徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2018.05.25

【ワゴンR vs ムーヴ】軽のスタンダードを比較。どっちが買いのモデル?

スズキ ワゴンR スティングレー

2車は20年以上におよぶライバル関係

 軽自動車の売れ筋モデルと言えば、スズキ ワゴンRダイハツ ムーヴ。ここ最近は、スライドドアを持つスーパーハイト型(スペーシアやタント)に人気がシフトしつつあるが、それでも軽ワゴンの代表であるワゴンRとムーヴは軽自動車の中心的な存在と言っていい。

 両者は完全なるライバル関係にあるが、歴史を紐解くと1993年に登場したワゴンRのほうが元祖。その2年後の1995年にムーヴが発売された。今でこそ軽ハイトワゴンは当たり前の存在だが、ワゴンR以前の軽自動車と言えば低車高セダンタイプか商用車がベースのワンボックスしかバリエーションがなかった。そんな時代、軽乗用車でありながら車高を高くして、広々としたキャビンと荷室を実現したワゴンRは、いわば革命的なクルマだった。その後、ダイハツ ムーヴをはじめ、他メーカーから次々とフォロワーが誕生したのである。

 ワゴンRやムーヴの長所は、なんと言っても幅広い用途で使えること。広さではスライドドア式のスーパーハイト型に劣るものの、ドア開口部が狭くヒンジ式のワゴンRやムーヴはボディ剛性が確保でき、なおかつ車重も軽いため乗り味はシャッキリしている。また、アルトやミラのような軽セダンタイプと比べると室内のゆとりは歴然。このバランスのよさが人気の秘密と言えそうだ。また、ワゴンR、ムーヴともにベーシックモデルとカスタムモデルという具合に、異なるデザインが選べるのも魅力。ただの実用車に留まらない趣味のクルマとしての一面もある。アフターパーツも豊富だから、自分だけの1台に仕立てるのも楽しみ方のひとつだろう。

 今回は、そんなワゴンRとムーヴ(どちらも現行型)を比較し、両者の中古車相場を探っていこう。

エクステリア

ダイハツ ムーヴカスタム

  • スズキ ワゴンR ハイブリッドFX

  • スズキ ワゴンR ハイブリッドFZ

  • ダイハツ ムーヴ

 現行型ワゴンR(2017年2月発売)は、グレードによって3タイプのデザインが用意されている。「FA」と「FX」は万人に好まれるおとなしめのデザイン、「FZ」はスポーティ系、そして「スティングレー」は若年男性に好まれそうな、アグレッシブなデザインが与えられる。ムーヴ(2014年12月発売)も同様に、おとなしい「ムーヴ」と個性の強い「ムーヴカスタム」を設定。どちらもユーザーの好みで選べるのが魅力だ。

 軽ハイトワゴンは、ボディサイズの制約があるからどのメーカーのモデルも似たようなシルエットになるのは否めない。それでも、フロントデザインに個性を持たせることで各車の個性が際立たせる工夫が凝らされている。また、最近は軽自動車にもLEDヘッドランプを導入するケースが多くなった。ワゴンR、ムーヴともにLED採用グレードが設定されており、どちらもリッターカー顔負けの質感高いルックスを実現している。

インテリア

  • スズキ ワゴンR スティングレー

  • ダイハツ ムーヴカスタム

 ホイールベースは、ワゴンRが2460mm、ムーヴが2455mmとほぼ同サイズながらも、室内長はワゴンRが2450mm、ムーヴが2080mmとカタログ値に大きな開きがある。ここは新世代プラットフォームを採用するワゴンRに分がありそうだ。しかし、この差は後部座席に割り当てられるから、前席では大きな差は感じられない。ちなみに室内高はワゴンRが1265mm、ムーヴが1280mmで、後者の方にゆとりがある。全体的に見ると、ワゴンRのほうが広さを体感できるが、ムーヴも決して狭いというわけではない。むしろ、デビュー年が早いムーヴのほうが上質感のあるインテリアとなっており、クルマづくりに「イイモノ感を大切にする」という方向性が感じられる。

メカニズム

  • スズキ ワゴンR スティングレー

  • ダイハツ ムーヴカスタム

 両者の大きな違いは、ハイブリッドの有無。ワゴンRはマイルドハイブリッドがほとんどのグレードに設定されており、JC08モード燃費は最大で33.4km/Lにも達する。クセのないエンジン特性と相まって、燃費性能と走りやすさを高い次元で両立している。一方ムーヴのJC08モード燃費は31.0 km/Lに留まり、燃費性能はワゴンRに一歩譲る。しかしながら、軽自動車ながらも重厚感のある乗り味が魅力。軽の枠を超えた走りの質感は、後発のワゴンRをも凌ぐほど。同じクラスの両者でも、走行フィールに違いがあるから、購入時はぜひ比較試乗をしておきたい。

 安全装備では、ワゴンRにはデュアルセンサーブレーキサポートが装備される。こちらは衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ハイビームアシストなどが盛り込まれる。また軽自動車では初のヘッドアップディスプレイが導入されるなど、先進装備が与えられている。一方ムーヴも、ヘッドアップディスプレイを除けばほぼ同程度の装備となる。とくに2017年のマイナーチェンジで、スマートアシストが「II」から「III」に進化し、歩行者検知機能やハイビームアシストが採用された。それゆえ、どちらも納得の装備内容となっている。ただしグレードによって装備内容が異なるから、中古車購入の際は装備の有無をしっかり確認しておこう。

中古車相場を比較してみた

ダイハツ ムーヴカスタム

 それでは両者の中古車平均価格を見ていこう。

モデル別中古車平均価格
モデル中古車平均価格
 ワゴンR114万円
 ワゴンRスティングレー139万円
 ムーヴ76万円
 ムーヴカスタム75万円
※中古車平均価格はグーネット2018年5月17日現在のデータによる。

 相場は、当然ながらデビューしてまもないワゴンRのほうが高め。しかし中古車物件はムーヴとほぼ同じくらいで、非常にボリュームがある。物件を詳細に見ていくと、その多くは登録済未使用車。しかも、新車価格よりも10万~20万円ほど安く値付けられているものが多く、なかには80万円前後の物件も少なくない。新車購入を検討しているひとは、登録済未使用車という選択も念頭に置いておこう。グレードやボディカラーがマッチする個体が、より安価であるかもしれない。ちなみにスティングレーの割合は少なく、相場もやや高めとなっているのでご注意を。

 ムーヴは、発売から丸3年以上が経過しており、中古車相場はワゴンRよりも明らかに低め。とはいえ、軽自動車は一般的に値落ちしにくく、現行型ムーヴもその傾向が強い。極端に安い物件はほとんどなく、大半の相場が90万円~100万円のゾーンに集中している。また「ムーヴ」と「ムーヴカスタム」の相場にそれほど差がないのも特徴で、ワゴンRのそれとは異なっている。

 ムーヴのモデルライフは折り返し地点を越え、来年あたりにはフルモデルチェンジの情報が出はじめるはずだ。リセールも考慮すると、ワゴンRのほうがトータルで安く済む可能性もあるだろう。

まとめ

スズキ ワゴンR スティングレー

 先にも述べたように、ワゴンRとムーヴは20年以上にわたり、よきライバル関係にあった。しかし、今ではクルマづくりの理念は各々異なっている。ワゴンRは大衆向けで利便性の高い身近な実用車、ムーヴは高品質を備えた軽自動車というコンセプトだ。装備はほぼ互角の内容だから、どちらが好きか嫌いかで選ぶのが正しいかもしれない。

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グーネットマガジン編集部

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