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更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.02.09
【メルセデス・ベンツ Gクラス】新型登場で相場が動く!? 現行型は待ちの一手か
新型登場で今後相場がどう動く?
現行型メルセデスの最古参なのがGクラス。言わずと知れた生粋のオフローダーで、かつては「ゲレンデヴァーゲン」と呼ばれていたから、そちらの呼称のほうがピンとくるひとが多いかもしれない。デビューは1979年で、NATO軍に向けた軍用車として製造されたのが始まりだ。そこからおよそ40年。エンジンや内装の仕立ては時代に合わせて改良されてきたが、ボディの基本骨格とデザインは当時からほとんど変わらない。でも、元が軍用車なのでタフな設計となっていて、のちに登場したSUVのMクラスと比べてもオフロード性能は圧倒的にGクラスに軍配があがる。さらに言えば、あの四角いボディのカッコよさ、逞しさにひと目惚れしたひとは数知れず、ファンの多いクルマなのだ。それゆえ市場では高値をキープし、中古車と言えどもおいそれと手が出にくいのが今の市場動向である。
そんなGクラス、先日開催されたデトロイトモーターショーで、新型がワールドプレミアされた。ボディ構造からエンジンまで全面的に一新された完全なるフルモデルチェンジだが、外観のデザインはキープコンセプト。だれが見てもGクラスとわかるスタイルでありながら、ディテールはいまの時代に相応しい精密感がある。デビュー前から大ヒットを予感させる仕上がりとなったと言えそうだ。
そこで気になるのが、現行型の中古車相場動向だ。新型が登場したことで、近い将来何かしらの動きがあるはず。オフローダーのレジェンドとも言える旧型の駆け込み需要で高値キープが続くか、新型人気で旧型の相場が大きく下落するか、いまの段階では判断がつかない。だからこそ、現行型の相場を探る価値がある。
Gクラスの歴史を振り返る
1979年春のジュネーブショーで軍用車として発表され、その後メルセデスの乗用車として一般向けにも販売されたオフローダーがゲレンデヴァーゲン。40年近くにも及ぶ長いヒストリーのなかで、最初の大きな改良は1989年のマイナーチェンジ。駆動方式は、それまでのパートタイム式4WDからフルタイム4WDへと変更された。このタイミングで外観はフロントマスクがボディ同色となり、オーバーフェンダーやサイドステップも装着され、一気にモダンかつ乗用車的なスタイルとなった。ちなみにこれ以前のモデルがW460、以降がW463というコードネームが与えられている。そして1994年、「ゲレンデヴァーゲン」から「Gクラス」へと車名が変更され、メルセデスファミリーとしてのポジションが明確化された。
このように長い歴史が自慢のGクラスだが、現在中古車として流通している個体のほとんどが90年代以降のW463。生産期間が長いため、コンディションも走行距離もまちまち。価格帯は200万円~1000万円と非常に幅広いため、探すのにややコツがいりそうだ。今回は、1990年から5年ごとにまとめた中古車平均価格(AMGを含む全グレード)を調べてみた。
年式 | 中古車平均価格 |
90~94年式 | 427万円 |
95~99年式 | 326万円 |
00~04年式 | 413万円 |
05~09年式 | 565万円 |
10~15年式 | 890万円 |
15年式~ | 920万円 |
2010年以降の高年式物件はかなり高値をキープする一方、それ以前は年式による価格差が小さい傾向にある。走行距離に注目すると、低走行車はもちろん相場が高くなる傾向にあるが、ほかのメルセデスと比べると距離別の相場に顕著な差は見られず、走行距離が10万km以上でも高値な物件がわりと流通している。頑強なラダーフレームを持つクルマだから、多走行=安いというわけではなさそうだ。
また、全体の90%以上が00年式以降に集中している。とくに10年式~15年式がGクラスのボリュームゾーン。このあたりの年式は走行距離が3万km以下の低走行車がほとんどだが、中古車は高い。となると、05年式~09年式のV8搭載車がもっとも探しやすそうだ。600万円の予算があれば、多くの物件がターゲットとなるだろう。
ベストチョイスモデルはどれ?
90年代以降のGクラスのエンジン構成は、大きく分けると直6、V6、V8の3タイプ。さらに1999年にAMG社が子会社化されたため、メルセデスの各ラインアップにカタログモデルとしてAMG製品が加わることになり、後に5.5L V8(G55)、5.4L(G63)、6.0L(G65)という3モデルが設定された。また、ガソリン以外にクリーンディーゼル仕様もあるから、Gクラスの選択の幅は意外と広い。一方ボディ別に見ると、3ドアのショートボディと5ドアのロングボディから選べる。まずは、AMGを除くグレード別の相場をチェックしてみたい。
グレード | 中古車平均価格 |
G320 | 404万円 |
G350ブルーテック | 791万円 |
G350d | 923万円 |
G500 | 451万円 |
G550 | 924万円 |
数あるグレードのなかで、もっとも物件豊富なのがディーゼルエンジンの「G350d」。こちらは2016年登場と新しく、相場はV8搭載の「G550」並みだ。同じくディーゼルを搭載する「350 ブルーテック」は、「G350d」の前身となるグレードだが、最高出力や燃費は劣るものの、相場は少し低めなのでねらいやすい。
「G320」は、初期は直6エンジンを搭載していたが、98年モデル以降V6に置き換えられた。2006年まで設定され、Gクラスのエントリーモデルとしての役割を持っているだけに、相場はほかのグレードよりもかなり低め。ただし物件数が少なくなっているのと、およそ半数が8万km以上の多走行車なことに注意。これを承知の上ならば、6気筒モデルは購入の敷居が低い。
V8搭載車の「G500」と「G550」は、幾度もエンジンが改良を受けており、排気量や出力のバリエーションが豊富。環境性能や信頼性の高さで選べば、最新の4.0L V8ツインターボ搭載車がベストだが、それ相応の購入コストが必要だ。たとえば500万円の予算なら、06年式、走行距離8万km前後の「G500」あたりが購入の目安となっている。
AMGモデルってやっぱり高い?
まず12気筒の「G65」はほとんど流通していない。「G55」と「G63」は、前者のほうがやや物件が多く、しかも価格が文字通り桁違いに安い。それでも標準のGクラス以上の相場となっているから、メルセデスとしては値崩れせず、価格をキープしていることがわかる。
以上が、いまのGクラスの中古車事情である。しかし、先にも述べたが新型登場により相場が動く可能性が高い。それゆえ新型の中古車が流通するまで、しばらく様子見するというのも手だ。
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