ロールスロイス 初の電気自動車を発表

　ロールスロイス・モーターカーズは現地時間の9月29日、同社初の完全電気自動車のオンロードテストが間近に迫っていることを発表した。名称は「Spectre（スペクター）」で、2023年の第4四半期に市場に投入される予定。

＞ロールスロイスの新車見積もりはこちら

製品化に向け走行テストを開始「Spectre（スペクター）」

　ロールスロイス・モーターカーズのCEO、最高経営責任者であるトルステン・ミュラー・オトヴェス氏は、「今日は、1904年5月4日以来、ロールスロイス・モーターカーズの歴史の中で最も重要な日です。117年後の今日、新製品のオンロードテストプログラム開始を発表できることを誇りに思います」とその重要性を強調した。

　スペクターの販売時期については、「製品はテストの後、2023年の第4四半期にお客様に初めてお届けする予定です」と明かしている。

　ロールスロイスでは、かねてより電動パワートレインの実験を行ってきた。2011年には、完全に動作するオールエレクトリックファントムである102EXを公開。2016年には、数十年先のロールスロイスのビジョンを表現した完全電動の103EXを発表している。

同社の歴史上、最も厳しい250万キロの走行テスト

　オトヴェス氏は新しいパワートレイン実用化に向け、顧客に提供する前にあらゆるテストを行う必要があると述べた。「そのために、私たちはロールスロイスの歴史の中で最も厳しいテストプログラムを考えました。250万キロの走行距離は、ロールスロイスの平均的な使用期間である400年以上をシミュレートしたものであり、世界のあらゆる場所に赴き、この新しいモーターカーを限界まで追い込みます。」

独自の柔軟なアルミニウム・アーキテクチャー

　2017年、同社はファントムの発表と同時にロールスロイス独自のアルミニウム・アーキテクチャーを発表した。これは、後のすべてのロールスロイスの自動車を支える拡張可能で柔軟なスペースフレームとなっており、内燃機関モデルだけでなく今回の電気自動車のような、まったく異なるパワートレインを持つモデルの基礎を支えた。

Spectre（スペクター）: 新しいレガシー

　ブランド初の電気自動車の名付けについて、オトヴェス氏は次のように語った。「このロールスロイスは私たちのブランドにとって、新たなレガシーの始まりです。この精神に基づき、私たちはこの車にまったく新しい名前をつけることにしました。ファントム、ゴースト、レイスといった、過去1世紀にわたって並んだものたちと同様に、力強く、示唆に富んだ名前です。」

「スペクターとは、大いなる力と幻影を意味する異世界の存在であり、一瞬のうちに姿を現して存在感を示す異界の生き物に与えられる名称です。スペクターは、世界を一時停止させ、その空間を支配する。そして、現れたかと思うとすぐに消えてしまい、爽快感、エネルギー、陰謀の跡を残します。この名前は、私たちが本日発表する特別なロールス・ロイスにぴったりです。真の英国ブランドとして、私たちは英国式の綴りを選択しましたが、その意味は世界共通です。」

　ロールスロイス・モーターカーズは今後について、2030年までに製品全体を完全に電動化するという目標を掲げる。そして、それまでに内燃機関を搭載する製品を製造・販売する事業から撤退することを表明した。

＞ロールスロイスの新車見積もりはこちら