中古車購入
更新日:2025.03.30 / 掲載日:2025.03.29
ベストバイはどれ?中古車でねらえる電気自動車5モデルを比較

ここ最近、バッテリー式の電気自動車(BEV)が日本でも普及し始めている。以前と比べて給電ポイントも増えており、確実にBEVは身近な存在になったといっていい。同時に販売されるモデルも増えたので、消費者としてはどのモデルを買ったらいいか悩みどころでもある。そこで今回は、いま中古車として手頃な価格でねらえるBEVを5モデルピックアップし、それぞれ比較してみよう。
今回ピックアップするBEVはこの5台!
BEVが増えてきたとはいえ、新車価格600万円を超える高額なモデルも目立ち、敷居が高いと感じているひとも多いのではないだろうか。しかし中古車ならばリーズナブルな価格で入手できるため、初めてBEVに乗りたいなら中古車から探すのをおすすめしたい。今回は、BEVを買う上で現実的な300万円台の予算で探せるコンパクトモデルをピックアップしてみた。
日本カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた「日産 サクラ」

リーフでBEVのノウハウを培ってきた日産が、2022年5月に発売した新型モデルが「サクラ」。最大のトピックスといえば、軽自動車の規格で設計されたということ。扱いやすいボディサイズと手が届きやすいリーズナブルな価格は、BEVをより身近な存在にしてくれる。リチウムイオン式のバッテリー容量は20kWhで、一充電走行距離(WLTCモード)は180kmと、日々の買い物や通勤で使うならこれで十分といえる性能を持つ。また、プロパイロットをはじめとする運転支援技術もふんだんに盛り込まれ、快適なドライブをサポート。なお、2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、大きな話題となった。
量産BEVのパイオニア「日産 リーフ」

BEVを世に広めた立役者が日産 リーフ。2010年の発売以降多くのユーザーに親しまれており、2020年9月には累計生産台数が50万台を超えている。今回紹介するのは、2017年9月に発表された2代目。スポーティなルックスと、上質感のあるインテリアが特徴的。ワンペダルで発進や減速までコントロールできる「eペダル」を採用し、BEVならではの運転フィーリングも楽しめる。発売当初のバッテリー容量は40kWhで、一充電航続距離(WLTCモード)は322km。後に62kWh仕様も追加され、ロングドライブに使いたいユーザーニーズにも応えた。
レトロモダンなデザインが光る「ホンダ e」

2020年8月に登場したホンダのBEVが「ホンダ e」。全長3895mm、全幅1750mm、全高1510mmのコンパクトなハッチバックボディを採用する。円を基調とした親しみやすいデザインと、リビングのようにリラックスできるインテリアは、国産BEVに新しい価値観をもたらしてくれた。特に、5つのスクリーンを水平配置したワイドビジョンインストルメントパネルを導入したのが見どころ。また、クラウドAIによる音声認識を行う「ホンダ・パーソナルアシスタント」を搭載し、便利で楽しいカーライフをサポート。バッテリー容量は35.5kWh、一充電走行距離(WLTCモード/ベースグレード)は383kmを達成。リアモーター・リアドライブによる軽快な走りにも注目だ。
軽量&高剛性なCFRP製ボディを採用した「BMW i3」

プレミアムセグメントの次世代モビリティを提唱し、2014年4月に導入されたのがBMW i3。全長4010mm(2014年モデル)のコンパクトなボディは、アルミニウム製のドライブモジュールとCFRP製のパッセンジャーセルを組み合わせている。これにより、高剛性によるスポーティなハンドリングと高い衝突安全性が売り。パワートレインは、バッテリーのみのベースグレードと、発電用エンジンを備えたレンジエクステンダーから選べる。バッテリー容量は当初22kWhだったが、改良により大容量化されており、最終的には42.2kWhとなった。こちらの一充電走行距離(WLTCモード/BEV仕様)は360kmを実現している。
積極的に走りも楽しめる「プジョー e-208」

