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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

小さいことはいいことだ! 小さくて丸くてかわいいクルマ、三菱アイが生まれた。

軽自動車界の革命児、新生三菱の象徴

好調な軽マーケットに新規投入されるiの月販目標は5000台。非公式だが、発表10日前に3000台を受注ずみ

好調な軽マーケットに新規投入されるiの月販目標は5000台。非公式だが、発表10日前に3000台を受注ずみ

【本記事は2006年2月にベストカーに掲載された記事となります。】三菱iはそんなキャラだが走りは凄くいいという。 軽自動車界の革命児、新生三菱の象徴を追う!iのエクステリアは東京モーターショーをはじめ事前に公開されていたため、アッと驚くことはないが、担当はiの市販型を見て、触ってデザインのオリジナリティの高さを改めて感じた。付け加えて言わせてもらうなら「このiってやっぱり凄いよ、絶対売れるよね」というのを実感しました。iの総括責任者である福井紀王プロダクトエクゼクティブ(以下PE)は、iについて、「iはこれまで三菱が提案したことのないチャレンジングなクルマで、三菱ブランド復活のカギを握るモデル」と、力強く宣言。自動車雑誌業界でも、「iは大ヒットするか」で議論沸騰。これほど話題になっているクルマはかつてないほど。編集部でも(編)と国沢氏が丁々発止やってました。

基本スペック

それではチェック。まずは、基本のスペック関係から。ボディサイズは、全長×全幅×全高は3395×1475×1600mm。ライフ(1575mm)よりちょっと背が高いが、ワゴンR(1635mm)ほどではないという大きさ。しかし、ホイールベースは2550mm! 軽自動車で最長の超ロングホイールベースであるだけでない。なんと絶版にはなったが三菱のミドルクラスセダンのギャランと同じというから驚き。コンパクトカークラスでも2550mmのホイールベースはラクティスのみ。これまでタイヤがボディの四隅に付いているという表現が使われてきたが、このiほど徹底したモデルはなかったはず。なにしろ前後のオーバーハングは、バンパーの皮一枚といった感じなのだ。

超ロングホイールベースによりケタ違いの室内スペースを確保

小さなボディにギッシリつまった可能性 リアミドシップを実現させた画期的なプラットフォーム。オールアルミのエンジンとともにiを市販するために新開発という三菱の力作

小さなボディにギッシリつまった可能性 リアミドシップを実現させた画期的なプラットフォーム。オールアルミのエンジンとともにiを市販するために新開発という三菱の力作

iのセールスポイントは、エンジンをリアのミドに搭載したことにある。このレイアウト+超ロングホイールベースにより軽自動車としてはケタ違いの室内スペースを確保することに成功している。身長180cm前後の男2人が前後にゆったりと座れるのには驚いた。リアのシートバックはリクライニングし快適性もバッチリ。同時にミドシップ化によりフロントのクラッシャブルゾーンを長くとることができるので、衝突安全性にも優れている。タイヤはフロント145/65R15、リアは175/55R15と前後で異なるサイズを採用。さらに、フロントにエンジンがないので、タイヤの切れ角を大きくとることができ、2550mmという超ロングホイールベース+15インチタイヤ装着にもかかわらず4.5mとライバルと同等の取り回し性を見せる。

エンジン

リアラゲッジの下にエンジン ラゲッジの下に660cc、直3ターボエンジン(64ps/9.6kgm)を搭載。ネジ止めのフタが取り付けられている。その開け閉めは意外に簡単。搭載位置はかなり低く、ビッシリって感じで搭載されているが放熱性も問題ないという

リアラゲッジの下にエンジン ラゲッジの下に660cc、直3ターボエンジン(64ps/9.6kgm)を搭載。ネジ止めのフタが取り付けられている。その開け閉めは意外に簡単。搭載位置はかなり低く、ビッシリって感じで搭載されているが放熱性も問題ないという

ラゲッジ下に搭載されるエンジンはアルミブロックの新開発、660cc、直3ターボのみで(64ps/9.6kgm)、NAは設定されていない。「走りの気持ちよさ、質感を求めるとターボ+4ATが必須だった」(福井PE)排ガスレベルは全車★★★かつ平成22年度の燃費基準を達成。10・15モード燃費は2WDが18.4km/L、4WDが18.0km/Lをマーク。これはライバルのターボ軽のなかではトップクラスの実力。グレードは、装備の差のみで、上から順にG、M、Sの3つ。それぞれに2WDと4WDがラインアップされるというシンプルな構成となっている。

iはどんな走り?

