徹底分析中古車相場
更新日:2021.04.10 / 掲載日:2021.04.10
【グー連載コラム】徹底解明相場分析(2021年4月)

[今月のテーマ]GWのロングドライブにも適した乗っていて快適なモデルを選ぶ
5月に入ると、いよいよゴールデンウィークも本番。家族や友人たちと一緒にクルマで出かける機会も増えることになる。そこで今回は、長距離ドライブに適した快適性の高いモデルを紹介していこう!(掲載されている内容はグー本誌2021年5月号の内容です)
[自動車評論家]渡辺陽一郎&[下流自動車ライター]マリオ高野 解説放談!
渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立ってクルマとその周辺情報を分析し、「ユーザーに損をさせない」ことを主題にジャーナリスト活動を続ける古参の自動車評論家。マリオ高野
下流生活を営む自動車ライター。その割に多くの自動車専門誌やウェブサイトに登場し、強烈なルックスと相反する腰の低さで、活動範囲を広げている。
現在の相場と人気の理由が 今後の相場変動を左右する

2020年で新車販売終了となってしまったレクサスGS。現在のところ、相場が高騰する動きは見られないが……。
マリオ 長距離を移動するときには、たいていの人が高速道路を使います。そう考えると、走行安定性と乗り心地の優れたクルマが長距離ドライブに適していますね。
渡辺 ドライバーの疲労を抑える運転支援機能も、安全性を高めるうえで大切な装備だよ。
マリオ たしかに! 車間距離を自動制御しながら先行車に追従走行したり、車線の中央を走りやすいようパワステに操舵力を与えてくれたりと、あれは本当に助かります。
渡辺 それと、同乗者が長時間にわたって快適に乗車していられることを考えると、やっぱりミドルサイズからLサイズの車種が好ましいところだね。
マリオ まずミニバンから選ぶなら、現行型オデッセイはいかがでしょうか。3ナンバーサイズで、低床設計だから重心も低くて、高速道路での走行安定性が優れています。
渡辺 オデッセイは床面が低いから乗り降りもしやすいし、3列目も床と座面の間隔が十分に確保されていていい選択だよね。それに3列目の着座姿勢と座り心地は、アルファード&ヴェルファイアよりも快適だし。
マリオ 2.4Lのノーマルエンジンを搭載したオデッセイアブソルートの中古車相場は、5年落ちの16年式が210万から250万円、3年落ちの18年式なら260万から290万円です。
渡辺 新車価格が350万から380万円くらいなので、優れた居住性や走行安定性を考えると、それなら割安ともいえる。
マリオ セダンではレクサスGSの最終型を検討しましょう。全長が4880mm、全幅は1840mmというボディサイズは、Lサイズセダンではちょうどいい大きさです。全長は現行型クラウンよりも少し短く、運転しにくい印象はありません。
渡辺 直列4気筒2.5Lのハイブリッドであれば、燃費も優れているし、走行距離が伸びてしまいがちなユーザーにも適しているしね。
マリオ レクサスGSの中古車相場は、5年落ちの16年式が330万から400万円、3年落ちの18年式は480万から560万円でした。
渡辺 価格は高めだけど、新車時は売れ筋グレードが600万から800万円だったのだから、中古車価格と新車価格のバランスでは割高ではないよね。
マリオ あと長距離ドライブのツールとしては、ステーションワゴンも魅力的です!
渡辺 4名乗車しながら荷物を積みやすく、低重心なので走行安定性はセダン並みに優れているからね。
マリオ そこで注目されるのがアテンザワゴンです。実用回転域の駆動力に余裕を持たせた直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボも用意されていて、軽油価格は安いですし、走行距離が伸びる用途でも燃料代が高まるのを抑えられます。
渡辺 実用回転域の駆動力は、4.0Lのガソリンエンジン並みに高いので、高速道路の巡航も快適だ。
マリオ 中古車の流通台数はあまり多くないですが、相場はそれほど高くはありません。5年落ちの16年式なら160万から200万円、3年落ちの18年式でも200万から240万円という感じです。
渡辺 買い得な中古車を求めるユーザーにはピッタリだろうね。
【エントリーNo.1】ホンダ オデッセイ(現行型)

どんなクルマ?
走行安定性の高さが魅力のLサイズミニバン。現行型は5代目モデルで、それほど車高は高くないが、そのぶん床が低く設計されているので広い室内スペースもしっかり確保されている。
●中古車中心相場 90万円から330万円 ●販売年月 2013年11月から

バイヤーズガイド
長く販売されたこともあって、全体的な流通台数は多め。そのなかでも中心となっているのは、初期型の100万から200万円あたりの物件だ。2019年式以降は流通台数が一気に少なくなり、相場も高めとなる。
【エントリーNo.2】レクサス GS(最終型)

どんなクルマ?
アリストの後継車で、日本ではレクサスブランドのスタートモデルとして2005年に誕生。昨年まで販売されたモデルは2代目モデルで、迫力のあるフロントデザインを備えている。
●中古車中心相場 140万円から480万円 ●販売年月 2012年1月から2020年7月

バイヤーズガイド
高級車ながら人気が高かったために中古車の流通量は多め。価格帯は、初期型と、大型のスピンドルグリルを備えた後期型とで大きく分かれる。前者は200万円台で、後者は300万円以上が中心となっている。
【エントリーNo.3】マツダ アテンザワゴン(最終型)

どんなクルマ?
アテンザのワゴンタイプとしては3代目となるモデルで、名称は先代型の「スポーツワゴン」から「スポーツ」の部分がなくなった。2019年の改良から車名が「マツダ6」へと変更されている。
●中古車中心相場 80万円から230万円 ●販売年月 2012年11月から2019年7月

バイヤーズガイド
細かな上下動はあるものの、1年を通して見れば順調に相場は下がってきている。流通台数はそれほど多くはなく、同クラスのワゴンモデル自体が貴重なだけに、趣味に使えるワゴンが欲しいというユーザーは要チェック。
ちなみに……
ワシが買うならレクサス GS!(マリオ)
走行性能の高さが好評だったトヨタアリストの系譜を受け継ぐスポーツセダンということで、GSには感慨深いものがあります。グリルは小さくてもいいので、前期型を低予算でねらいたい!
ワタシのオススメはオデッセイ!(渡辺)
同クラス人気ナンバーワンはアルファード(とヴェルファイア)だが、オデッセイの3列目シートはそれを上まわるほど快適だ。重心が低いため走行安定性も高く、家族と自分のどちらも満足できる。