徹底分析中古車相場
更新日:2021.02.19 / 掲載日:2021.02.18
【クルマ好き特集】走りが好きな人にオススメのエントリーカー5選。今買うならコレ!

人生最初のクルマ選びはワクワクするもの。雑誌や中古車検索サイトで探してみると、その膨大なバリエーションに驚くはずだ。しかし中には購入しても維持費が高額だったり、状態のよい物件が少なかったりと、クルマ選びはビギナーにとって意外と難しい。今回はクルマ趣味、特にスポーツ系モデルに興味がある人が買いやすいオススメの5モデルを紹介しよう。
年式と価格のバランスがよいFRスポーツカー「86」

2012年2月に登場したコンパクトスポーツがトヨタ 86(新車時価格は199万円~305万円)。かつてのAE86型カローラレビンに由来する車名を持ち、駆動方式はFRを採用する。後部座席を備えるので、サーキット用のタイヤなども積み込める。まさに、クルマ好きのためのスポーツカーと言える存在だ。エンジンは、スバル製水平対向4気筒が搭載され、最高出力は200馬力を発生。トランスミッションは6速MTまたは6速ATが組み合わされる。デビュー時は全長4240mm、全幅1775mm、全高1300mmという扱いやすいボディサイズや、1230kg(6速MT)の軽量なボディも、スポーツカーとしては重要な要素。これからスポーツカーを趣味にしたい人にぴったりのモデルと言っていい。なお、共同開発したスバルではBRZとして販売された。
2014年、2015年と続けてサスペンションやステアリングが改良を受け、走りが進化。2016年7月にはエクステリアのリニューアルを伴うマイナーチェンジが行われ、同時にボディ剛性の強化、吸排気系の改良による出力アップ(200馬力→207馬力、MT車)が行われた。また、専用チューニングされた「GR」、GAZOO Racingによる100台限定のコンプリートモデル「GRMN」も登場。登場から9年目となりバリエーションが拡大され、手頃な中古車物件も増えている。まずは、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 179万円 |
2013年式 | 183万円 |
2014年式 | 196万円 |
2015年式 | 218万円 |
2016年式 | 247万円 |
2017年式 | 262万円 |
2018年式 | 288万円 |
2019年式 | 300万円 |
100万円台前半の予算で探せるトヨタ86
スポーツカーとして異例の大ヒットモデルとなった86は、中古車物件が非常に豊富。デビュー当初からしばらくは高値安定が続いていたが、登場から9年経った今、相場はかなり下がった。特に2016年7月以前の前期型が安く、200万円の予算があれば手広く探せる。物件数が最も多いのは2012年式で、平均価格は179万円。次に2013年式、2014年式も充実している。中古車相場の最低ラインは100万円前後だが、これらは走行距離10万km以上の多走行で占められる。コンディションを考慮すると、86を探すなら最低150万円は用意しておきたい。
グレードはベーシックな「G」、17インチホイールやLEDクリアランス付きのプロジェクター式ヘッドランプなどが装備された「GT」、さらにリアスポイラー、スポーツブレーキパッドなどが装着される「GTリミテッド」が主軸。なかでも物件が豊富なのは中堅グレード「GT」で、平均価格は209万円。しかし、「GTリミテッド」の平均価格は215万円となっており、グレード間の価格差はそれほど大きくない。
エントリーモデルなら最新のホットハッチという選択も
後部座席を備えていても、2ドアは不便に感じる。そんな人には、ホットハッチ系のスポーツモデルをオススメしたい。ホットハッチはスポーツカーの登竜門であるが、ここ最近は高性能なものが多くなり、価格も高めである。そこで今回注目したいのは、スズキ スイフトスポーツとアルトワークスの2台。スイフトスポーツは2003年に初代が登場し、現行型は2017年9月に登場した4代目となっている。安価ながらも骨太な走りを持つのは歴代モデルの共通点で、初めてスポーティモデルに乗りたい人にも最適。しかもベースはコンパクトカーだから、実用性も申し分なし。デビュー当時の新車価格は183万6000円~199万2600円。
