徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2017.12.21
【マツダ デミオ】走り好きに朗報! いま買うべきコンパクトカーは現行型

走りにとことんこだわって開発された4代目デミオ
いつの時代も国民の足として活躍してくれるのがコンパクトカー。小まわりの利くボディサイズ、税金や燃費にまつわる維持費の安さなど、実用車としてのメリットが大きいのが魅力だ。とくに近年登場したモデルでは、従来よりも快適性、安全性が飛躍的に進化したほか、ハイブリッドやスポーツモデルの設定など各メーカーならではの特色を打ち出している。またひと口にコンパクトと言っても、室内広々のトールサイズタイプや、スペース効率を犠牲にして運動性能を重視するタイプなどバリエーションは多彩。つまり、以前と比べてユーザーの選択肢が格段に増えた結果、コンパクトカーだから必ず売れる……という時代は過去のものとなってきた。まさにコンパクトカー戦国時代の到来である。
そんな数あるモデルのなかで、今回オススメしたい1台が現行マツダ デミオ(4代目)。このモデルが得意とするのは、なんと言っても走りのよさだ。ところで、走りのよさとは一体何なのだろうか。ここで言いたいのは、サーキット走行が得意とか、200馬力以上の高性能エンジンを積んでいるとか、そういうことではない。デミオは、ステアリング操作をしてから実際にクルマが動きだすまでの、一連の動きがナチュラルなのである。そしてボディ剛性が高く、走行中の揺れや振動も車体がしっかりと受け止めてくれる。これは当たり前のようでいながら、高い水準でまとめられている国産コンパクトカーは、現在でもあまり多くないのが現状。車体の基本設計のよさに裏打ちされた、乗ってて疲れない走行性能こそ、デミオがウリとする走りのよさなのだ。
中古車と新車の外観デザインが変わらないことに注目!

まず最初に、現行型デミオの簡単な変遷を見てみよう。
・2014年9月/4代目デミオ登場
1.3Lガソリン、1.5Lディーゼルをラインアップ。
・2016年1月/一部改良
静粛性の向上、ディーゼル車におけるアクセルレスポンスの向上。
・2016年11月/一部改良
横方向と前後方向の加速度を制御する「Gベクタリングコントロール」の採用、静粛性の向上。
・2017年4月/一部改良
先進の安全システム「iアクティブセンス」を標準装備。
デビュー時から変わらない秀逸なデザインはいまでも新鮮

ナンバープレートはハメ込み合成です。
これを見ると、短いスパンのなかで細かな改良が行われているのがわかる。ここで、デビューしてから内外装の大きな改良(いわゆるビッグマイナーチェンジ)がまだ行われていないことに注目したい。ここ最近、ホンダ フィットやトヨタ アクアが大規模なマイナーチェンジにより、フェイスリフト(外観のリニューアル)が敢行された。それゆえ、いま流通している中古車は必然的に古いバージョンであることが、ひと目でわかってしまう。それに対してデミオは、どの年式の中古車を買っても、新車と見た目の差異がないため、古さをまったく感じさせない。これもオススメのポイント。このようなパターンは、将来マイナーチェンジを受けないかぎり、リセールバリューが高くなることが多い。購入後、やっぱり別のクルマに買い換えたいと思ったときでも、国産コンパクトカーのなかでは高値で売却できるのも魅力だろう。
国産コンパクトで唯一クリーンディーゼルが選べるクルマ

次にグレード体系と、それぞれの相場をチェックしてみよう。
・13C:105万円
・13S:132万円
・XD:152万円
・XDツーリング:155万円
・15MB:-万円(グーネット登録台数0台)
※データは2017年7月27日現在のもの
まず着目したいのが、圧倒的にディーゼルモデル(XD系)の物件が多いこと。国産コンパクトカーのなかで、デミオ以外にディーゼル設定車がないため、いわばディーゼル需要を独り占めしている状態なのだ。価格の安い軽油が使え、熱効率の高さに起因する燃費のよさと二酸化炭素排出量の低さ、そして低速トルクの高さなど、実用車にとってディーゼルのメリットは非常に大きい。しかし一方で、エンジンのカラカラ音、振動の大きさ、粒子状物質(PM)の排出など構造上のデメリットもある。しかし、マツダは上級モデルはもちろん、デミオのようなコンパクトカーでもこの問題をクリアし、完成度が高いのが特徴。相場を見るとおおよそ150万円台が予算の目安だが、ディーゼルの新車価格帯が180万3600円~224万6400円であることを考慮すれば、それなりに安くなっていることがわかる。ちなみに3年落ちのトヨタ アクア Xアーバンの相場が149万円、ホンダ フィットハイブリッド Lパッケージの相場が140万円だから、価格面でも大きな差はない。デミオのガソリン車も魅力的な価格ではあるが、編集部としてはディーゼルをぜひオススメしておきたい。ちなみに、「15M」というグレードは、モータースポーツ用のベース車で、1.5Lガソリンエンジンを搭載するレアモデル。現在は中古車が流通していないようだが、自分なりにカスタマイズして遊んでみるのも楽しいはず。
まとめると、2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した現行型デミオは、クルマの出来、中古車の買いやすさ、相場ともに申し分ないというのが結論。マイナーチェンジを経れば今より価格は安くなるが、新鮮味のあるいま入手するのも賢い買い方のひとつだと言えるだろう。