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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2020.01.07

NISSAN SKYLINE 輝かしい栄光を誇るキング・オブ・GT

NISSAN SKYLINE 輝かしい栄光を誇るキング・オブ・GT

日産が世界に誇るクルマと言えば、スカイライン。いつの時代も、一流の走りを備えたGTサルーンとして多くのファンを熱狂させたモデルである。そして先日、フルモデルチェンジが行われて13代目スカイラインが登場。
新型は全モデルがハイブリッドとなり、走りはもちろん環境へも配慮。21世紀のGTの新たなカタチを提案する。

日産 スカイラインはこんなクルマ!

日産 スカイライン

日産 スカイライン

V6モデルの第3世代にあたるV37型は、全幅を50mm拡大し、全高を10mm低くすることでプロポーションを修正。精悍さを強調したルックスや、質感を高めた内装も注目点で、全体にプレミアム度を高めた。海外ではインフィニティQ50を名乗る。

ライバル RIVAL

  • レクサス IS

    レクサス IS 中古車参考価格帯:390万~640万円 ※平成25年~平成26年式の相場です。 ※全グレード

    エコとスポーツの両方でも競合
    性能面でライバル関係にあるIS350は、アイドリングストップ機構の備えもないだけに、環境性能ではV37型スカイラインの圧勝といえそう。でも、エコを最重視するなら、優位にあるのはIS300h。そこがじつに悩ましいところだ。

  • BMW 3シリーズ

    BMW 3シリーズ 中古車参考価格帯:80万~430万円 ※平成17年~平成23年式の相場です。 ※セダンのみ

    弱点のないバリエーション
    ガソリン直噴ターボ、クリーンディーゼル、そしてハイブリッドと、3つのエコな心臓を揃えているのが、現行F30型3シリーズの大きな魅力だ。また、ワゴンの「ツーリング」や5ドアの「GT」も設定し、幅広いニーズに応えている。

メルセデス・ベンツ Cクラス

メルセデス・ベンツ Cクラス 中古車参考価格帯:130万~450万円 ※平成19年~平成25年式の相場です。 ※AMGを除く ※セダンのみ

いまでも感じる出来のよさ
ボディはやや小ぶりだが、CクラスはプレミアムDセグメントを代表するモデルのひとつ。現在の主力は直4直噴ターボ搭載車だが、V6モデルも根強い人気を保っている。ちなみに、次期W205型がほどなく日本市場にも投入される予定。

SKYLINE 13th

全車にハイブリッド技術を導入し次世代スポーツセダンの姿を提案

日産 スカイライン 350GT
ハイブリッド タイプSP(7速AT)


全長×全幅×全高:4800×1820×1440mm
車両重量:1800kg
排気量:3498cc
エンジン:V型6気筒DOHC+モーター
最高出力/最大トルク(エンジン):306ps/35.7kgm
最高出力/最大トルク(モーター):68ps/29.6kgm
燃費:17.8km/L(JC08モード)
新車価格帯:462.456万~569.592万円

新たなる決意を表わすインフィニティマーク
話題の新型スカイラインの素性を示すのは、フロントグリルやステアリングパッドに装着したインフィニティマーク。海外マーケットと同様に、メルセデスやBMW、レクサスと同じ土俵に上がり、プレミアムセダンとしての新たな勝負をするための意思表示と言ってもいい。

そのための武器はやはり、スカイラインとしては初となるハイブリッド。縮小傾向の日本のセダン市場でも成長を続け、シェアを大きく高めているのがハイブリッドモデルだけに、日産の新戦略は大いに納得がいく。ライバルのレクサスISは2L直4を積む「300h」を展開するが、こちらの心臓はパワフルな3.5L V6。走りにこだわるファンの期待に応える構成と言っていい。

モーターと合算したシステム出力は364馬力に達し、なんと0→100km/h加速を5.1秒でこなす。BMWアクティブハイブリッド3やポルシェ・パナメーラSハイブリッドよりも速く、「量産ハイブリッド世界最速」の称号を与えられている。