2020年7月に導入されたプジョー e-208。内燃機関モデルの208と同時に発表されたフランス製のコンパクトなBEVである。全長4095mm、全幅1745mmというワイドなプロポーションはドライバーをわくわくさせる。また、アクティブセーフティブレーキをはじめとする多くの運転支援システムなど、現代のコンパクトカーにふさわしい先進装備が盛り込まれている。バッテリー容量は50kWhと、コンパクトカーとしてはゆとりがあるのも特徴。これにより一充電走行距離(WLTCモード)は395kmを達成し、長い航続距離も大きな魅力となっている。
電気自動車としての性能を比較すると?
日産サクラ (2025) | 日産リーフ G (2025) | ホンダe アドバンス (2024) | BMW i3 ATELIER (2022) | プジョーe-208 アリュール (2025) | |
全長 | 3395 mm | 4480 mm | 3895 mm | 4020 mm | 4095 mm |
全幅 | 1475 mm | 1790 mm | 1750 mm | 1775 mm | 1745 mm |
全高 | 1655 mm | 1560 mm | 1510 mm | 1550 mm | 1445 mm |
最高出力 | 64 ps | 150 ps | 154 ps | 170 ps | 136 ps |
最大トルク | 195 Nm | 320 Nm | 315 Nm | 250 Nm | 260 Nm |
最小回転半径 | 4.8 m | 5.4 m | 4.3 m | 4.6 m | 5.4 m |
総電力量 | 20 kWh | 40 kWh | 35.5 kWh | 42.2 kWh | 50 kWh |
一充電走行距離 (WLTCモード) | 180 km | 322 km | 259 km | 360 km | 395 km |
中古車物件数 | ◎ | ◎ | △ | △ | △ |
中古車平均価格 | 176万円 | 185万円 | 317万円 | 202万円 | 313万円 |
BEVを選ぶ際、気になるのは扱いやすさや航続距離、そしてそれに見合った価格設定かどうかが重要となる。そこで、今回取り上げる5モデルの主なスペックを表にして比較してみたい。
運転のしやすさが優れているのは?

今回紹介したモデルはコンパクトカーが中心なので、基本的にはどれも乗りやすいモデルが揃う。しかし取り回し性の客観的なスペックは、最小回転半径を参考にするといいだろう。これが最も優れているのは、ホンダeでわずか4.3m。次にBMW i3が4.6mとなり、日産サクラは4.8mとこちらも優秀。特にサクラは、軽自動車の規格なので狭い道でも負担なく走れるのが大きい。
航続距離が長いのは?

航続距離は、BEV選びにとって最も重要なファクター。特に一充電走行距離は、充電せずにどれだけの距離を走破できるかの目安になる。これは、バッテリー総電力量が大きいほど伸びるので、長距離ドライブをするならバッテリー容量の大きいプジョー e-208(50kWh)やBMW i3(42.2kWh)が有利。一方で日産サクラは一充電走行距離は180kmと最も短いが、総電力量がわずか20kWhであることを考慮すると優秀といえそうだ。
先進装備が充実しているのは?

ここ最近のモデルには、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなど、多くの先進技術が盛り込まれている。そのためいずれも大きな差はないのが現状だ。しかし、ここで注目すべきは日産の各モデルに搭載されている「プロパイロット」。これは高速道路や自動車専用道路などで、アクセル、ブレーキのほかステアリング操作までもがアシストしてくれる便利な機能。リーフはもちろん、軽自動車のサクラにも「G」グレードに標準装備されている。
中古車が買いやすいのは?

BEVは基本的に高額なモデルが中心なので、結局はいつものガソリン車を選んでしまいがち。今回は低価格帯のモデルをピックアップしているとはいえ、ホンダeやe-208のような新しいモデルは平均価格が300万円を超える。また、BMW i3は登場年が古いため平均価格は202万円となっているが、高年式は300万円以上の物件が目立ち、なおかつ物件数も控えめ。一方、リーフとサクラは物件数が膨大かつ中古車も安く、おすすめできる。特にサクラは中古車平均価格が176万円と最も安く、中古車価格帯は120万円から260万円と非常にリーズナブルだ。
ベストバイはどのモデル?

今回紹介したのは、軽自動車とコンパクトカーが中心となるが、性能や個性はまちまち。それゆえ、ライフスタイルや好みで選ぶのが最も賢い買い方。たとえばリアドライブの軽快な走りを味わうなら、ホンダeがおすすめ。ファミリー層ならボディサイズにゆとりがあるリーフが選ばれることが多い。しかし、BEVとして不満のない性能とクオリティ、そして圧倒的なコストパフォーマンスを考慮するとサクラがベストバイ。サクラは膨大な中古車物件も魅力で、好みのボディカラーやグレードが選べる。BEVデビューのクルマにぴったりの1台といえそうだ。
【日産サクラオーナーさんを突撃したリアルインタビューも合わせてチェック☟】


ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。