきたと思っていたら、ゴルフ8は次に進んで、上質さを表現してきた。それでいてゴルフらしい質実剛健な雰囲気はちゃんと残ってるし」
ディスプレイを含めた操作系のデジタル化、そしてクラスの枠を超えた充実の運転支援機能がゴルフ8の大きな特徴です。また、ガソリンモデルがマイルドHVの「eTSI」になったのも大きなニュース。燃費性能が改善されたことに加え、発進するときのクルマの動きが滑らかになりました。また、ロングドライブ派に人気のディーゼルエンジン「TDI」も、2022年から追加して販売されています。
今回取材した車両は、2023年に販売された特別仕様車の「プラチナムエディション」。装備が充実しているほか、通常ではスポーツモデルにしか装着できない電子制御式サスペンション「DCC」が18インチホイールとセットで選択できました。もし中古車市場で見つけることができれば、満足度は高いでしょう。
ちなみにゴルフ8の中古車は、支払総額で200万円後半がボリュームゾーン。2025年1月に後期型が登場したので、前期型のデモカーが中古車市場に出るのは最後のタイミングかもしれません。
マイナーチェンジでは、内外装をさらに磨き上げて質感を高めています。フロントのロゴマークにイルミネーションが搭載されたのがわかりやすい違いでしょうか。インテリアではセンターディスプレイが12・9インチに拡大され、システムも「MIB4」と呼ばれる最新世代になりました。レスポンスが向上し、音声での操作にも対応しています。
「ゴルフは、どの時代のモデルでも安心して人に薦められるクルマ。実際そうして相談を受けてきたし、買った人たちからは感謝されてる。それって凄いことだよね」

世界を牽引してきた名コンパクトカー

フォルクスワーゲンのみならず輸入車を代表する人気モデルだけあって流通台数は非常に豊富。エンジンは、ガソリン車がマイルドHV仕様でグレードにより1Lターボ(前期のみ)と1.5Lターボ。ディーゼルが2Lターボとなっている。バリエーションとしてスポーツモデルの「GTI」や「R」、ワゴンの「ヴァリアント」が存在する。
中古車参考価格帯:220万円〜420万円(21年〜25年 ゴルフ 全グレード)

取材協力|Volkswagen習志野

最新のCIに基づいてデザインされたショールーム。駐車場からのアクセスには屋根がついているため、雨天時にも濡れることがない。商談スペースには大型モニターが用意されており、画面を確認しながらわかりやすい商談が可能になっている。認定中古車はデモカーが中心で、品質はもちろん装備にも期待できる。
SHOP DATA
住住所:千葉県船橋市習志野台8-2-17
TEL:047-404-5855
定休日:毎週火曜日、一部水曜日、年末年始
営業時間: 10:00〜18:00
URL:https://www.vw-dealer.jp/top.do?dlr=narashino
フォルクスワーゲン ゴルフの実車をチェック!
【デザイン】歴代の要素を受け継ぎつつスタイリッシュに

50年にわたる歴史と伝統を持つモデルだけに、ゴルフらしさと新しさの両方が追求されています。ゴルフらしさでいえば、水平のラインを意識したシンプルな造形と太いCピラーが特徴でしょう。さらに現行モデルの特徴は、ボディの余計な凹凸を減らしたクリーンなスタイリング。空気抵抗の少ないデザインにすることで、低燃費や静粛性もアップしています。インテリアもデジタル化を進めたことですっきりとシンプル。飽きのこない落ち着きのある空間です。

【装備】コンパクトカーの常識を超えた充実のサポート装備

ゴルフというクルマは、その時代時代におけるスタンダードカーの水準を引き上げてきました。ゴルフ8と呼ばれる現行モデルでは、必要十分のさらに先まで装備を用意。パッケージオプションを装着することで、上級車顔負けの先進的な装備が手に入ります。充実したサポート機能が欲しいなら、「テクノロジーパッケージ」の有無は要チェックです。今回の取材車両は、VWの日本導入70周年を記念した「プラチナム エディション」で、特に装備が充実しています。

【使い勝手】ラゲッジルームと後席の広さは驚くべきレベル

クルマに求める多くの要素を1台でこなしてしまうのがゴルフのすごさ。現行モデルは後席の空間が充実していて、ファミリーカーとしての実力も十分。リアシートをたためば、タイヤやタンスまで積めるスペースが現れます。後席に人を乗せた状態で広いラゲッジルームが必要な人には、ワゴンタイプの「ヴァリアント」も用意されています。操作のデジタル化が進んだことで、シフト操作なども力いらず。運転が苦手な人をサポートする機能も充実しています。

シンプルの先へ。大人になったゴルフ

竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★☆]
イマドキの顔にはなりましたが、太いCピラーなどの伝統は残しつつ、ひとクラス上の上質感と、距離感が遠くならない程度の遊び心あるカジュアルさと、正統派のたたずまいの空気感を、上手くバランスしています。じつはVWイチのチャレンジ魂を心に秘めた優等生なので、親友にも胸を張ってオススメできます。
装備[★★★☆☆]
正直にズバリ言いましょう、個人的にはスイッチ類が使いにくいと感じています。ライトのスイッチとエアコンの温度調整のバーが、運転中は特にねらいが定まらないんですよね。ライトはオートにしておけば、日常的には問題ないのですが、いざフォグやリアフォグ、パーキングライトを使おうと思うと、どうも上手くできなくて……。
使い勝手[★★★★☆]
後席を倒すと、ビックリするくらい荷物が積めるんですよね。もちろん、ワゴンではないので日常的に大荷物を積むわけではないですが、イザというときは軽い引っ越しくらいいけそうな勢い。普段使いとしてはスーツケースもそのままラゲッジルームに積めますし、後席の空間も思った以上に広いのでファミリーユースも満足です。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
伝説の名車としていまだに多くのユーザーに愛されているゴルフ1やゴルフ2。ゴルフ8は一見すると未来的なデザインですが、ディテールをじっくり観察していると、名車たちのDNAを受け継いでいることを実感します。デジタル技術を取り入れたインテリアも、ゴルフらしいシンプルさと未来感を両立させています。
装備[★★★★☆]
高速道路で先行する車両を追従する機能はいまや定番。しかしゴルフのそれは時速210kmから完全停止にまで幅広く対応。ステアリングを軽く握っているだけで走行レーンの維持もサポートしてくれます。そのほかリアビューカメラやヘッドアップディスプレイなども採用。上級モデル顔負けの装備となっています。
使い勝手[★★★★☆]
SUVがトレンドの現在ではありますが、オーソドックスなハッチバックスタイルのよさは駐車場を選ばないところ。狭い街中であってもスイスイと走れてしまいます。それでいて後席スペースは十分確保されていますし、ラゲッジだって380Lから最大で1237Lと、SUV顔負けの容量。旅行もアウトドアも問題なしです。
ライバルモデルをチェック!
プジョー 308

フランスのプジョーが誇るハッチバック。現行モデルの魅力はインパクト抜群のデザインとしなやかな走り。小径ステアリングを中心とする独自のiコックピットも独創的だ。
中古車参考価格帯:270万円〜410万円(22年〜25年 308 全グレード)
BMW 1シリーズ(先代)

BMWらしさをコンパクトカーに凝縮したのが1シリーズ。上質な内装や爽快な走りが自慢。先代モデルでは後席空間が従来よりも広くなり、使い勝手がレベルアップしている。
中古車参考価格帯:180万円〜520万円(19年〜24年 1シリーズ 全グレード)