しかも、直線番長などではなく、新型はハンドリング性能にもより磨きをかけている。脚光を浴びるDAS(ダイレクトアダプティブステアリング)については、操舵反力や戻しの違和感などの気になる点もあるが、ツボにはまったときに見せるクイックなフットワークは、たしかに新時代のGTを実感させてくれる。

そうした高いスポーツ性を備えながら、JC08モード値で17.8~18.4km/L(2WD)の低燃費を達成したのも見逃せない。「燃費が気になる」という人にも強くアピールすることだろう。4駆も選択可だから、北国の人にもお薦めできる。

また、エマージェンシーブレーキの搭載やランフラットタイヤの採用が象徴するように、セーフティの面でも飛躍的な進化を遂げている。

INTERIORインテリア

スカイライン インテリア

ツインディスプレイを採用する先進のコクピットと、仕立てをより高級にした内装が自慢だ。後席はニールームを拡大して快適度を高め、乗降性も改善した。

MECHANISM メカニズム

バイワイヤ方式のステアリングを採用
シャシーの新機軸はDAS(ダイレクトアダプティブステアリング)。ステアリングシャフトを介さずに操舵を行うバイワイヤー技術は、世界に先駆けて実用化したもの。キックバック低減や応答性向上など、さまざまな利点がある。

リチウムイオンバッテリー

高性能なリチウムイオンバッテリーを搭載基本メカはフーガハイブリッドから移植したものだが、小柄なスカイラインとのコンビということで、性能と効率の両面をレベルアップしている。メカはシンプルな1モーター2クラッチ式で、高速域でのモーター走行も可能としている。

HISTORY OF SKYLINE スカイライン ヒストリー

全13世代にわたるスカイラインの系譜

世代別中古車物件比率

中古車がもっとも多いのは先代(V36)で、市場全体の半数以上にもおよぶ。先々代(V35)もまだ十分買える。R34やR33はかなり減っており、改造車も多い傾向。

SKYLINE 12th(V36/先代)販売期間:平成18年~平成25年

プレミアムセダンのニーズにも応えた12th

日産 スカイライン 370GTタイプS(7速AT)

中古車参考価格帯 70万~320万円 ※平成18年~平成25年式の相場です。 ※セダンのみ

日産 スカイライン 370GT
タイプS(7速AT)

全長×全幅×全高:4780×1770×1450mm
車両重量:1610kg
排気量:3696cc
エンジン:V型6気筒DOHC
最高出力/最大トルク:330ps/36.8kgm
燃費:9.7km/L(10・15モード)

走りのクオリティと多彩な個性が光る
V35型で進路がきちんと決まっただけに、12代目のV36型は正常進化の道を進む。そこで、改めて強化されたのはスポーティさ。たとえばVQエンジンは、ハイレブ&ハイレスポンスを意味する「HR」へとバージョンアップされ、シャシーには4WAS(4輪アクティブステア)や18インチタイヤが導入された。

とはいえ、18インチタイヤを履く初期型のタイプSPはちょっとやり過ぎの印象。「スパッ」と向きを変えるハンドリングや、超高速域でみせる高度な安定性はたしかに光っているが、乗り心地はハードすぎた。

改良を重ねるごとに、快適性とのバランスを考慮したシャシーセッティングに変わり、4WASもリニアさを重視する方向に変わっていったのは、そこに理由がある。後期型では、可変バルタイ&リフト機構のVVELを採用する3.7Lユニットや7速ATも投入されたから、完成度に重きを置くならマイチェン後のモデルがお薦めとなる。ATの7速化は燃費や静粛性にも大きく貢献する。

でも、高回転の伸びのシャープさやサウンドの官能性は、後期型のVQ37VHRよりも前期型のVQ35HRのほうが上。「とんがったスカイラインが好き」ならば、あえて前期型の350GTをねらう手もある。

また、上質かつスポーティなSUVを求めている人には、スカイラインクロスオーバーを強力にプッシュしたい。後席や荷室は広くないが、内装は日本車とは思えないほどハイセンスかつゴージャスな仕立てで、走り味もきわめて洗練されている。贅沢な気分を堪能できる1台だ。

