輸入車
更新日:2024.02.26 / 掲載日:2022.03.04
ボルボ エステート|語り継がれる名車の系譜 vol.15|
文●ユニット・コンパス 写真●ボルボ
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年2月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年4月号の内容です)
商用車の印象が拭えなかった2BOXベースのワゴン車を、憧れの存在にまで引き上げたボルボのエステート。
ステーションワゴンというジャンルを築き上げた
呼び名ひとつとってもプライドが垣間見える
「エステート」とは主に英国でのワゴンボディの呼称で、日本ではステーションワゴンと呼ばれることが多い。ボルボがワゴン仕様をそのように呼ぶのにはもちろん理由がある。
かつて、いまほど自家用車が一般的ではなかった時代、街を走るクルマの多くは商用車であり、2BOXタイプのそれらはバンと呼ばれていた。ワゴンボディは、セダンよりも荷室用量が大きく、それでいてワンボックスよりも走行性能に優れるため、乗用車として優れた資質を備えている。だが、バンが活躍したことでワゴンボディには商用車というイメージがつきまとっていたのだ。
そんなイメージを払拭したのが1953年に登場したボルボ デュエットだった。セダンよりも便利でルックスも美しいデュエットは、1969年まで続くヒット作となり、ステーションワゴンというジャンルを確立したまさに名車だった。エステートという名称には、上質な暮らしのためのクルマだというボルボのプライドが込められているのだ。
その後もボルボはエステートにこだわり続ける。ユニークな活動としては、850(1992年)時代のツーリングカーレース参戦が挙げられるだろう。
常識を覆しカテゴリーを牽引してきたこと。それがボルボの歴代エステートが名車と呼ばれ、クルマ好きから一目置かれてきた理由なのだ。
ボルボ エステートはこんなクルマ
V60はボルボエステートモデルの中心的存在。現行モデルはスタイルとスポーティさを強調し、より上質なパーソナルカーのイメージを作り上げている。
シンプルでありながら居心地のいいスカンジナビアンデザイン。縦型のモニターが特徴的だ。前席シートは上級モデルと共通で造りもいい。
多くのメーカーが手本としたボルボのラゲッジルーム。開口部は広く、床は低く、サイドはフラットで荷物が積みやすい。
ボルボは電動化にいち早く対応しており、V60にも外部充電に対応するプラグインハイブリッド車が用意されている。
[ボルボ エステートが名車になった理由]エステートの価値を上質なライフスタイルカーに高めた
ワゴンボディの利便性をプライベートカーに
「1台で仕事にもレジャーにも使えるクルマ」というコンセプトで登場したデュエット(1953年)が、ボルボにおけるエステートのオリジン。実用性に優れるボルボのエステートは、現在までに600万台以上生産されている。
セダンと同等以上のステータス性をワゴンに与えた
かつて仕事用のバンといったイメージの強かったワゴンに対して、上質な生活を演出ツールというイメージを与えたのもボルボの功績。セダンと同等かそれ以上の存在感を漂わせる高級エステートというジャンルを確立した。
ボルボは安全性をブランドの価値にまで高めた
世界で初めて3点式シートベルトを発明したボルボ。以来、衝突安全ボディや横転時の乗員保護機能、自動ブレーキなどを開発。さらに、独自の事故調査隊を事故現場に派遣するなど、他ブランドに先駆けて安全性を高めてきた。
独自の安全装備を開発し世界をリードしていく
ボルボの安全についての取り組みは幅広く、数々のユニークな機構を生み出している。こちらは背の低い子供が正しくシートベルトを装着するための組み込み型チャイルドシート。装着ミスを防げるという意味でも効果的。
エステートボディでツーリングカーレースに参戦
ボルボのエステートには、スポーティなキャラクター性も存在。850の時代にはツーリングカーレース(BTCC)にエステートボディで参戦したことも話題となった。その歴史が市販車でも「Rライン」として受け継がれている。
アウトドア趣味特に自転車との親和性は抜群
エステートの魅力は運動性能とユーティリティが高次元でバランスしていること。速度域の高い欧州で人気が高いのもそれゆえ。アウトドア趣味との親和性も高く、特にサイクリストたちから長年高く評価されている。
いま買いの中古車たち
V40
日本の道にジャストなサイズと活発な走りで人気を集めたV40。中古車物件も多く選びやすい。
中古車参考価格帯:70万円〜330万円(13年〜20年 全グレード)
V60
まだ新しいモデルではあるが、高年式を中心に中古車も存在。装備やボディカラーが気に入ればぜひ。
中古車参考価格帯:330万円〜580万円(18年〜22年 全グレード)
V60(先代)
こなれた中古車価格で人気を集めているのが先代V60。スポーティな走りはいまでも魅力的。
中古車参考価格帯:60万円〜280万円(11年〜17年 全グレード)
V60 クロスカントリー
先代V60のモデル後期に登場したクロスカントリー仕様。アウトドア趣味に活躍する1台。
中古車参考価格帯:180万円〜270万円(15年〜17年 全グレード)
V70
大きすぎないボディサイズと高年式でも買いやすい価格から幅広いユーザーにオススメできる。
中古車参考価格帯:60万円〜250万円(07年〜17年 全グレード)
V90
エステートのフラッグシップモデル。300万円台の中古車も増えてきており、買い得度は高い。
中古車参考価格帯:310万円〜770万円(17年〜20年 全グレード)
ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。