【VW GTI特集】スポーツモデル好きなら注目！ GTIシリーズの中古車相場をまとめてみた

　初代ゴルフのスポーツモデルとして1975年に初公開された「GTI」。小型ハッチバックに高出力なエンジンを搭載するという手法は、後に多くのフォロワーを生み出し、元祖ホットハッチとも言える存在である。現在までの間、モデルチェンジをするたびに必ず「GTI」が設定されたものの、ゴルフIIIやゴルフIVでは初代ほど尖ったモデルでなくなり、「GTI」らしさが薄れた時期もあった。しかし、2005年6月に登場したゴルフVのGTIでは、初代ゴルフGTIを彷彿とさせる内外装やパワフルな2.0L 直4ターボエンジンを採用。スポーツモデルとして明確な役割が与えられたことで、旧来からのファンを沸かせた。続くゴルフVI、ゴルフVIIも正常進化を果たし、快適性や経済性を犠牲にすることなく、本格的なスポーツドライビングが楽しめるモデルとして中古車市場でも人気が高い。

　一方、GTIはゴルフ以外にも展開されている。初代または2代目のシロッコに設定されていたほか、3代目以降のポロなどにも与えられた。ゴルフよりもひとまわり小型のボディを持つから、走りはさらに活発。今ではゴルフGTIに次ぐ人気モデルとなっている。そのほか、スモールカー「アップ！」にも限定車として設定されたことで、大小さまざまのGTIが選べるようになった。

　2013年9月には、ゴルフVIIベース（現行型）のGTIが登場。ベース車がMQBモジュールを導入したしたことで、走りはさらに進化。10kgの軽量化と220馬力に高められた最高出力により、パフォーマンスはさらに向上した。赤いストライプが各所に施された内外装により、見た目も一段とスポーティになっている。2017年の改良では、外観がリニューアルされたほか、エンジンは230馬力に向上し、インフォテイメントにも改良を実施。その後も、最高出力を高めた「パフォーマンス」や「TCR」のような限定車も登場しており、トップモデルのゴルフRに迫る性能を獲得している。それらを踏まえ、世代別の中古車平均価格を見ていこう。

　最初に、ゴルフGTIの概要を記しておこう。今回紹介するのはゴルフV~VIIの3世代に渡るGTI。ゴルフVのGTIが登場したのは2005年6月で、エンジンは200馬力の2.0L 直4ターボを搭載。トランスミッションは6速MTと6速DSGが選べた。先代のGTIは標準グレードと内外装の違いが少なかったが、この世代では初代を彷彿とさせるレッドストライプが施されたフロントグリル、チェック柄のシートを採用したのが見どころ。2009年9月には、ゴルフVIをベースとしたGTIが登場。エンジンは、先代と同じく2.0L 直4ターボが搭載されるが、最高出力は211馬力に引き上げられた。内外装の仕立てはVを継承するが、メカニズム面ではブレーキを適切に制御してコーナーリング性能を高めた「XDS」が導入されたことも、VI世代の特徴。ベース車の性能アップと相まって走りは一層スポーティに進化している。

　2013年9月には、ゴルフVIIベース（現行型）のGTIが登場。ベース車がMQBモジュールを導入したしたことで、走りはさらに進化。10kgの軽量化と220馬力に高められた最高出力により、パフォーマンスはさらに向上した。赤いストライプが各所に施された内外装により、見た目も一段とスポーティになっている。2017年の改良では、外観がリニューアルされたほか、エンジンは230馬力に向上し、インフォテイメントにも改良を実施。その後も、最高出力を高めた「パフォーマンス」や「TCR」のような限定車も登場しており、トップモデルのゴルフRに迫る性能を獲得している。それらを踏まえ、世代別の中古車平均価格を見ていこう。

　過去3世代の中古車平均価格は表のとおり。Vは、VIと比べて平均価格は半分程度だが、物件数は同程度となっている。一見魅力的に思えるゴルフVだが、その大部分は5万~10万kmの多走行車となっているから要注意。一方ゴルフVIは、100万円以下の物件も充実しているが、これらもやはり多走行が中心。5万km以下の良質な物件を求めるなら、130万円前後の予算は用意しておきたい。

　また、ゴルフVIIは現行型ゆえ相場も高めとなる。しかし物件数はもっとも充実しており、コンディションが良好な物件が探しやすいのが魅力だ。初期型ならば150万円~200万円の物件が揃うから、この予算を用意できるならゴルフVIIのGTIをオススメしたい。

　GTIを探す上で外せないのが、ポロGTI。とくに2010年9月に登場した先代モデルは、物件数も豊富なのでゴルフGTIとともに検討したい1台。4mを切るコンパクトなボディに、179馬力／25.5kgmの1.4Lターボ+スーパーチャージャーを搭載。車両重量を考慮すると、ゴルフGTIに引けを取らないパフォーマンスを発揮する。内外装も伝統的なGTIの文法に則り、ストライプ入りのフロントグリル、チェック柄のシートを採用。2015年2月にはマイナーチェンジが行われ、エンジンは1.8L 直4ターボに換装された。最高出力は192馬力に増強され、パフォーマンスをさらにアップ。また、同時に外観もリニューアルされて質感が高められた。

　一方、スモールカー「アップ！」にもGTIが存在する。2018年6月に600台が導入され、さらに2019年2月にも設定された。ポロよりもひとまわり小型の3625mmというコンパクトなボディを持ち、116馬力の1.0L 直3ターボを搭載。トランスミッションは6速MTが組み合わされる。ここでは、先代ポロGTI（前期型）、先代ポロGTI（後期型）、アップ！GTIの中古車平均価格を見ていこう。

　先代ポロGTIは前期型と後期型で相場が大きく異なる。前期型は100万円を切る一方、後期型は182万円と高め。実際に物件を細かく調査すると、後期型で100万円以下の物件はほぼ存在せず、多走行車でも100万円からとなっている。この価格帯だとゴルフVIIのGTIを狙えるケースもあるだろう。一方、前期型は70万円前後の予算から探せるのがメリット。両者とも物件数は同程度だが、いずれもゴルフVIIより物件数が大幅に少ないことを覚えておこう。一方、アップ！GTIは流通量が少なく相場も高め。GTIのエントリーモデルであるものの、相場も高く探しにくいのが現状。

　中古車相場から見て、もっとも買いやすいGTIはゴルフVI。また物件の豊富さで見ると、ゴルフVIIも狙いやすいだろう。GTIの主力は今でもゴルフにあり、両モデルは鉄板のチョイスと言っていい。また先代ポロGTIの前期型は、物件が少ないものの相場が手頃なので注目したい。GTIは数あるスポーツモデルのなかでも物件が充実し、価格も手頃なので買いやすいスポーツモデル。クルマ選びの際、積極的に選んでみてはいかがだろうか。

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