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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.08.06
【トヨタ】プロペラシャフトのない駆動システム「電気式4WDシステム(E-Four)」とは

goo-net編集チーム
トヨタのプリウスやハリアーなどのハイブリッドカーに搭載される、「E-Four」という4WDシステムがあります。
ハイブリッド車ならではのモーターを使った4WD駆動方式ですが、これはどのようなシステムなのでしょうか。
電気式4WDシステム(E-Four)の特徴
トヨタの電気式4WDシステム(E-Four)は、ハイブリッド車に搭載している駆動システムです。
一般的に4WDといえば、前方にあるエンジンからの動力をプロペラシャフト、ディファレンシャルギア(差動装置)を介して後輪に伝えています。
これは一般的に機械式4WDシステムと呼ばれます。
E-Fourシステムの場合、走行条件や路面状態などから独立したリヤモーターを電気的に緻密に制御し、直接後輪へ動力を伝えます。
このため、プロペラシャフトは必要ありません。
これを電気式4WDシステムと定義しています。
電気式4WDシステムE-Four技術の機能
トヨタ車のE-Fourシステムは、大きく分けて2種類あります。
どちらも、プロペラシャフトを使用せず、モーターで直接、前・後輪を駆動させる点では同じです。
異なる点は、ミニバンなど高出力を必要とするタイプと、小型車など低燃費性能・ユーティリティスペースの効率化を重視する、小型車用のタイプに分類されます。
後輪を駆動させるためのモーターの大きさ、バッテリーの容量、専用リヤインバーター、配置スペースなどが異なり、それぞれの特性やレイアウトによって使い分けされています。
E-Fourの種類
【HV4WD(E-Four)】
車種:4代目 プリウス 50系
特徴:バッテリーの薄型化、リヤモーターの小型化、小型で軽量なリヤインバーターの開発により、広いラゲージスペースを実現。
【高出力E-Four】
車種:エスティマハイブリッド・アルファード・ヴェルファイアハイブリッドなど
特徴:大出力に対応するためにバッテリーやリヤモーターが大型。パワフルな走行性能を実現。
電気式4WDシステムE-Fourの効果(メリット)
E-Fourシステムの効果は、雪道や雨などで滑りやすい路面でより安定した走りを可能にします。
機械式4WDシステムと異なり、機械式損失がなく、走行条件や路面状態に応じた最適な制御が可能となり燃費性能にも優れます。
また、プロペラシャフト、ディファレンシャルギアを必要としないため、メンテナンス性に優れ、駆動系のメカトラブルの心配も大きく減少します。
併せて、プロペラシャフトがないので、後部座席の足元の空間が確保できることも効果として挙げられます。
トヨタのE-Fourシステムは、ミニバンやSUVなどに採用したのが始まりです。
バッテリーの薄型化、リヤモーターの小型化などの実現により、2015年12月のフルモデルチェンジ時に4代目プリウスにE-Four システムを搭載した、4WDモデルがラインナップされました。
今後もトヨタのハイブリッドカーに欠かすことのできないコアな4WDシステムとして、ミニバン・SUVをはじめ小型のハイブリッドカーなど幅広い車種への搭載が期待されています。