一方アルトワークスは、軽自動車のスポーツモデルとして歴史は長い。初代が登場したのは1987年で、小さなボディながらも過激な走りで走り好きの心を捕らえた。1998年に登場した4代目を最後にアルトワークスの系譜は途絶えたが、2015年12月に復活を遂げた。5代目となる新型アルトワークスは、専用開発された5速MTまたは5速AGS(2ペダルMT)を採用し、KYB製ダンパーで走りを大幅にグレードアップ。ミニマムホットハッチとして、スポーツカーファンを沸かせた。デビュー当時の新車価格は150万9840円~161万7840円。両者の中古車平均価格は次のとおり。
どちらも物件豊富で買いやすい状況
現行型スイフトスポーツは平均価格が174万円となっており、現在の新車価格よりも少し安い程度。極端な値下がりはしていない状況だ。しかし数は非常に多いから物件選びの幅が広く、中古車の下限は110万円なので手が出しやすい。デビュー年を考慮すると、100万円代前半の予算で探せるのは大きな魅力と言えそうだ。なお、もう少し低予算で探すなら先代スイフトスポーツという選択もある。こちらは平均価格が96万円で、100万円以下の予算でも十分ねらえる。
アルトワークスは平均価格が129万円と、こちらも極端な値落ちは見られない。しかし、スイフトスポーツよりも物件数が豊富で、100万円以下の物件も散見される。マニュアル車の割合が多いのもアルトワークスの魅力で、維持費が安いことも相まってエントリースポーツとしては申し分ない。
ちょっと古めの2シータスポーツにも注目!
国産スポーツカーの黄金期である90年代~00年代前半は、名車の宝庫。しかし、モデルによってプレミア価格になっており、探すのは意外と難しい。そこで今回は、低価格かつ物件豊富な2モデルを紹介しよう。まずは先代日産 フェアレディZ(Z33型)。2002年7月に発表されているから、すでに20年近くも前のモデルである。しかし、3.5L V6エンジンを搭載し、スポーツカーとしてスパルタンな乗り味。また、クーペに加えてソフトトップのロードスターも設定されている。パワフルなミドルスポーツカーが欲しいなら検討したい1台だ。
もうひとつは1989年から1998年まで生産されたユーノスロードスター。こちらは、小型2シーターオープンのベストセラーで、販売台数が非常に多かった。そのため多くの中古車が流通し、現在でもまだ入手可能。エンジンは当初1.6L 直4を搭載したが、1993年の改良で1.8L 直4に変更されている。グレードは標準モデルのほか、BBS製ホイールやビルシュタイン製ダンパーを装着した「Sスペシャル」、タンレザーシートの「Vスペシャル」が存在する。街乗りからサーキットまで幅広く使えるのも大きな魅力だ。これらの平均価格を見てみよう。
物件豊富で安価だが、コンディションに注意
年式が古いゆえ、どちらのモデルも10万kmオーバーの物件が目立つ。特にユーノスロードスターは、低走行にこだわりすぎると選択肢が極めて狭くなる。パワートレインは壊れにくく丈夫なクルマなので初心者にも手が出しやすいモデルであるが、整備記録などは要確認。Z33も同様だが、こちらは年式が新しい分、走行距離が少ない物件もまだ残っている。なお、ユーノスロードスターやフェアレディZロードスターを買う場合、ソフトトップの状態もしっかりチェックしておきたい。特にユーノスロードスターのビニール製トップは経年劣化が激しいが、純正品を含め新品への交換は可能であることも頭に入れておこう。
まとめ

今回は5モデルを厳選して紹介したが、クルマに興味があるなら、欲しいモデルはすでに決まっていることも多いだろう。スポーツカーは購入時よりも、購入後のことをしっかり考慮して選ぶ必要がある。例えばソフトトップのオープンカーなら防犯上、人気の少ない駐車場は避けるべきだし、2シーターなら家族を説得する必要がある。また90年代以前のモデルは燃費が良くないので、月々のガソリン代も考えるべき要素。しかし、普通のクルマでは味わえないカーライフが待っているのは間違いない。入念に下調べして、初めての愛車を手に入れよう。