車中泊も楽しめるワンボックスが欲しい！【輸入車コンシェルジュ】

相談者［K・Nさん］53歳／既婚／小売店経営
　都内で輸入雑貨の販売を営んでいるK・Nさん。これまでは趣味と仕事を兼ねて年に数回海外旅行に出かけていたのが、このコロナ禍により行けなくなり、ストレスを溜めているのだとか。そこで、接触機会を最小化しながら旅行に出かけるため、車中泊可能なクルマへの買い替えを希望しています。

　ここ数年のアウトドアブームですが、折からのコロナ禍ですっかり定番レジャーとなりつつあります。日頃のストレスから開放されるのはもちろん、海外旅行が難しくなったことで、日本の自然の豊かさに改めて注目が集まっているようです。
　今回の依頼者も旅好きで、休暇のたびに海外旅行に出かけていたタイプ。そのため、旅行に行けないストレスがかなり溜まっているとのこと。そこで、本来ならリタイア後の夢のひとつであったクルマでの旅を、前倒しで実現させたいと考えたのだとか。とはいっても、居住地域の関係から本格的なキャンピングカーを手に入れるにはハードルが高いため、まずは車中泊のできるクルマを購入してみようとのことでした。
　希望は、夫婦と愛犬が快適に車中泊できるクルマで、ロングドライブでも疲れにくいこと。さらに、相談者はクルマをライフスタイルの一貫として捉えているため、ルックスやイメージにもこだわりを持っているようです。
　ステーションワゴンやSUVでも車中泊は可能ですが、ここはやはりミニバンの出番でしょう。もちろん、輸入車にも魅力的なミニバンが揃っています。きっと満足いただける1台が見つかるでしょう。

　フォルクスワーゲン シャランは、輸入車では数少ない両側電動スライドドアを備えるミニバンです。2011年から販売されている現行型は、3列シートを備える7人乗りで、全長×全幅×全高はエスティマを少し大きくしたくらいと、まさに日本の道にジャストサイズ。
　ミニバン大国である日本ではありますが、その多くは経済性と使い勝手に焦点を絞った内容で、長距離を走るというよりも近距離を低速で走るのが得意。その点アウトバーン育ちのシャランは、長距離を走っても運転手と乗員の疲れが違います。
　肝心の車中泊についてもシャランは大得意。2列目と3列目は簡単な操作で完全なフラット床に変身。シート座面が床になるタイプでは、このフラット感は出せません。大人2人とワンちゃんなら、十分快適に過ごせるでしょう。
　なお、2019年10月には待望のディーゼルエンジンを搭載する「TDIハイライン」も追加されました。こちらは燃料代がリーズナブルで、高速巡航もさらに得意です。

2019年 フォルクスワーゲン シャラン TDI ハイライン（６速AT・DSG） ●全長×全幅×全高：4855×1910×1765mm ●ホイールベース：2920mm ●車両重量：1900kg ●エンジン：直４DOHCディーゼルターボ　●排気量：1968cc ●最高出力：177ps／3500-4000rpm ●最大トルク：38.8kgm／1750-3250rpm ●中古車参考価格：80万円～430万円（11年～20年 シャラン）

　家族みんなでゆったりとした時間を過ごしたいなら、ちょっと値段を奮発してＶクラスというのも素敵な選択です。これまでにもポップアップルーフを備えた特別仕様車が販売されてきたことからわかるとおり、キャンパーとしての資質は十分。車中泊でもグランピング気分が味わえます。

2015年 メルセデス・ベンツ V220d（７速AT） ●全長×全幅×全高：4905×1930×1880mm ●ホイールベース：3200mm ●車両重量：2370kg ●エンジン：直４DOHCディーゼルターボ　●排気量：2142cc ●最高出力：163ps／3800rpm ●最大トルク：38.7kgm／1400-2400rpm ●中古車参考価格：340万円～920万円（15年～20年 Ｖクラス）

　欧州車に古くから伝わるフルゴネットタイプのライトバンは、乗用車の前席と荷箱をくっつけたような成り立ちが特徴です。その利点は、運転するときは快適で、荷室が最大級に使いやすいこと。カングーはその代表選手で日本でもたくさんの愛好家が存在。浮いた予算でキャンプ道具を奮発しましょう。

2017年 ルノー カングー ゼン（６速AT・EDC） ●全長×全幅×全高：4280×1830×1810mm ●ホイールベース：2700mm ●車両重量：1450kg ●エンジン：直４DOHCターボ　●排気量：1197cc ●最高出力：115ps／4500rpm ●最大トルク：19.4kgm／1750rpm ●中古車参考価格：70万円～290万円（09年～20年 全グレード）