徹底分析中古車相場
更新日:2020.12.09 / 掲載日:2020.12.09
【ホンダ N-ONE】50万円以下でも探せる!? ホンダの人気軽自動車は今が買い
軽自動車は、一般的に中古車相場が下がりにくい。元々の新車価格がそれほど高くない上、市場のニーズが高いことから、中古車のお買い得感はそれほど高くないのである。先代ホンダN-ONEもそんなモデルの代表で、デビュー以降長いあいだ高値が続いていた。しかし登場から8年を経て、ここ最近は相場もかなり落ち着きを見せている。そして先日行われたフルモデルチェンジにより、今後さらなる値下がりが期待できそうだ。今回は、先代N-ONEの年式別、グレード別中古車平均価格を調査してみた。
ホンダ N-ONEってどんなクルマ?
N-BOXに続くホンダNシリーズとして、2012年11月にデビューしたのがN-ONE。N-BOXはスライドドアを持つスーパーハイト軽ワゴンなのに対し、N-ONEは1610mmという低めの車高(FFモデル)に抑えたベーシックなハッチバックボディを持つ。そのルーツは、1966年に登場したN360。N-ONEの愛嬌のある丸型ヘッドライトとフロントグリルは、まさに21世紀に蘇ったN360といえるもの。ライバルのスズキ アルトやダイハツ ミラより車高を高く設定し、居住性もある程度両立させたことも注目点。また、軽のハッチバックは価格を抑えるのが一般的だが、N-ONE発売当時の新車価格帯は、115万円~165万円と、このジャンルにしてはかなり高価だった。
エンジンは、658ccの直3と同ターボを設定し、CVTを組み合わせている。新型N-ONEは6速MTが選べるようになったが、先代はモデルライフを通じて全車CVTのみ。しかしながら、高級かつスポーティな味付けのドライビングフィールは、CVTでも走りが楽しめるモデルであった。その証拠に、N-ONEのワンメイクレースも開催されるなど、ホンダの軽としては久々に元気のよいクルマだったのだ。
ホンダ N-ONEの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?
まずは改良遍歴を振り返ってみたい。2012年11月に発表されたN-ONEは、自然吸気エンジンのG系、ターボのツアラー系、さらに両方のエンジンを選べるプレミアム系というグレード構成。プレミアム系は、軽自動車の枠を超えた上質な内外装を持つシリーズである。さらに2トーンカラースタイルなど、当初から個性的な仕様が豊富に選べた。2014年5月の改良では、シティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグなどがセットになった「あんしんパッケージ」が、「G」を除く全車に標準装備されたほか、エンジン改良による燃費向上、プラズマクラスターのフルオートエアコンも採用されている。
2015年7月、N-ONEはマイナーチェンジを実施。フロントグリル、フロントバンパーにメッキモールを追加したほか、ドアサッシュモールを装着して高級感をアップ。また、全高を65mm下げた新グレード「ローダウン」、専用エアロパーツを装着した「モデューロX」も新たに設定された。2017年の改良では、グレード構成を一新。シンプルなスタンダード系、ブラウンとクロームメッキ仕上げのエクステリアが特徴のセレクト系、ブラックで統一された高級感あるインテリアが特徴のプレミアム系、赤のアクセントを効かせたスポーティな「RS」という4グレードの展開となった。同時に、軽自動車では初となる遮音機能付きフロントウインドウガラスを採用。加えて、紫外線約99%、赤外線をカットする「360°スーパーUV IRカットパッケージ」を採用した。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 60万円 |
2013年式 | 65万円 |
2014年式 | 72万円 |
2015年式 | 85万円 |
2016年式 | 97万円 |
2017年式 | 105万円 |
2018年式 | 121万円 |
2019年式 | 129万円 |
2016年式以前ならば100万円以下の予算で幅広く選べる
2017年式以降は、平均価格が100万円を超えており、やや割高感がある。一方、それ以前の物件は大半が100万円以下なので、低予算でも探しやすい状況だ。特に2013年式は物件数が非常に多く、平均価格は65万円と相場も手頃。走行距離5万km以下でも、50万円を切る物件が豊富に流通している。なお、物件数は2013年式が突出して多いものの、それ以外も豊富に流通する。予算に合わせたクルマ選びが可能となっている。
ホンダ N-ONEのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?
N-ONEデビュー当初のグレード構成は「G」、「G・Lパッケージ」、「ツアラー」、「ツアラー・Lパッケージ」、「プレミアム」、「プレミアム・Lパッケージ」、「プレミアムツアラー」、「プレミアムツアラー・Lパッケージ」と豊富。Lパッケージはサイドカーテンエアバッグなど、装備が充実した仕様である。ツアラー系はターボエンジンを搭載。また、各グレードで2トーンカラースタイルも選択可能なほか、駆動方式も2WD、4WDが選べるから、かなり豊富なバリエーションを誇っている。
なお、2017年式以降はスタンダード系、セレクト系、プレミアム系、「RS」という4つのシリーズに再編成された。「RS」はターボのみ、それ以外は自然吸気とターボ(グレード名にツアラーと表記)の両方が用意される。ここでは、価格が手頃で物件数が多い2017年式以前のグレードに絞り、中古車平均価格を調査してみたい。
グレード | 中古車平均価格 |
G系 | 66万円 |
ツアラー系 | 68万円 |
プレミアム系 | 87万円 |
プレミアムツアラー系 | 85万円 |
「G・Lパッケージ」が豊富で探しやすい
先代N-ONEの物件数は、グレードによって偏りがある。基本的に自然吸気モデルが中心となっており、ターボはやや少なめ。なかでも多いのが自然吸気の標準グレードであるG系。なかでも「G・Lパッケージ」が半数以上を占めており、価格もかなり安い状況だ。ターボが欲しいなら、プレミアムツアラー系が豊富。こちらも平均価格は85万円と、お買い得感は十分高い。好みに応じて選んでもOKだろう。なお、「G・ローダウン」は、平均価格が91万円、「プレミアムツアラー・ローダウン」は113万円と、相場は若干高め、そして物件数は少なめだ。
ホンダ N-ONEの中古車価格相場のまとめ
高級感を売りにしたN-ONEが50万円以下の予算で探せる状況は、軽自動車選びに大きな選択肢を与えてくれる。しかも、たとえ低予算でも走行距離が過剰に伸びていたり、酷使された物件ばかりではないのもポイント。人気車ゆえ物件数が膨大で、ボディカラー、グレード、年式、走行距離など、自分にぴったりの1台を探せるはず。なお、冒頭でも述べたように、新型の登場でこれから相場が下がることも期待できるので、購入を検討している人は、相場をこまめにチェックしておきたい。