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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.17

【スバル】進化を続ける世界屈指の4WD(四輪駆動)技術とは

【スバル】進化を続ける世界屈指の4WD(四輪駆動)技術とは

グーネット編集チーム

スバルを代表する技術として、世界屈指の4WD(四輪駆動=AWD)が挙げられます。
四輪駆動車は前・後輪の全てが駆動するため、悪路や強風、高速走行での安定した走行性能や、積雪・凍結などの滑りやすい路面での走破性能に優れる特徴があります。

ここではスバルの四輪駆動の技術や背景を紹介します。

4WD(四輪駆動)とは

4WDとは英語の「4 Wheel Drive」の略で、「四輪駆動車」を意味しています。一般的な乗用車の多くは、エンジンの駆動を前輪か後輪のどちらか2輪に伝達して走らせる2WDを採用しており、4WDとは区別されます。

4WDといってもさまざまな形式がありますが、フルタイム4WDを例にとると、車体のフロント部分にあるエンジンの駆動力がセンターデフを介して前後の車輪へ分配される構造が基本です。例えば2WDのうちFF(前輪駆動)であれば、後輪は車体についているだけで、何ら能動的な働きはしていませんが、4WDは4本のタイヤ全てが駆動を伝える働きをします。

4WD(四輪駆動)を開発した背景

スバルの四輪駆動の歴史は1971年にさかのぼります。
積雪や悪路走行が避けられない山間部の送電線の点検用に、東北電力から走破性の高い快適な車の開発依頼を受けました。

そこで、4輪独立懸架サスペンションを備え、乗り心地の良さで定評があった、FF(前輪駆動)車のスバル1000バンを四輪駆動車に改造し数台が納車され、その翌年の1972年には国産初のワゴン車タイプの乗用四輪駆動車である、「レオーネ4WDエステートバン」が発売されました。

これが、その後のスバルの代名詞ともなる四輪駆動車の原点であり、エポックメイキングな出来事と言えるでしょう。

4WD(四輪駆動)のメリットやデメリット

4WD(四輪駆動)のメリットやデメリット

グーネット編集チーム

それでは、4WD車の一般的なメリットとデメリットについて解説していきます。

4WD(四輪駆動)のメリットとは

4WD最大のメリットは悪路走破性です。世界中の名だたるクロスカントリー車は例外なく4WDを採用しており、2WDと比べて砂漠や雪道、ガレ場など、あらゆる環境で4WDの方が走破できるステージが広がります。また、走行安定性に関しても4WD車はメリットがあります。濡れたマンホールの上などでも滑りにくくなるほか、高速域でのコーナリングにおいても、4輪に駆動が配分される4WDの方が車の挙動に安心感がでます。

加えて、何百馬力ものエンジンパワーを路面に伝えるためには、古典的なFRやMRといった後輪駆動ではなく、4輪それぞれに最適に駆動を配分した方が有利なのです。

4WD(四輪駆動)のデメリットとは

一方のデメリットとしては、4WDシステムによる重量増と燃費の悪化です。例えば2WDのFF(前輪駆動)を例にとると、エンジンからの駆動を直接前側の車軸に伝えるだけなので、構造がシンプルで軽量になり、伝達ロスも少ないので燃費にも有利です。4WDとなればフロントとリア、そしてセンターにディファレンシャルが必要になり、それらを制御するユニットやコンピュータもいるので、重量も増えて伝達ロスによって燃費も悪化します。

また、軽自動車のようにパワーが限られている場合は、4WDにすることで加速性能なども若干ダウンしてしまうことがあります。

4WD(四輪駆動)と2WD(二輪駆動)の違いとは

それでは、2WDのメリットとデメリットを簡単に説明したうえで、4WDとの比較をしていきます。

2WDとは

2WDとは、前輪か後輪どちらか2輪が駆動する方式のことを指します。2WDといっても、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)、FR(フロントエンジン・リアドライブ)、MR(ミッドエンジン・リアドライブ)、RR(リアエンジン・リアドライブ)の4つの方式があり一概には言えませんが、乗用車の主流となっているFFを例にとると、軽くて燃費も良くなり、コストを下げられるというメリットがあります。また、余分な装置がない分、車内を広くすることが可能になります。

逆にデメリットとしては、雪道や悪路走破性が4WDに劣ることです。北海道や東北などの豪雪地帯では4WD以外の車は一般的に乗られていません。山間部など、少しでも未舗装路を走る機会があるのであれば4WDの方が安心です。

4WDと2WDは何が違うの?

4WDは2WDと比べて積極的に4輪を使うことで走破性や安定性、運動性能を上げることを主眼に設計されているといえます。

その一方で、2WD(FF)では構造を単純化させてコストを下げ、無駄を省くことで室内スペースなどを拡張させています。雪道や悪路走破性よりも日常的な使い方や燃費などを重視したのが2WD(FF)といえるのです。

4WDの技術のバリエーションと機能

現在、スバルの4WD機構は、車種によって4種類の中から使いわけられ、搭載されています。
電子制御を持たないシンプルな構造を持つ日常生活で便利なタイプ、通常はFF駆動で走行し、走行状況によって後輪へトルクを配分する燃費性能に優れるタイプ、通常は後輪のトルク配分を多めにしたスポーツ走行に適したタイプなどがあります。

【スバル車の四輪駆動の種類】

・アクティブトルクスプリットAWD
スバルオリジナルのAWDで、前輪60:後輪40をトルク配分の基本として、適宜、駆動状況や走行状態などの変化に対応し、トルク配分を制御してくれます。
燃費性能に優れ、あらゆる状況下でAWDの走行安定性のメリットを生かす特長があります。

・VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)
通常の前後のトルク配分は前輪45:後輪55とし、直進性を向上させるとともに、アクティブなスポーツ走行に必要なコーナリングの回頭性を重視するタイプです。
路面状況や走行状況に合わせ前後のバランスを前輪45:後輪55まで連続可変制御し、高いスタビリティが特徴です。

・ビスカスLSD(リミテッド・スリップ・デフ)付センターデフ方式AWD
基本トルク配分は前輪50:後輪50とし、前後どちらかがスリップするとトルク配分を機械的に可変するシステムです。
電子制御を必要としないシンプルな機械式デフを使った構造なので、信頼性が高く作業性に優れるタイプです。

・DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式AWD
一番の特徴はドライバーが前後トルク配分を任意で可変可能なことです。
競技車両やスポーツ走行をする車両などに採用され、4輪のトラクションを重視する走りから、回頭性や旋回性を重視する走りなど、走行状況に合わせてトルクを自由に設定できる特徴があります。

2015年におけるスバル車の全世界販売台数のうち、4WDの割合が98%でした。
この数字は非降雪地のユーザーも含まれており、スバル車の4WDの人気度があらためて浮き彫りになりました。

スバル車の象徴とも言える歴史のある4WD技術は、「4WD=四輪駆動車と言えばスバル」といイメージが定着し、高い走行安定性能からも今後ますます進化していくであろうコアな技術と言えるでしょう。

まとめ

今回は、スバルが得意とする4WD(四輪駆動)技術について、スバルが4WDを開発した背景や4WDのメリットやデメリット、4WDと2WD(二輪駆動)の違い、4WDの技術のバリエーションと機能について解説してきました。4WDについても、最近ではメーカーによってさまざまな技術が開発されているため、それらの違いをよく調べたうえで車選びをしていくようにしましょう。

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グーネットマガジン編集部

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