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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.09.18
【日産】歩行者衝突時の衝撃を低減するポップアップエンジンフードとは

goo-net編集チーム
日産の「ポップアップエンジンフード」は、万が一、車と歩行者が衝突した際、
瞬時にエンジンフードがはね上がり、歩行者の頭部への衝撃を緩和する安全技術です。
歩行者に優しい安全技術で、日産が数々の実験を経て完成させた技術です。
ここでは、ポップアップエンジンフードの特徴や仕組みについて説明します。
ポップアップエンジンフードの特徴
歩行者と車の接触事故は、衝突によって足をすくわれた歩行者が、
ボンネットに頭部を強打するケースが多くを占めます。
エンジンなど重要な基幹部品を覆うボンネットはしっかり閉じられており、
歩行者はボンネットとぶつかることで、大きなダメージを受けます。
このため、ボンネットをはね上げ、エンジン部分との間にすき間をつくり、
緩衝材のような役割を果たすことで、
歩行者のダメージを緩和させる技術が「ポップアップエンジンフード」です。
フロントバンパー裏に内蔵されたGセンターが衝突を検知すると、作動する仕組みです。
歩行者と衝突した際に、コントロールユニットがフードをはね上げる必要があると判断した場合、
火薬式のアクチュエーターが作動し、エンジンフードの後端を瞬時に持ち上げます。
「ポップアップエンジンフード」の開発には、
年々さまざまなデバイスの搭載により、ボンネットスペースが減少していることと、
省燃費性能の向上を目的にエンジンフードを低くするデザインが、
接触事故の歩行者の被害拡大に繋がっているという背景がありました。
ポップアップエンジンフードの技術
ポップアップフードは、フロントバンパーに一定の衝撃(G)を受けると、作動する仕組みです。
ただし、対象となるのは歩行者との衝突以外にも、
日常的な走行で作動する可能性があるので注意が必要です。
作動条件
・作動する速度は走行時の車速が約20~60km
・フロントバンパーに歩行者と同等、もしくはそれ以上の衝撃を受けたとき
誤作動条件
・雪の塊、小動物、ほかの小さな物体との衝突
・縁石に衝突したとき
・深い溝や穴に落ち込んだとき
・ジャンプして地面にぶつけたとき
・駐車場のスロープや落下物などにフロントバンパーをぶつけたとき
・踏切などのうねりのある路面にフロントバンパーをぶつけたとき
ポップアップエンジンフードの開発は、
車自体の強度を確保しつつ、歩行者を保護する相反テーマを両立した技術です。
ボンネット自体を緩衝材にすれば、車の強度が低下します。
ボンネットをはね上げることで、
歩行者への衝撃を緩和するポップアップエンジンフードが実用化されました。
日産のポップアップエンジンフードのように、
衝突時に歩行者への衝撃を緩和するシステムは国内外の自動車メーカーにも拡大しています。
トヨタのポップアップフード、ホンダのポップアップフードシステム、
マツダの衝撃吸収ボンネットなどがあります。
日産の新しい安全への取り組みである「トリプルセーフティ」のひとつである、
被害を最小化する安全技術「インパクトセーフティ」は、
ポップアップエンジンフードとともに、今後もますます進化していくことでしょう。