徹底分析中古車相場
更新日:2021.01.14 / 掲載日:2021.01.14
【スズキ ソリオ】50万円の予算から探せる人気のハイト系コンパクトワゴン
背の高いボディにスライドドアを備えたモデルは、軽自動車で大人気。その人気は小型乗用車にも波及し、ハイト系コンパクトワゴンの売れ行きは好調だ。先駆けとなったのが、2011年に登場した2代目スズキ ソリオ。スライドドアの2列シート車は、ミニバンまでは要らないけど広くて快適なクルマが欲しい……というユーザーのニーズに応え、発売以来大ヒット。ソリオ人気の後を追うように、ダイハツもトールと呼ばれる同様のモデルを発売。そしてトールの姉妹車であるトヨタ タンク/ルーミー、スバル ジャスティも登場している。
そんなソリオは、2020年11月にフルモデルチェンジを受けて4代目となった。ボディサイズは5ナンバーをキープしつつ、ややサイズアップ。それでも最小回転半径4.8mと使いやすさは不変で、先代同様マイルドハイブリッドの1.2Lエンジンを搭載する。先進安全装備「スズキセーフティサポート」も改良され、全方位的な進化を遂げている。そこで今回のテーマは2015年に登場した先代ソリオ。新型が登場したことで、先代モデルの中古車動向が動く可能性がある。また、登場から5年が経ち、現段階でもかなり低価格で探せるモデルとなっている。
スズキ ソリオってどんなクルマ?
軽自動車のワゴンRを小型乗用車サイズに拡大したモデルとして、1997年に発売されたのがワゴンRワイド。その後継車として1999年にワゴンR+が登場したが、改良のたびにワゴンRソリオ、そしてソリオという名称に改称された。これが初代スズキ ソリオである。全長3545mm、全幅1620mm、全高1665mmのボディは軽自動車より少し大きい程度で、ドアもヒンジ式。しかし、2011年1月に発売された2代目は、全長3710mm、全幅1620mm、全高1765mmと、より長く背の高いモデルに変化。ドアはスライド式となり、利便性を格段に高めたのだった。また、2012年6月にはスポーティで存在感のあるルックスに仕立てたソリオバンディットが登場するなど、選択肢が拡大された。
そして今回のテーマとなる3代目は、2015年8月に登場。キープコンセプトのモデルチェンジとなるが、新開発プラットフォームを採用することで、軽量かつ高剛性なボディを実現。パワートレインは1.2L 直4+CVTに加え、同エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドも設定。こちらはJC08モード燃費で最大32.0km/Lを実現するなど、低燃費も追求している。また「スズキセーフティサポート」を設定し、安全性も高めた。安価で使い勝手がよく、燃費と安全性も妥協しない先代ソリオは、独身からファミリー層まで幅広く愛されるクルマとなった。
スズキ ソリオの年式別中古車平均価格は?
ここでは先代ソリオの改良遍歴を振り返ってみたい。2015年8月当時のグレード構成は、ソリオが「G」、「ハイブリッドMX」、「ハイブリッドMZ」、ソリオバンディットが「ハイブリッドMV」の全4グレード。なお、このハイブリッドは、加速時にモーターアシストを行って燃費改善を目指した、いわゆるマイルドハイブリッドと呼ばれるもの。新車価格帯は145万4760円~196万7760円。2016年11月には、前述のマイルドハイブリッドに加え、パラレル式ハイブリッドも登場。こちらは100Vのリチウムイオン電池を荷室床下に配置し、電気のみで走行も可能となっている。JC08モード燃費は32.0km/Lと、当時のコンパクトハイトワゴンではトップクラスの燃費性能を実現した。グレードは、ソリオが「ハイブリッドSX」、「ハイブリッドSZ」、ソリオバンディットが「ハイブリッドSV」で、新車価格帯は191万7000円~206万2800円だった。
2018年7月の一部改良では、「スズキセーフティサポート」が進化。具体的には、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」に夜間の歩行者検知機能を追加したほか、「アダプティブクルーズコントロール」、「ハイビームアシスト」なども備わった。また「後退時ブレーキサポート」、「後方誤発進抑制機能」、「リヤパーキングセンサー」を「デュアルカメラブレーキサポート」とセットで採用し、安全性をさらにアップ。また、4WDに採用されていた助手席シートヒーターを、ハイブリッドの2WD車にも採用拡大し、内外装も小改良を受けている。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2015年式 | 107万円 |
2016年式 | 103万円 |
2017年式 | 119万円 |
2018年式 | 121万円 |
2019年式 | 137万円 |
※バンディットは除く
高年式も積極的にねらっていける
先代ソリオは、年式が新しくなるほど物件数が豊富。特に2018年式以降が全体の7割を占め、高年式物件が中心となっている。2018年式の平均価格は119万円となっているが、50万円~100万円の物件も広く流通しており、高年式も積極的にねらえる。安全装備が充実した2018年7月以降に登録されたものがオススメだが、低予算で探すなら2016年式辺りを探すのも手。この年式は物件と価格のバランスがよく、50万円以下の車両も存在している。
スズキ ソリオのグレード別中古車価格相場は?
ソリオのグレード構成は、大きく分けるとエンジンのみの「G」、マイルドハイブリッドの「ハイブリッドMX」、「ハイブリッドMZ」、「ハイブリッドMV」、パラレルハイブリッドの「ハイブリッドSX」、「ハイブリッドSZ」、「ハイブリッドSV」とう構成。バンディット系はグレード名に「V」が付く(MX、SV)ので、それで判別できる。バンディット系は専用エクステリア、2段構えのLEDヘッドランプ、エアロ形状のリヤバンパーなど、専用エクステリアを採用。上級グレードの「ハイブリッドMZ」や「ハイブリッドMV」には、ナノイー搭載フルオートエアコン、プレミアムUV&IRカットガラスなどの快適装備も充実する。これらを踏まえ、物件数が多いグレードの中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
G | 109万円 |
ハイブリッドMX | 135万円 |
ハイブリッドMZ | 149万円 |
バンディット ハイブリッドMV | 156万円 |
バンディット ハイブリッドSV | 164万円 |
スタンダードな「G」が買いやすい
エンジンのみを搭載した「G」のほか、マイルドハイブリッド、パラレルハイブリッドと、3種のパワートレインを備えた先代ソリオ。手頃な価格で買えるのは、最もスタンダードな「G」。こちらは平均価格が109万円と手頃で、物件数も充実している。一方、バンディットのマイルドハイブリッド「ハイブリッドMV」は、物件が一番充実しており、こちらも探しやすい。しかし平均価格は156万円と高めで、100万円を切るのは多走行車または修復歴ありが中心。また、全体をとおしてパラレルハイブリッドモデルは物件数が少なめ、かつ相場が高め。ある程度予算に応じたグレード選びは可能だが、買いやすいグレードの選択肢はそれほど広くない。
スズキ ソリオの中古車価格相場のまとめ
先代ソリオは、50万円程度の予算から中古車が探せる。高年式ほど物件が多い傾向にあるが、全体的にボリュームがあるため、どの年式もターゲットに入る。価格重視なら2016年式以前、安全装備を重視するなら2018年式以降がオススメ。いずれも広い価格帯となるが、100万円前後の予算があれば広く探せる。一方、パラレルハイブリッドは全体的に少ない傾向で、ベーシックな「G」やマイルドハイブリッドが買いやすい状況となっている。
新型の中古車も流通すれば、先代の相場はさらに下がるはず。買いたい人は今後も注目していこう。