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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2017.07.25
【三菱】GDIエンジンの特徴とメリット・デメリットとは

goo-net編集チーム
三菱車に搭載される技術でよく目にする、GDI(ガソリン・ダイレクト・インジェクション)エンジンとは、どのような特徴があるのでしょうか。
低燃費などを実現する効率的な燃焼方法が特徴の技術で直噴エンジンとも呼ばれ、三菱が世界初の技術として開発しました。
GDIエンジンとは
三菱自動車が開発したGDIエンジンは、燃料を直接シリンダー内に噴射する仕組みです。
通常はインテークマニホールドという装置を介してシリンダーへ燃料を供給します。
GDIエンジンは「直噴エンジン」とも呼ばれ、ダイレクトに燃料が供給されるため、希薄燃焼(リーンバーン)により低燃費につながる、というのも狙いもありました。
三菱が市販車にGDIエンジンを搭載したのは1996年のギャランとレグナムです。
当時、画期的な低燃費の技術で話題にあがりました。今で言うエコカーの先駆車でした。
コンピューターにより燃料の噴射を細かく制御する、電子制御式直噴エンジンの利点を活かし、同時に排気温度の制御も行います。
このため、排ガスのクリーン化にもつながるとして画期的な技術とされました。
その後、PSA/プジョー・シトロエン(フランス)、ボルボ(スウェーデン)、ヒュンダイ(韓国)、アルファロメオ(イタリア)へ特許を寄与し、三菱のGDI技術は拡大しました。
GDIエンジンのメリット・デメリット
GDIエンジンのメリット・デメリットは以下の通りです。
三菱が直噴エンジンの「元年」を築きましたが、当初はデメリットも数多くありました。
【メリット】
・圧縮比を高くできるのでノッキングが起きにくい
・噴射後の燃料が気化熱を吸収するため、筒内温度が低下して燃料効率が改善され出力が向上
・燃料の高効率化で低燃費が実現する
【デメリット】
・燃料噴射を最適化するため、特殊な部品を使うのでコスト高になる
・燃料噴射後、気化する時間が短いので有害物質が排出されることがある
・カーボン発生しやすくオイルの汚れ・劣化が進む傾向がある
GDIエンジンの問題点
三菱のGDIエンジンは、現行車には搭載していません。
排気ガスの有害物質(カーボン)の除去に問題が出てきました。
国内のNOx規制に対応する技術が確立できなかったためです。
三菱ではGDIエンジンを段階的に縮小させ、2007年にGDIエンジンの生産を中止しました。
三菱が量産自動車初のリーンバーンガソリン直噴エンジンである、GDIエンジンを世に送り出してから、現在ではトヨタ、ホンダ、マツダ、BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェなどが、独自に直噴エンジンを開発し、現在も搭載車種を拡大させています。
残念ながら本家とも言える三菱のランナップからGDIエンジン搭載車が、消滅してしまいましたが、確実に三菱の残した功績は脈々と受け継がれていくことでしょう。