徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2018.04.20
【日産エクストレイルvsマツダ CX-5】ミッドサイズSUVの定番勝負! どちらがお得?

マツダ CX-5(先代)
ミッドサイズSUVってどんなクルマがあるの?
百花繚乱のSUVカテゴリー。国産車、輸入車問わず、さまざまなクルマが個々の魅力を放っている。しかしSUVとひと口に言っても、ボディサイズはさまざまで、コンパクトカーがベースのスモールサイズから、全長5mオーバーのフルサイズまで多種多様だ。最近は小型SUVに注目が集まりがちだが、ファミリー層が窮屈なく使えるのは、やっぱりミッドサイズ以上となるだろう。そんなわけで、今回はミッドサイズSUVの売れ筋モデルである日産エクストレイルとマツダCX-5の2台をクローズアップしてみたい。
ところでミッドサイズSUVは、どのくらいの大きさなのだろうか。各ブランド代表モデルの3サイズ(全長×全幅×全高)をざっと眺めてみよう。
車名 | 全長×全幅×全高 |
トヨタ ハリアー エレガンス | 4725×1835×1690 mm |
日産 エクストレイル 20S | 4690×1820×1740 mm |
マツダ CX-5 20S | 4545×1840×1690 mm |
三菱 アウトランダー 20G | 4695×1810×1710 mm |
スバル フォレスター 2.0i アイサイト | 4610×1795×1715 mm |
現行型エクストレイルと先代CX-5を比較

エクストレイルとCX-5は、よく比較される2台。でも、ヒストリーを振り返ると2000年に初代が登場したエクストレイルに対し、CX-5が登場したのは2012年で、エクストレイルのほうが歴史は長い。ちなみに現行型の登場は、エクストレイルが2013年12月、CX-5が2017年2月。後者の中古車相場はほとんど下がっていないから、CX-5は2012年2月に発売された先代モデルに注目してみたい。
エクステリア
日産 エクストレイル
マツダ CX-5(先代)
現行型エクストレイルの3サイズは4690×1820×1740 mm(グレードは20S)なのに対し、先代CX-5(グレードは20S)は4540×1840×1705 mmというサイズ。エクストレイルは車高が高くて長い一方、CX-5はSUVとしてはワイド&ローなプロポーションとなっている。
エクストレイルは、2017年6月に大規模な改良が行われ、デザインがリニューアルされた。しかし、最近の日産車に共通のVモーショングリルは共通で、全体的にボリューム感のある佇まいは、ひとクラス上の存在感を放っている。以前はエクストレイルの上にムラーノというSUVが存在していたが、現行型はそのマーケットもカバーしている。
一方CX-5は、マツダらしいスポーティさを感じさせる佇まいが特徴。今も展開されている次世代デザインテーマ「魂動(こどう)」を採用したのも、CX-5が初となっている。両者の違いを端的に述べると、ステーションワゴンのようなエクストレイルに対し、CX-5はスポーティなハッチバックという印象だ。ライバル関係にある両者も、比べてみるとデザインの方向性はかなり異なっている。
インテリア
日産 エクストレイル
マツダ CX-5(先代)
インテリアにおける両者の大きな違いは、エクストレイルでは3列シート仕様が選べること。ミニバンのように乗降性はよくないし、最後席は窮屈ではあるが、多人数乗車の機会があるなら3列シート仕様は、選ぶうえで大きなポイントとなるはず。また、全長が長い分こちらのほうが荷室は広くなっている。さらに言えば、荷室をはじめ室内の一部がウォッシャブル素材となるから、サーフボードやスノーボードのような濡れモノを積むのにも適している。
CX-5は、3列シート仕様こそ設定されないが、前後席とも居住空間には十分なゆとりがある。全体的な質感も高く、欧州プレミアムカーのような雰囲気がアピールポイント。洗練されたエクステリアと相まって、実用車の枠を超えた満足感を感じさせてくれる。
HVのエクストレイル、ディーゼルのCX-5
日産 エクストレイル
マツダ CX-5(先代)
この2台のもっとも大きな違いはパワートレーンだろう。2.0Lのガソリンエンジンは両者とも搭載されているが、これに加えてエクストレイルはハイブリッド、先代CX-5には2.5Lガソリンと2.2Lディーゼルが選べる。JC08モード燃費を比較すると、エクストレイルのハイブリッドが20.8km/L、CX-5のディーゼルが18.6km/Lとなっており(いずれも最大値)、単純に燃費を比較するとエクストレイルのほうが優秀だ。ただしガソリンよりも安価な軽油を使えるCX-5は、ランニングコストを低く抑えられる可能性もあるから、エコノミーという観点で両者の優劣はつけ難い。
中古車相場を徹底分析

上のデータを見ると、エクストレイルのほうが相場はやや高め。こちらはまだ現行型で、さらに1割近くが登録済未使用車となっているため、平均価格は高値をキープしている。一方CX-5は新型が登場してから相場が下がってきて、現在は平均価格が200万円を割った。それでも大幅な値崩れをしていないのは、CX-5の人気の高さを物語っている。
もう少し詳しく掘り下げて見ると、エクストレイルの予算の下限は約160万円、CX-5ではおよそ約110万円となっており、実際の購入シーンではデータ以上に負担する金額に差がありそうだ。エクストレイルは100万円台前半の予算だと、ほとんどヒットしない。しかし、エクストレイルのほうが先代CX-5よりも物件が多いので、十分な予算が用意できればこちらのほうが探しやすい。
グレードに注目すると、エクストレイルはハイブリッドの割合が全体の約55%、CX-5はディーゼルの割合が約75%という構成。CX-5の場合、燃料費が安く抑えられ、燃費も優れるディーゼル車は魅力的だが、これらの相場はガソリン車と比べてかなり高め。価格重視なら、あえてディーゼル車を候補から外すというのも手だろう。
結論を述べると、お買い得度がもっとも高いのは先代CX-5である。ガソリン車を選べば、さらに予算を抑えることが可能。一方燃費重視なら、エクストレイルのハイブリッドを推したい。
フォレスターやアウトランダーと比べると…?
スバル フォレスター
三菱 アウトランダー
ミッドサイズSUVのアナザーチョイスとして、スバル フォレスターと三菱 アウトランダーの相場も見てみよう。
車名 | 中古車平均価格 |
フォレスター | 200万円 |
アウトランダー | 214万円 |
アウトランダーPHEV | 294万円 |
※データはすべて現行型。
フォレスター、アウトランダーとも相場はエクストレイルなどと同程度で、ミッドサイズSUVの中古車相場は、概ね200万円前後で推移している。ただしアウトランダーPHEVだけは別。こちらは平均価格が294万円と、かなり高くなっている。しかも中古アウトランダーの大半はPHEV仕様。この相場だと、プラスアルファの予算で新車も視野に入るから、中古のエクストレイルや先代CX-5の競合車として選ぶことはなさそうだ。一方フォレスターはもうすぐ新型が登場することもあり、手ごろな価格の中古車が多数存在する。以前はかなり高値だったが、いまは買い時と言っていいだろう。
まとめると、エクストレイルと先代CX-5は、同カテゴリーに属しながらもクルマとしての方向性は異なる。アウトドア派にはエクストレイル、スポーティさやデザイン重視ならCX-5。相場は後者の方が安く、ガソリン車なら100万円台前半の予算からねらえる。そして、フォレスターやアウトランダー(非PHEV)も、同価格帯のライバルとして候補に挙がってくる。ミッドサイズSUVは、キャラクターに各メーカーの個性があるから、モデルの特性を理解して、ベストな1台を探したい。