【トヨタ カムリ】そろそろ買い時!? 200万円から探せる上級ハイブリッドカー

　1980年、セリカの派生モデルとして登場した「セリカカムリ」。後輪駆動のセリカと共通のメカニズムを持つスポーティさが売りで、これが現在まで続くカムリのルーツである。1982年にはFF化された2代目が登場し、名称も「カムリ」に改められた。これ以降、カローラよりもひとまわり大きいセダンとしてモデルチェンジが繰り返され、北米市場でも人気のモデルとなった。2011年9月に発表された9代目は、日本市場ではハイブリッド専用モデルとなり、全長およそ4.8mの大きなボディを持ちながら、JC08モード燃費は23.4km/Lという低燃費を実現。プリウスからステップアップするのにちょうどよいモデルでもあった。

　2017年7月には、現行型となる10代目が登場。トヨタの新しいアーキテクチャーであるTNGAを導入し、走りの質感が飛躍的に向上した。エンジンは先代と同様2.5L 直4にモーターを組み合わせたハイブリッドのみとなり、JC08モード燃費は最大で33.4km/Lを実現。全長4885mm、全幅1840mm、全高1445mmのボディは、レクサスGSとほぼ同サイズで、後席でもくつろげるゆとりの室内空間も、現行型カムリの大きな訴求ポイントとなっている。

　まずは現行型カムリの改良遍歴を振り返ってみたい。2017年7月発売時点におけるグレード構成は「X」、「G」、「G レザーパッケージ」で、新車時価格は329万4000円~419万5800円だった。2018年8月、専用フロントグリル、リアスポイラー、ブラック塗装の18インチホイールなどが装着されたスポーティ仕様「WS」が加わると同時に一部改良が行われた。この改良では、オート電動格納式ドアミラー、インテリジェントクリアランスソナーを標準装備（Xを除く）。また、ナビゲーションオーディオにJBLプレミアムサウンドシステムがオプション装着可能となった。続く2019年9月の改良では、ディスプレイオーディオと車載通信機を標準装備としたほか、車線変更時の後方確認をアシストする「ブラインドスポットモニター」、駐車場での「リヤクロストラフィックオートブレーキ」を採用して安全性をアップ。さらに、全グレードに電気式4WD「E-Four」も設定されている。

　2017年式と2018年式は物件数が多く、相場も新車時から50万円~100万円ほど下がっている。ねらい目は2017年式で、中古車平均価格は263万円。この年式は、100万円台後半の物件も存在するが、走行距離が10万kmに近かったり、修復歴ありのケースが多いことに注意したい。走行距離5万km以下で探すなら、最低でも200万円台前半の予算が必要だ。また、2019年式以降は物件が少なく、平均価格が300万円を超えるため、高年式はまだ探しにくい状況といえよう。

　現行型カムリのパワートレインは、178馬力の2.5L 直4＋モーターのハイブリッドモデルのみ。トランスミッションはCVTを組み合わせる。一方、グレードは最もベーシックな「X」、本革巻ステアリングや運転席8ウェイパワーシート（Xは6ウェイのマニュアル調整タイプ）を標準装備した「G」、専用内外装のスポーティモデル「WS」の3つで構成される。「X」を除く2つのグレードには、レザーパッケージも選ぶことが可能。また、駆動方式は2WDと4WDから選べる。これらを踏まえ、グレード別中古車平均価格を見てみよう。

　物件の大半は中堅グレードのG系が占めており、「G」、「Gパッケージ」ともに豊富に揃っている。続いて「WS」が多いが、エントリーモデル「X」はわずかしか流通していない。現行型を探す場合、自ずとG系グレードが候補となるはず。平均価格は274万円で、X系とはあまり価格差がないため、積極的に装備が充実したG系をねらっていきたい。

　以上をまとめると、現行型カムリは2017年式または2018年式のG系グレードがねらい目モデル。200万円台前半の予算から探すことが可能で、物件数も多いから、そろそろ買い時と言っていい。なお、2015年にフルモデルチェンジした現行型プリウスの平均価格は189万円。50万円ほど上乗せすればカムリに手が届くので、プリウスを探している人もカムリを候補に入れてみるのもよいだろう。