中古車購入
更新日:2023.05.09 / 掲載日:2023.03.14
【中古車価格の仕組み】総額表示とお店での見積りが違うのは?

中古車の価格にまつわる疑問に答える「中古車価格の仕組み」シリーズ。ユーザーから集めた素朴な疑問について、中古車に詳しいグーネットマガジン編集部がわかりやすくお答えします。
質問:総額表示とお店での見積りが違うのは?
答え:お店独自のオプションは別料金になるので注意しましょう
サイト上の総額表示を見て、同じような条件の中古車と比べて割安だと思い販売店を訪問。ところが、セールススタッフからお店オリジナルのオプションを強くオススメされ、最終的な見積りは当初想定していたものより高額になってしまったという。クルマが気に入っていたのと、契約内容についてしっかり説明があったので購入したが、心のなかにはモヤモヤしたものが残ってしまったといいます。
たしかに、「支払総額」と表示してあったら、その価格で購入できると考えるのは普通のこと。もちろん、相談者の認識が間違っているわけではありません。一方で、必ずしも販売店に悪意がある、悪徳だと言い切れない部分もあります。実際、相談者はセールススタッフから丁寧に説明を受け、納得した上で購入を決断しています。

そもそも支払総額とはどのようなものなのでしょうか。
支払総額が生まれた背景にあるのが、一部販売店による、不適切な中古車販売方法を是正するためでした。不当な価格表示の常態化や安価な車両価格で集客しておきながら、実際には高額な諸費用を要求したり、本来であれば車両価格に含まれるべき費用をユーザー負担としていたりと、おとり広告に近い実態がみられたのです。そこで、中古車業界は自助努力として、「車両価格」+「諸経費」=「支払総額」表示の実現に向けて取り組んできました。2023年10月に施工の「自動車公正競争規約・同施行規則」の改正では、いよいよ車両価格ではなく、支払総額での表記に統一されようとしています。
しかし、今回のケースは、本来であればユーザーに有利なはずの支払総額で、表示よりも高い見積りを提示されたのです。
じつは支払総額のルールでは、諸費用についてはユーザーの要望に基づきオプション等を付けた場合は、別途費用が発生することは、ルールとして許されています。たとえば店頭以外での納車を希望した場合や、コーティング施工やドラレコなどの取り付けといった追加作業、そして保証サービスなどがそうです。
今回のケースでは、そうしたお店側の提案するオプションをユーザーが購入したため、支払総額の額面がサイト上のものより高くなったというわけです。厳しい競争にさらされている販売店としては、見た目上の価格を少しでも下げたいでしょうから、従来では無料だったサービスを有料オプションにするといったケースが想定されます。ユーザー側としては、最終的に自分の望む条件で支払いがいくらになるのか、そこで検討をする必要がありそうです。