定番モデルの高性能仕様に乗りたい！【輸入車コンシェルジュ】

相談者［Y・Aさん］
47歳／既婚／歯科医
　今回の相談者であるY・Aさんは、歯科医院を開業している歯医者さん。コロナ禍になってからクルマ通勤を始めて、改めてクルマのおもしろさに目覚めたとのこと。そこで次のクルマは、より通勤時間を楽しめるもので、なおかつ悪目立ちしないクルマがいいとのこと。あくまで自分の楽しさ重視のクルマ選びです。

　輸入車選びのポイントは自己満足にあります。いかに自分の心を満足させられるクルマをチョイスできるか。予算と車格とリスクとを天秤にかけた大人の遊びなのです。
　今回の相談者がねらっているのは、定番モデルの高性能仕様。いざとなれば流れを瞬時にリードできる高性能を秘めながら、定番モデルならではの絶妙な埋没感でしれっと街に溶け込む通好みの選択です。さらに、定番モデルだけに街中で同型と横並びになることもあるでしょう。でも、自分のクルマがラインアップの上位に位置する高性能モデルであれば、思わず口元も緩みます。
　また、定番モデルの高性能仕様を中古車でねらうのはコスト的なメリットもあります。これらは新車時価格が高いものが多く、なかにはベースモデルの倍近いプライスタグをつけるものも。
　ただし、欠点というか気をつけなければならない点があります。こうした高性能仕様はベースモデルに比べて販売台数が少ないため、中古車市場に出まわる物件に限りがあること。しかも、こうした高性能モデルは、最初の数年で手放されない場合、長期保有される傾向にあります。
　つまり、いい中古車を見つけたら早めの決断が求められるのです。

　クルマに詳しくない人が見たら普通のゴルフ。でも、そのパフォーマンスは超一級品。それがゴルフRというクルマです。
　VWを代表するゴルフという素材のポテンシャルを、エンジニアたちが最高の技術で引き出す。そこに妥協という文字はありません。ゴルフといえばGTIという有名モデルがありますが、ゴルフRはそれよりも高性能でありながら、ルックスでいえばよりシックなテイストでまとめられています。まさに相談者の求めるニーズにぴったりでしょう。
　ゴルフRの進化は見た目ではありません。シリーズ最強のエンジン（前期型280馬力、後期型310馬力）とそれを伝える4WDシステムにあります。たとえ雨であろうが、道が荒れていようが4つのタイヤを通じて路面にしっかりとパワーを伝えてくれるのです。
　そして、もしも気が向いたらドライブモードを切り替えてみてください。押さえつけられていた真のポテンシャルは、その音を聞くだけでもあなたを笑顔にしてくれるでしょう。

2014年 フォルクスワーゲン ゴルフR（６速AT・DSG） ●全長×全幅×全高：4275×1800×1465mm ●ホイールベース：2635mm ●車両重量：1500kg ●エンジン：直４DOHCターボ　●排気量：1984cc ●最高出力：280ps／5100-6500rpm ●最大トルク：38.7kgm／1800-5100rpm ●中古車参考価格：230万円～560万円（14年～21年 全グレード）

　アウディのデザインアイコンとなったスポーツモデルTT。その高性能バージョンがTTSです。３世代目のTTは本格的スポーツカーへと進化しましたが、そのポテンシャルを存分に引き出しているのがTTS。パワーはベースモデルより50馬力以上パワフル。後期型は306馬力に到達しています。

2015年 アウディ TTS クーペ 2.0TFSIクワトロ（６速AT） ●全長×全幅×全高：4190×1830×1370mm ●ホイールベース：2505mm ●車両重量：1410kg ●エンジン：直４DOHCターボ　●排気量：1984cc ●最高出力：286ps／5300-6200rpm ●最大トルク：38.8kgm／1800-5200rpm ●中古車参考価格：380万円～760万円（15年～21年 TTS）

　小型の高性能FRという意味では、最後の世代となったのが先代１シリーズ。M135iは、Mモデルに近い高性能を与えられたシリーズきってのスポーツモデルで、サーキットに行けば、ドリフトだって自由自在。後期モデルのM140i（2016年～）では外観のリフレッシュとさらなる高性能化が図られています。

2013年 BMW M135i（８速AT） ●全長×全幅×全高：4340×1765×1430mm ●ホイールベース：2690mm ●車両重量：1540kg ●エンジン：直６DOHCターボ　●排気量：2979cc ●最高出力：320ps／5800rpm ●最大トルク：45.9kgm／1300-4500rpm ●中古車参考価格：180万円～410万円（12年～19年 M135i、M140i）