徹底分析中古車相場
更新日:2020.06.05 / 掲載日:2020.06.05
【トヨタ オーリス】100万円以下で購入できるヨーロピアンテイストの5ドア

新世代カローラの先鞭をつけた5ドアのカローラスポーツが登場してから、早くも2年が経過した。コネクティッドと呼ばれる通信情報サービスを利用でき、次世代の自動車のあり方を提案したのが話題となった。
そんな新型カローラスポーツの中古車は、平均価格が223万円とまだまだ高値安定傾向。新車価格帯が216万9200円~282万4800円であることを考えたら、中古車の買い時はまだ先と言わざるを得ない。
そこで注目したいのが、カローラスポーツの先代に当たるトヨタ オーリス。スタイリッシュかつヨーロピアンなデザインと走りが話題になった5ドアハッチバックだが、今回調査したところ相場がかなり下がっていることが判明した。
年式別およびグレード別中古車平均価格を掘り下げ、狙い目のモデルを探っていきたい。
トヨタ オーリスってどんなクルマ?
先代までのカローラといえば、コンパクトセダンやワゴンのイメージが強い。その歴史を振り返ってみると、以前はハッチバックボディがラインアップされていた。
そのひとつ、カローラランクスとその兄弟車アレックスは、2001年~2006年まで発売されたカローラベースのハッチバックである。その後継モデルとして2006年10月に登場したのが初代オーリスだ。
5ナンバーのコンパクトなカローラランクス/アレックスに対し、オーリスは全幅1760mmの3ナンバーサイズとひとまわり拡大されたのが特徴。ヨーロッパ調のスタイリッシュな外観とスポーティなハンドリングは高く評価された。
2012年8月、オーリスはフルモデルチェンジを受けて2代目が登場。「スポーツハッチバックの新基準」という方向性のもと、デザイン、走り、快適性を高次元で両立。
なかでもエクステリアは、トヨタの新しいデザインコンセプト「キーンルック」を採用し、トヨタファミリーであることを強調。先代よりも躍動感のあるデザインは、カローラとは異なる若い層へも訴求した。
エンジンは初代と同じく1.5L 直4と1.8L 直4の2機種でスタートしたが、後に1.2L 直4ターボやハイブリッドも登場。とくにハイブリッドはJC08モード燃費が30.4km/Lと、先代プリウスに迫る燃費性能を実現している。
トヨタ オーリスの年式別中古車価格相場から見た狙い目の年式は?

まずはオーリスの改良遍歴を振り返ってみよう。
2012年8月登場時点でのグレード構成は1.5Lモデルの「150X」、1.8Lモデルの「180G」、「RS」。いずれも装備を充実させた「Sパッケージ」が設定されるほか、「150X」には装備を厳選し価格を抑えた「Cパッケージ」も用意し2WDのほか4WDも選択可能。トランスミッションは「RS」が6速MT、それ以外はCVTが組み合わされる。
2015年4月にはマイナーチェンジを受け、フロントデザインがリニューアルされた。とくに「RS」は専用のデザインが与えられ、ハニカムタイプのフロントグリル、前後スポイラーなどを採用してスポーツモデルらしさをアピールしている。
さらにエンジンは1.2Lターボを搭載する「120T」が新登場。そのほか、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を設定し、「120T」、「180S」、「RS」に標準装備、「150X」にオプション選択とした。
2016年4月には、1.8L 直4にモーターを組み合わせた「ハイブリッド」も登場。こちらはJC08モード30.4km/Lを実現したのが大きなトピックである。そのほか、「120T」にRSのデザインと17インチホイールを与えた「RSパッケージ」も加わった。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 83万円 |
2013年式 | 92万円 |
2014年式 | 94万円 |
2015年式 | 120万円 |
2016年式 | 142万円 |
2017年式 | 146万円 |
2017年式 | 173万円 |
100万円以下で買える前期型がオススメ
上の表を見ると、マイナーチェンジが行われた2015年前後で相場が大きく分かれている。2015年以降の後期型は、平均価格が120万円以上とやや高額。それに対し、前期型は100万円以下の物件が大半で買いやすい状況となっている。
物件数は2016年式がもっとも多く、その次に2013年式、2015年式が多い以上のことから、狙い目のゾーンは2013年~2014年式あたり。
100万円以下の予算だと走行距離5万km前後のものが多いが、低予算で買えるのは魅力だ。
トヨタ オーリスのグレード別中古車価格相場から見た狙い目のグレードは?

オーリスのグレード構成は、大きく分けると「150X」、「180G(後期型より180S)」、「RS」、「120T」、「ハイブリッド」の5モデル。これに加え、装備が充実した「Sパッケージ」などが存在する。これらのグレード別平均価格をチェックしてみよう。
物件が豊富で価格も低い「150X」が狙い目
物件数は1.5Lの「150X」がもっとも多く、全体の半数以上を占める。一方、相場がもっとも低いのは1.8Lの「180G」または「180S」だが、こちらは物件数が少なめ。1.5Lと1.8Lの価格差がほぼなくなり、どちらも選択の候補になっているのは興味深い。
しかし、物件の探しやすさを考えると前者に軍配があがるだろう。とくに16インチホイールを装着した「150X Sパッケージ」は、価格のわりに相場もこなれているのでオススメしておきたい。
一方、走りにこだわるなら「RS」にも注目。こちらは17インチホイールが与えられ、内装もホットハッチのようなスポーティ仕立て。そしてなにより、このクラスでは珍しく6速MTを選べるのもポイントだ。こちらも「180G」とそれほど変わらない物件数と相場なので、十分ターゲットに入る。
最後に「ハイブリッド」だが、物件数は「150X」に次いで多い。
ただし高年式が中心となるので、平均価格は158万円とやや高めとなっている。とはいえ、100万円台前半の予算でも狙えるから検討の余地はある。むしろ、高年式かつ低走行、そして優れた燃費性能を考慮すると積極的に探したいグレードと言ってもいい。
トヨタ オーリスの中古車価格相場のまとめ

新型カローラスポーツの登場を受けて、最終型オーリスの相場はかなり下がっている。
なかでもベーシックな「150X」の物件が充実し、100万円以下の予算から探せる。その一方、高年式かつ低走行な「ハイブリッド」も穴場。どのグレードも身近になり、非常にオススメできる1台だ。
ちなみに初代オーリスの平均価格は43万円とさらに安い。アンダー50万円のクルマ選びなら選択肢に入ってくるだろう。