INTERIORインテリア

スカイライン インテリア2 

ソリッドでスポーティGTらしい室内空間

囲まれ感を表現したコクピットは、ドライバーには適度な緊張感、助手席に座る人には心地いいリラックス感をもたらす。本アルミトリムやアナログ式時計、マグネシウム製パドルを採用するなど、デザインと仕立ての高級感も進化した。

EXTERIORエクステリア

伝統の丸形テール復活は多くのファンが歓喜した
つり目デザインのヘッドライトや、ウエッジを効かせたキャラクターラインが目を引く。プレーンな印象のV35型と比べると、スタイルは全体に引き締まった印象で、スポーティ感をグッと高めている。リヤコンビランプは伝統の丸型4灯式。

  • エクステリア1

  • エクステリア2

  • エクステリア3

MECHANISMメカニズム

メカニズム1

こだわりの足まわりと高性能なV6を搭載
ボディ剛性を強化した上で、V36型は足まわりをリファインし、4WAS(4輪アクティブステア)を新たに導入した。後期型では、VVEL採用の3.7L V6ユニットと7速ATを新投入。パフォーマンスと快適性をさらに高めた。

  • メカニズム2

  • メカニズム3

  • メカニズム4

  • メカニズム5

VARIATIONモデル バリエーション

 クーペ

クーペ
4シーターキャビンを持つ高級パーソナルカー。大排気量V6を積み、スポーツカー顔負けの豪快な走りでファンを魅了する。ちなみに、海外ではコンバーチブル版も存在する。

クロスオーバー

クロスオーバー
海外名はインフィニティEX(現在はQX50)。駆動方式はFRまたは4WD(アテーサE-TS)で、スタイルと走りのバランスは「本家のセダン以上」との評価さえある。

MARKET REPORT SKYLINE 12th

高品質車両が豊富に流通して買い時を迎えた
V37が登場したことで、先代のV36は今後相場が下がると期待される。物件数も非常に多くオススメのモデルとなっている。流通しているのは「250GT」系がもっとも多く、5年落ちで160万円が相場の目安。初期型なら100万円台前半とお買い得だ。走行距離を見ても、まだまだ程度良好な車両が豊富。まさにこれからが買い時。

グレード×年式別相場

グレードは排気量を表す数字で表される。2.5Lはデビュー当初から生産終了までラインアップされており、中古車の数はもっとも豊富。また4WDの「250GT FOUR」も設定されるが、数は多くない。3.5Lも、130万円前後というリーズナブル価格でねらえる。

グレード×年式別相場

走行距離×年式別相場

コンディションが良好な低走行車両が豊富に揃う。デビュー初期の平成18年式なら、3万km未満の車両でも132万円が相場。同じく3万km未満・5年落ちの条件でも165万円と、買いやすい価格帯だ。相場が安くても過走行車を避けるなど、程度重視で選びたい。

走行距離×年式別相場

  • 【年式】

    平成18年から25年の間に生産された。平成19年~21年の3年間に登録された車両が半数以上となる。

  • 走行距離

    【走行距離】

    1万km未満の車両はさすがに少ないが、3万km未満で見ると比較的豊富に存在。なお、もっとも多いのが5万km前後の車両である。

グレード

【グレード】

排気量別に3グレードを設定するが、250GTがもっとも豊富。350GTは平成19年に370GTへ進化しており、生産期間が短い。

SKYLINE 11th(V35/先々代)販売期間:平成13年~平成18年

大人路線へ舵を切ったV35スカイライン

日産 スカイライン 300GT プレミアム(5速AT)

中古車参考価格帯 20万~120万円 ※平成13年~平成18年式の相場です。 ※セダンのみ

日産 スカイライン 300GT
プレミアム(5速AT)


全長×全幅×全高:4675×1750×1470mm
車両重量:1490kg
排気量:2987cc
エンジン:V型6気筒DOHC
最高出力/最大トルク:260ps/33.0kgm
燃費:11.6km/L(10・15モード)

絶対条件であった世界に向けての変化

いま振り返れば、スカイラインの歴史は10代目のR34型でいったん終止符を打ち、11代目のV35型から新たな歴史を刻んだという見識が正しい。それは、日本の人気者だったスカイラインが、「インフィニティG」(現在はQ50)という新たな車名で、世界に羽ばたいたことを意味する。