ブラックの外装色はかわいいというよりも精悍なイメージになり、ここは一発オトコにビシッと乗ってほしい

ブラックの外装色はかわいいというよりも精悍なイメージになり、ここは一発オトコにビシッと乗ってほしい

では、ここからが本題。iはどんな走りなのか?iはミドシップレイアウトの採用により、優れたトラクション性能と軽快なハンドリングを実現。さらにロングホイールベースゆえに直進安定性にも優れているので、軽自動車とは思えないほどの質感の高さを見せるのだ。小さな舵角でスイスイと曲がるし、心地いい。ダブルレーンチェンジの通過スピードは、ライフが67.5km/hなのに対し、iは71.6km/h。いっぽう止まるほうも高性能で、100km/hからの制動距離は、ライフが43.8mに対しiは40.7mと圧倒。しかも、ノーズダイブが少なく車体が安定しているのだ。車重は2WDが900kg、4WDが960kgだから、動力性能的には余裕があるはず。そして、フロントにエンジンがないので、室内騒音も低く抑えられているのが特徴で、これには心底感心した。実際に三菱社内の測定値では、60km/hで走行中のロードノイズなどの騒音レベルは、60dB程度で、ライバルに対し1割近く静か。100km/hでの走行時はさらに差が開く。軽自動車の高速走行時はうるさい、というのはiにはまったく通用しない。同時に特筆すべきはフラットな乗り心地。これも軽として異常なほど長いロングホイールベースが好影響を与えている。特にリアシートなどは、広いこともあり、コンパクトカーに乗っているのでは、と思うレベル。iの画期的かつ軽自動車の常識を打破する走り、ユーティリティを実現できたのも、リアミドシップという駆動レイアウトを実現したからだ。「実はこのリアミドシップというレイアウトを開発するにあたり、運転がシビアで雪道などの低ミュー路での安全性を心配する声が販社から上がっていたんです。ジャジャ馬的キャラクターでは困るとね。そこで我々は、ハンドリングのリニア感を保ちながら、マイルドな味つけにするということに専念しました。それからエンジン、プラットフォームのすべてを新開発するということで社内でも難航したんです。基本コンポーネンツの公開が’01年だったので、一般のモデルに比べるとかなり開発に時間をかけました」(福井PE)そのiの価格は128万1000~161万7000円(4WDは2WDに比べて12万6000円高)。安いと評判のNA専用のエッセ(68万2500~106万500円)などと比べると高い。「価格は非常に難しい問題であると認識しています。特に軽自動車、コンパクトカークラスではシビアです。軽自動車は安さが魅力のものと、少々高くても充実した内容のものの二極化していると考えています。iは同じ価格帯の商品と比べると、同等以上の価値があると自負しています」(福井PE)Sは価格戦略的な位置づけで、キーレス、UVカットガラス、間欠ワイパー、リモコン格納ドアミラーなどが省略されているため、実質的な売れ筋は中間グレードのMとなると思われる。MとトップグレードのGはディスチャージヘッドライトの有無、GがアルミでMがホイールカバーとなるなどの差がつけられているが、走りに関しては全車同じ。軽ターボのライバルと比較しても、特別高い価格設定というわけではない。でも安くはない。これをユーザーがどう受け取るか。でもどうです1台。絶対このクルマで幸せになれるよ!

iはこんなサイズです 身長1750mm、体重約0.1tのオトコと比較

iはこんなサイズです 身長1750mm、体重約0.1tのオトコと比較 ギャランと同じ2550mmのホイールベース 何よりも外観上の特徴は驚異的なロングホイールベースにあるのだが、身長1750mmの人間がホイール間にスッポリと収まってしまう。全幅は軽自動車枠いっぱいの1475mm。全高は1600mmでライフとワゴンRの中間といったところのジャストサイズ。ドアの開口部が大きいので、ワゴンRクラスと同等の乗降性のよさを誇る。リアハッチは背の低い女性でもラクラクと手の届く位置にある。ラゲッジは室内長をめいっぱいとったため広々とはいえないが、小さな旅行バッグなら4人分の荷物は充分収納可能

iはこんなサイズです 身長1750mm、体重約0.1tのオトコと比較 ギャランと同じ2550mmのホイールベース 何よりも外観上の特徴は驚異的なロングホイールベースにあるのだが、身長1750mmの人間がホイール間にスッポリと収まってしまう。全幅は軽自動車枠いっぱいの1475mm。全高は1600mmでライフとワゴンRの中間といったところのジャストサイズ。ドアの開口部が大きいので、ワゴンRクラスと同等の乗降性のよさを誇る。リアハッチは背の低い女性でもラクラクと手の届く位置にある。ラゲッジは室内長をめいっぱいとったため広々とはいえないが、小さな旅行バッグなら4人分の荷物は充分収納可能

iはこんなサイズです 身長1750mm、体重約0.1tのオトコと比較何よりも外観上の特徴は驚異的なロングホイールベースにあるのだが、身長1750mmの人間がホイール間にスッポリと収まってしまう。全幅は軽自動車枠いっぱいの1475mm。全高は1600mmでライフとワゴンRの中間といったところのジャストサイズ。ドアの開口部が大きいので、ワゴンRクラスと同等の乗降性のよさを誇る。リアハッチは背の低い女性でもラクラクと手の届く位置にある。ラゲッジは室内長をめいっぱいとったため広々とはいえないが、小さな旅行バッグなら4人分の荷物は充分収納可能

価格検証 iはライバルと比べて高いのか?

正面から、真横から真後ろからどのアングルから見ても個性を主張する! iの魅力はエクステリアにあり! いろいろな角度から見るとそれを痛感する。小さいが小さく見えないのもいい。前突、側突、後突のどれをとっても衝突安全性能は高い。見てよし、乗ってよし、安全面もよしと三拍子揃っている

正面から、真横から真後ろからどのアングルから見ても個性を主張する! iの魅力はエクステリアにあり! いろいろな角度から見るとそれを痛感する。小さいが小さく見えないのもいい。前突、側突、後突のどれをとっても衝突安全性能は高い。見てよし、乗ってよし、安全面もよしと三拍子揃っている

価格検証 iはライバルと比べて高いのか?3車とも装備の充実ぶりはすばらしいが、表のような装備に若干差が出ている。しかし車両価格にオプション料金をたして考えると(設定なしは換算)、実は3台ともほぼ同じ価格になる。つまり、高いと評判のiは高くない。タイヤサイズ、走りなどを考えるとお得感すらあるのだ

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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