快適なラグジュアリーオープンを手に入れたい【輸入車コンシェルジュ】

　海外に行くと日本の倍以上の頻度でオープンカーを見かけます。他人の視線を気にしがちな日本人と違い、海外ではオープンカーは憧れの存在。老若男女を問わず人気があります。
　さて、今回の相談者は高級オープンカーをご所望です。仕事を成し遂げた自分へのご褒美ということですが、日々厳しい判断に迫られる責任ある立場だからこそ、自分の時間をしっかり楽しみたいという言葉に重みを感じます。
　このジャンルはまさに輸入車の独壇場。欧州車を中心に数多くの選択肢が存在します。今回の相談者は、高速でもめったに追い越し車線を走らないということですので、パフォーマンスよりも快適性を重視したクルマ選びとなっています。
　中古車市場の傾向としては、物件の絶対数は少ないものの、比較的コンディションのいい車両が見つけられます。ただし、高額車両ゆえに故障した場合のリスクは小さくはありません。年式を妥協してでも、保証付き物件を選ぶというのも、ひとつの考え方です。
　ちなみに、炎天下にも関わらず屋根を開けて走っているオープンカーを見かけることがありますが、真夏は夜こそがオープンのゴールデンタイム。頭上を流れる星空や街の灯りは綺麗!　ぜひ来年の夏を楽しみにしてください。

　ラグジュアリーテイストのオープンカーといえば、SLの存在をさし置くわけにはいきません。
　現行ラインアップからは姿を消してしまいましたが、1954年の初代モデル以来、SLクラスは長くメルセデスを象徴する存在として頂点に君臨してきました。そのネーミングは、ドイツ語で軽量なスポーツカーを意味する「Sport Leicht(シュポルト・ライヒト)」に由来するのですが、代を重ねるごとにキャラクターは高級路線を進んでいきます。これは高性能スポーツカーを購入するユーザーが富裕層であるためで、速さと同じくらい快適さが重要視されたからです。
　日本では2012年から発売された6代目のSLクラスは、メルセデスの市販車として初めてアルミボディを採用。ルーフにマグネシウム合金を用いるなどまさにSLの精神を具現化しました。
　スポーティテイストを強める現行ラインアップに比べて、これぞラグジュアリーと膝を打つ、いい意味でのユルさが魅力です。

2012年 メルセデス・ベンツ SL 550 ブルーエフィシェンシー（７速AT） ●全長×全幅×全高：4615×1875×1305mm ●車両重量：1860kg ●エンジン：V8DOHCツインターボ　●最高出力：435ps ／5250rpm ●最大トルク：71.4kg m／1800-3500rpm ●排気量：4663cc ●中古車参考価格：370万円～1000万円（12年～19年 AMGを除く）

　ラグジュアリークーペといえばBMWも忘れてはいけません。現在フラッグシップとなる８シリーズが登場しましたが、少し前まではこの６シリーズがカブリオレの王様でした。SLとの違いはソフトトップと後席の存在。後席は子供または短距離用のサイズですが、有ると無いとでは大違いとも言えます。

2015年 BMW 650iカブリオレ（８速AT） ●全長×全幅×全高：4895×1895×1365mm ●車両重量：2070kg ●エンジン：V8DOHCツインターボ　●最高出力：450ps ／5500rpm ●最大トルク：66.3kg m／2000-4500rpm ●排気量：4394cc ●中古車参考価格：310万円～600万円（11年～18年 全グレード）

　SLや６シリーズがアメリカ西海岸のイメージが強いのに対して、ヨーロッパの匂いを感じさせるのがジャガーXKコンバーチブル。写真のようなシックなシルバーやダークカラーが似合います。ちょっと気取ったドレッシーなスーツを着てみたくなる、そんなおしゃれな１台です。

2011年 ジャガー XK ポートフォリオコンバーチブル（６速AT） ●全長×全幅×全高：4790×1895×1330mm ●車両重量：1780kg ●エンジン：V8DOHC　●最高出力：385ps ／6500rpm ●最大トルク：52.5kg m／3500rpm ●排気量：4999cc ●中古車参考価格：360万円～570万円（06年～14年 全グレード）