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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

走りのミニバン、マツダMPVを徹底チェック!! 2.3Lターボの走りに感動!!

ターボらしくないターボ

左からMPVのターボ、エスティマの3.5L、オデッセイの2.4L。エスティマのみV6でMPVとオデッセイは直列4気筒。最高出力はMPVが245馬力、エスティマが280馬力、オデッセイが200馬力(アブソルート)となる。MPVのターボは、2.3Lの排気量でエスティマの3.5Lを上回る35.7kgmのトルクを2500回転で発揮するのがポイント。2000回転時にはほぼ最大トルクに近いトルクを発揮し、これが4500回転までフラットに続く

左からMPVのターボ、エスティマの3.5L、オデッセイの2.4L。エスティマのみV6でMPVとオデッセイは直列4気筒。最高出力はMPVが245馬力、エスティマが280馬力、オデッセイが200馬力(アブソルート)となる。MPVのターボは、2.3Lの排気量でエスティマの3.5Lを上回る35.7kgmのトルクを2500回転で発揮するのがポイント。2000回転時にはほぼ最大トルクに近いトルクを発揮し、これが4500回転までフラットに続く

【本記事は2006年4月にベストカーに掲載された記事となります。】「ターボらしくないターボだな」これがMPVターボの第一印象だ。こう書くと、じゃあMPVターボって面白くもなんともないクルマなの!? と思われる人もいるかもしれないが、そんなことはない。もの凄くよく仕上げられているし、乗って楽しいクルマだと感動した。MPVに搭載されるターボエンジンは、マツダスピードアテンザに搭載される直列4気筒の2.3L直噴ターボと「基本」は同じもの。ただし、同じなのはエンジン本体などの「基本」部分だけで、ターボのチューニングや制御コンピュータなどはミニバンであるMPVの特性に合わせて徹底的に変更されている。開発初期段階ではアテンザ用と同じチューニングのエンジンを搭載してみたのだが「ドッカンターボでとてもじゃないけど乗れたものではなかった」と開発陣が言うように、車重もあり、重心がどうしても高くなるミニバンだと、ハイパワー志向のターボでは、マッチングがよくなかったのだ。最高出力245馬力、最大トルク35.7kgm。これがMPVに搭載される2.3Lターボのスペックだ。ちなみにアテンザ用は272馬力、38.7kgmとなっている。最高出力を削り、最大トルクも小さくはなっているが、MPV用ターボは、2000回転でほぼ最大トルクに近いトルクを叩き出す。2500回転で最大トルクに達し、このまま4500回転まで35.7kgmの最大トルクがフラットにつながる。このトルク特性こそがMPVターボのの最大の魅力であり、特徴。スタートでアクセルを踏み込めば、エンジン回転は瞬時に2000回転を超える。そう、すでにエンジンは最大トルクでグイグイ車体を引っ張っているのであった。とにかく力強い。いちばん最初に「ターボらしくない」と書いたが、スタートの瞬間からトルクが立ち上がっていて、加速中、常に最大トルクが発生している状態だから、トルク変動を感じない。つまり、「ドッカン」がないから、ターボを意識することがない、ということなのである。トルク的には3.5L級のNAに匹敵するのだが、厚いトルクが持続するフィーリングはNAエンジンのものとも異なっている。ターボでもなく、大排気量NAも違う、この加速フィールはMPVならではの個性的なものなのだ。

エスティマ3.5Lと比べてどっちが速い!?

0~100km/h MPVターボ=8秒92 エスティマ3.5L=8秒26 50~80km/h MPVターボ=3秒69 エスティマ3.5L=4秒17

0~100km/h MPVターボ=8秒92 エスティマ3.5L=8秒26 50~80km/h MPVターボ=3秒69 エスティマ3.5L=4秒17

・エスティマ3.5Lと比べてどっちが速い!?MPVターボの動力性能をチェックしてみた。手動計測なので参考値としてとらえていただきたいのだが、0~100km/h加速が8秒92、50~80km/h加速が3秒69となる。同条件で計測したエスティマ3.5Lは0~100km/hが8秒26、50~80km/hが4秒17で、0~100km/hでは僅差ではあるがエスティマがMPVをリード、50~80km/hの中間加速では逆にMPVがエスティマをリードする結果となった。

トルクではMPV

MPVターボのエンジンは直列4気筒、2.3L直噴ターボ。最高出力245ps/5000rpm、最大トルク35.7kgm/2500rpmというスペック。エスティマの3.5LはV6で、最高出力280ps/6200rpm、最大トルク351kgm/4700rpm。パワーではエスティマが勝るが、トルクではMPVが勝っている。また、ターボのMPVのほうが低速域からトルクが立ち上がり、トルクフルな加速フィールなのである

MPVターボのエンジンは直列4気筒、2.3L直噴ターボ。最高出力245ps/5000rpm、最大トルク35.7kgm/2500rpmというスペック。エスティマの3.5LはV6で、最高出力280ps/6200rpm、最大トルク351kgm/4700rpm。パワーではエスティマが勝るが、トルクではMPVが勝っている。また、ターボのMPVのほうが低速域からトルクが立ち上がり、トルクフルな加速フィールなのである

スペック的にはエスティマは最高出力280馬力、最大トルク35.1kgm。MPVに対し馬力で勝ってトルクで負けているのだが、まさに、このエンジン特性が両車の動力性能の違いとなって表われたということだ。0~100km/hは高回転域を使った「伸び」でエスティマの勝ち、50~80km/hは中速域のトルクの「付き」でMPVの勝ち、ということだ。踏んだ瞬間に「ドン」とくるのは、意外なことにターボのMPVのほうなのだ。

ハンドリングはオデッセイと比べてどうなんだ!?