ここで変わったのは、直6からV6になったエンジンだけでなく、パッケージも、デザインも、そして走りの味つけも、まったく新しいものになった。革命とも言える変化を受け入れながらも、国内で「スカイライン」の名を踏襲したのは、この時期に日産CEOに就任したカルロス・ゴーン氏の意向が強く働いていたから。日産でもっとも長い歴史を持つ車名を、貴重なヘリテイジとして尊重したというわけだ。

スカイラインといえば、2代目のS54や3代目のGC10が築いた「羊の皮を被った狼」のイメージを胸に刻むファンが多く、正直言って11代目のV35型に拒絶反応を示す例は少なくなかった。だが、アメリカでは早くから高く評価され、インフィニティブランドを発展させる原動力となる。縮小が続く日本のセダン市場からやや距離を置き、世界に目を向けた新戦略は成功だった。

そんなV35型のなかで、いまも輝く特別な存在は350GT-8だろう。エクストロイドCVTと名付けられた円盤式無段変速機(量産世界初)が紡ぎ出す変速フィールは、抜群にスムーズなもので、8速パドルシフトの変速の早さと小気味よさも際立っていた。もちろん3.5L V6が生む動力性能も申し分のないものだ。

MECHANISM メカニズム

基本性能を引き上げる一大改革が行われた
6気筒の心臓を直列からV型に変更し、フロントミッドに配置したことが「FR-Lプラットフォーム」の大きな特徴。長いホイールベースや大径タイヤの採用も見逃せない点で、「走る・曲がる・止まる」の能力を根本から引き上げた。

  • メカニズム1

  • メカニズム2

VQエンジンは当初、直噴2.5L&3Lの2タイプの構成だった。ポート噴射の3.5L版が加わったのは02年のことだ。

VARIATIONモデル バリエーション

クーペ

クーペ
フェアレディZシリーズのZ33型フェアレディZとは、プラットフォームを共有する兄弟の関係にある。ゆえにV35型のクーペは、かつてのZ 2by2を補完する役割も担っている。

MARKET REPORT SKYLINE 11th

ほとんどの車両がアンダー100万円
価格も底値なので魅力的な選択肢

物件数もそれなりに豊富で、しかも価格は安いとあれば、V35の中古車は非常に魅力的な存在。グレードは、大別すると「250GT」、「300GT」、「350GT」の3系統が存在するが、物件数はどれもほぼ同程度存在。自分の好みに応じたチョイスでOKだ。

走行距離×年式別相場

価格は安いが低走行車はかなり減っている。3万km未満・平成17年式だと80万円が相場。初期型なら50万円を切るが、コンディションを重視すると選ぶのは難しい。できるだけ高年式をねらうべし。

走行距離×年式別相場

森野恭行

ジャーナリスト・森野恭行氏の歴代
SKYLINEインプレッション

13th 高いスポーツ性と快適性

SKYLINEインプレッション 13th

モーター走行やコースティング状態のクルージングは、抜群にスムーズで静か。で、そこから右足をグッと踏み込めば、痛快な加速ショーを楽しませてくれる。その二面性こそが、新型の新鮮な魅力。ランフラットタイヤを履くことを考えれば、乗り心地も合格点だ。

12th 痛快な走りの世界を体現

SKYLINEインプレッション 12th

豪快さを求めるなら350GTもしくは370GTが標的だが、250GTには「軽快感」や「素直さ」という異なる気持ちよさが備わる。スポーティな走りのシーンでも、動力性能は「十分」なレベルにあり、多くのファンにお薦めできる。V36型は「素」の味もおいしい。

11th 世界基準へのベースアップ

SKYLINEインプレッション 11th

※すべての価格は参考価格です

ハンドリングと乗り心地のバランスは、当時の国産セダンではトップレベルだが、前作R34型(とくにターボ車)と比べて刺激性は薄く、戸惑うファンも。V35型が求めたのは世界で通用する走り。高速スタビリティやコーナリング性能に土台からの進化が表れた。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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