輸入車
更新日:2020.05.05 / 掲載日:2020.05.05

フェラーリ|ブランドヒストリー vol.1|

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年4月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年5月号の内容です)


超高級ブランドが、なぜ特別な存在でいられるのか。歴史を紐解くことで見えてくる、ハイブランドの本当の価値。

レーシングチームが先に存在した自動車メーカー

 モータースポーツを闘うために生まれた会社。それがフェラーリだ。
 創業者エンツォ・フェラーリは、1929年に「スクーデリア・フェラーリ」を設立するとアルファ ロメオのセミワークスとしてドイツ勢を敵にまわし活躍。その後、第二次世界大戦が終わった1947年に、自社でレーシングマシンを作るために自動車製造会社フェラーリを興す。第1号車である125Sはローマグランプリを制し、大いに名声を高めた。
 創業当時のフェラーリにとって、販売車両はレーシングカーとほぼイコールであった。旧型となったレースカーをデチューンして公道用モデルとして販売していたのだ。顧客は貴族や富豪といったスーパーセレブであった。さらにアメリカ市場にも参入したフェラーリは、モータースポーツで活躍し、市販モデルを裕福なユーザーに販売するというビジネスモデルを確立させた。
 1953年にフェラーリにとって初めてとなる純粋な市販車である250シリーズが登場する。しかし依然としてこの時代のフェラーリは、レースに参戦可能な公道モデルであり、エンツォも自社モデルが「スポーツカー」と呼ばれるのを嫌ったという逸話が残されている。そのなかでもとくに評価の高い250GTOには、現在数十億円の価値がある。
 60年代にピニンファリーナと提携を結んだフェラーリは、速く、そして美しい跳ね馬を数多く生み出した。とくに「デイトナ」の愛称で知られる365GT4は、輝かしい戦績とともに傑作として評価されている。
 近代フェラーリの歴史を語るうえで欠かせないのが40周年を記念して限定生産されたF40(1987年)だ。F1マシンの技術をフィードバックした究極のストラダーレ(ストリートモデル)は、いまでも人々の記憶に強く残り続けている。
 モータースポーツの興奮を公道で体験できるブランド。それがフェラーリの歴史であり真髄なのだ。

レースを愛し、レースに生きた伝説の男、エンツォ・フェラーリ

 フェラーリは、エンツォ・フェラーリ(1898年~1988年)というひとりの情熱的な男によって生み出された。幼年期に観たレースでモータースポーツに取り憑かれたエンツォは「スクーデリア・フェラーリ」を設立、イタリアを代表するレーシングチームへと成長させた。どこまでもモータースポーツ、そしてF1を愛した人物。

[CLOSE UP]F1マシンとスポーツカーの間にあるもの。それがフェラーリ

 フェラーリにとって21世紀最初の記念碑的な作品となったスペチアーレ(限定生産モデル)がこのエンツォ フェラーリ(2002年)。創業者の名前を冠していることからもわかるとおり、まさに特別なモデルで、世界限定400台、創業55周年のタイミングで発表された。その姿はまさしく行動を走るF1マシンである。

  • F1世界選手権を闘う それがフェラーリの本分

     F1こそフェラーリの歴史だ。この写真は1952年と2000年のチャンピオンマシンが並んだもの。右は、ドライバーズとコンストラクターズを同時に制したミハエル・シューマッハの愛機だ。

  • 創業70年を超えてさらに世界中にファンを増やしている

     2017年に創業70周年を迎えたフェラーリ。世界各地で記念イベントが開催され、多くのひとびとを楽しませた。日本では両国国技館でラ・フェラーリアペルタ(約10億7700万円で落札)が披露された。

  • 時代を超えて語り継がれる伝説のスペチアーレ、F40

     40周年を記念に作られたスペシャルモデルであるF40。エンツォが生前最後に携わったフェラーリということもあり、その存在は伝説であり特別なものとなった。総生産台数は1311台とされている。

  • 環境性能を両立させた初のプラグインハイブリッド

     地球温暖化への対策はスーパースポーツであっても不可欠な時代に。2019年、フェラーリにとって初めてのPHEVSF90ストラダーレが登場。システム合計出力1000馬力と圧倒的なパフォーマンスを誇る。

いまオススメの中古車で探せる[フェラーリ]

F355

 クラシックとモダンの境界線となるのがF355というモデルの立ち位置。それは性能的な意味でもそうであり、信頼性の面でも然り。それゆえ中古車市場でも評価は高く、その価値を維持している。
中古車参考価格帯:800万円~1450万円(05年~10年 全グレード)

360モデナ

 近代フェラーリの方向性を決定づけた記念碑的モデル。ボディ構造をオールアルミモノコックとし軽量化と高剛性を両立した。V8ミドシップでありながら、ゴルフバッグを積めるラゲッジも用意。
中古車参考価格帯:700万円~1200万円(99年~05年 全グレード)

カリフォルニア

 クーペとオープンのフェラーリを1台で楽しめるのがこのカリフォルニア。電動によりメタルルーフが開閉可能で、まさしくカリフォルニアにぴったり。エンジンは4.2LV8をフロントに搭載する。
中古車参考価格帯:1100万円~1550万円(09年~14年 全グレード)

F430

 360モデナで培ったメカニズムをブラッシュアップしたのがF430。当時のF1テクノロジーである電子制御デフや空力的デザインを惜しみなく注ぎ込んでいる。いまでもその性能は一級品だ。
中古車参考価格帯:1200万円~1600万円(05年~10年 全グレード)

458イタリア

 自然吸気の4.5LV8エンジンをミッドシップに搭載するスポーツモデル。最高出力の570馬力を出力するのは驚異の9000回転。後継モデルがターボ化されたこともあり、その価値は揺るぎない。
中古車参考価格帯:1800万円~2700万円(10年~16年 全グレード)

612スカリエッティ

 フロントにV12エンジンを搭載するFRは長くフェラーリのフラッグシップの伝統。レーシングカー顔負けの本格メカを贅沢なしつらえのクーペボディに搭載した大人のためのフェラーリ。
中古車参考価格帯:750万円~1250万円(04年~11年 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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