輸入車
更新日:2025.04.13 / 掲載日:2025.04.13
走りもラグジュアリーも極めた【アウディ RS6アバント】その歴史といま買いの中古車

アウディ RS6アバント|語り継がれる名車の系譜 vol.52|
文●ユニット・コンパス 写真●アウディ
※中古車参考価格はすべてグーネット2025年3月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年5月号の内容です)
スーパースポーツカーに匹敵する性能をラグジュアリーモデルに与えたのがアウディ RS6。その歴史を紹介する。
高みを目指し走り続ける孤高のラグジュアリーカー

アウディらしさを突き詰めた高性能モデル
ブランドイメージを構築する最も効果的な手段のひとつがモータースポーツで活躍することだ。
アウディは、乗用車向け4WDシステムであるクワトロの有用性を証明するために、1980年代に世界ラリー選手権に出場。圧倒的な強さで優勝し時代を変えた。
20世紀末、欧州車はスピードの時代にあった。特にドイツは速度無制限区間のあるアウトバーンを有することもあり、高性能車は高級ブランドの絶対条件となった。
そこでアウディが選んだのは、ルマン24時間レースで勝利し技術力を証明することだった。結果、アウディは2000年からの3連覇を達成。アウディと高性能のイメージがあらためて印象付けられた。
そうした背景をもとに2022年に投入されたのがRS6だ。A6をベースに、名門コスワースが手がけたエンジンを搭載。最高出力450馬力とクワトロの組み合わせは、まさしく公道を走るル・マンカーだ。スタイリングは通常のA6に近いが、力強く盛り上がったフェンダーと巨大なホイールは、なんとも言えない迫力を醸し出した。
こうして誕生したのが、スポーツカーの性能を、一般ドライバーがあらゆる天候で安心してコントロールできる夢のクルマ。まさしくアウディの社是である「技術による先進」が形になった瞬間であった。
アウディ RS6アバントはこんなクルマ

名車クワトロからデザインを受け継いだフロントの3連グリルやブリスターフェンダーが印象的。圧倒的なパフォーマンスを予感させる大胆なスタイリングを採用している。

10.1インチと8.6インチの2つのタッチディスプレイを搭載したMMIタッチレスポンスを採用。上質なラグジュアリーカーとしての顔をあわせ持つ。

0-100km/h加速3.6秒、200km/hまでわずか12秒で到達する4LV8ツインターボ+モーターの電動化パワートレイン。
[アウディ RS6アバントが名車になった理由]時代の先を行くハイテクとラグジュアリーの融合
4WDの常識を超えた「クワトロ」

4輪駆動の常識を変えたのがアウディ クワトロとそれをベースにしたラリーカー。ドライ路面を含めあらゆる状況で優れた走行性能を発揮し、自動車業界全体に多大なる影響を与えた。
ラグジュアリーカーブランドの頂点を目指して

2000年初頭頃、アウディはル・マン24時間レースでの総合優勝などでブランドイメージをスポーティに変化させていた。そのイメージを決定づけたのが、2002年に登場した初代RS6。高級車の皮をかぶったスポーツカーだ。
アウトバーンの王者となるためのハイパフォーマンス

ハイパワーエンジンの力をクワトロで確実に路面へと伝える。それがRS6のメソッド。第1世代では450馬力を、第2世代では560馬力を発揮した。第3世代ではパワーと燃費を両立させながら最高速度305km/hを達成している。
3世代目からはワゴンボディ専用のモデルに成長

RS6は当初セダンとアバント(ワゴン)の2モデル構成だったが、ハイパフォーマンスワゴンというそれまでになかったジャンルを創出することにもなった。3代目以降はアバント専用モデルとなり、その性質を強めている。
洗練を重ね最新モデルでは国際商品に成長

限られたカーガイのためのニッチな高級車という立ち位置だったRS6。4代目ではさらに全体の完成度を磨き上げることで、念願だった北米市場への進出も実現。名実ともにアウディを代表するモデルとなっている。
アウディを代表するハイパフォーマンスモデルとして

クワトロ40周年を記念したコンセプトカー「RS6 GTO コンセプト」からインスピレーションを受けて企画された世界限定660台の限定車。カーボン製ボンネットや22インチホイールなどを装備。
新車といま買いの中古車たち
アウディ RS6アバント(C8)

3世代目のエンジンを改良し48VマイルドHVと組み合わせることで、さらなる性能アップと低燃費を実現した現行型。四輪操舵システムの採用により日常での使いやすさも改良されている。
新車価格:1933万円(RS6アバント パフォーマンス)
アウディ RS6アバント(C7)

エンジンを4LV8ツインターボにダウンサイジングする一方で、車両全体のバランスを追求した第3世代モデル。305km/hの最高速度と先代比30%減の燃費性能を両立させている。
中古車参考価格帯:630万円~850万円(20年~13年 RS6アバント 全グレード)
アウディ RS6アバント(C6)

歴代で最もパワフルなエンジンを搭載していたのが2代目RS6アバント。5LV10ツインターボは最高出力580馬力で、最高速度はアウディ初の300km/h(RS6プラス)超えを実現。
中古車参考価格帯:350万円~400万円(12年~08年 RS6アバント 全グレード)