1685mmの全高、2950mmというロングホイールベースを感じさせない、キビキビしたフットワークがMPVの魅力。ステア操作に対するクルマの反応のよさが秀逸で、オデッセイよりもスポーティなハンドリング性能を見せつける

1685mmの全高、2950mmというロングホイールベースを感じさせない、キビキビしたフットワークがMPVの魅力。ステア操作に対するクルマの反応のよさが秀逸で、オデッセイよりもスポーティなハンドリング性能を見せつける

・ハンドリングはオデッセイと比べてどうなんだ!?ハンドリングのいいミニバンといって真っ先に名前が挙がるのがオデッセイだろう。確かにオデッセイのハンドリング性能はミニバンとしては秀逸。キビキビしたフットワークが味わえるのが魅力。MPVはといえば、オデッセイよりも車高が135mm高く、その分重心が高そうだし、ホイールベースもオデッセイよりも120mm長い2950mm。フットワーク面では不利な条件が重なっているように思うのだが……。ところが、乗ってみるとこれがビックリ!! 特にステアリング切り始めの反応がもの凄くシャープでノーズがビシビシ向きを変えてくれる。オデッセイは、ステアリングの切り始めからノーズが反応するのにワンテンポタイムラグを感じるのだが、MPVにはそれがない。試乗時は箱根の山道を走ったのだが、気がつくとけっこうなハイペースとなっていて、今運転しているのがミニバンだということを忘れてドライビングを楽しんでいる自分に気が付いた。車高が高いクルマだということをことさらに意識することはまったくなかったし、ホイールベースが2950mmもあるクルマとは思えない軽快なフットワークをみせてくれる。このあたり、いかにもマツダらしいハンドリングの演出だ。積極的に運転を楽しめるミニバンなのだ。

居住性はどうなんだ!?

オデッセイ オデッセイの2列目は前後スライドしない。広さは充分だが、やや着座位置が低く、圧迫感がある

オデッセイ オデッセイの2列目は前後スライドしない。広さは充分だが、やや着座位置が低く、圧迫感がある

・居住性はどうなんだ!?MPVの2列目シートはなかなかよく考えられていて、横にスライドすることでベンチシート的にも使えるし、独立型のキャプテンシートとして使うこともできるようになっている。このあたり、乗用タイプミニバンとしては一歩リードしている感じで、2列目シートの座り心地、居住性はオデッセイよりもエスティマと直接対決したほうがいいレベル。ヒンジタイプドアではなく、スライドドアを採用しているのもBOXタイプミニバン的だ。この2列目シートは前後に330mmのロングスライドが可能で、3列目シートを使わないときは目一杯後ろにスライドさせれば足もとスペースもゆったりで、まさにひとクラス上の居住性。さらに、「スーパーリラックスシート」と名づけられたこの2列目シートは、座面が大きくシートバックが高いため、非常に座り心地がいいのが自慢。オットマンが標準装備となっており、背もたれを深く倒してゆったりとくつろぐことができるようになっている。オットマンはエスティマの2列目シートにも採用されていて、これからのミニバンには欠かせないアイテムとなりそうだ。3列目はさすがにエスティマほどのゆったりスペースではないものの、2列目シートを、居住性を損なわない程度前にスライドさせればヒザが窮屈なことはなく、充分長距離ドライブも可能なレベル。なによりもうれしいのが背もたれの高さで、座ったときに乗員の肩口までをしっかりカバーする高さがあるため、ゆったりと3列目シートに座ることができるのだ。この点ではオデッセイを完全にリード。オデッセイの3列目は、背もたれの高さがやや足りないのがマイナスポイントとなる。

販売状況&MPVの販売状況

ミニバンとしては異例のターボエンジン搭載車となったMPV。ターボエンジンを搭載する23Tの価格は280万円。オデッセイアブソルート+7万円、エスティマ3.5Lアエラスよりも45万5000円も安い価格設定は魅力的だ。MPVの販売状況2月2日より発売が開始されたMPVだが、3月5日時点での受注台数は5500台と、まあ順調なすべり出しを見せている。この3月5日の時点では、実際に発売されているのはNAのFFのみで、ターボモデルは3月20日からの発売開始、さらに4WDは4月に入ってからの販売開始の予定となっている。5500台の受注台数のうち、ターボエンジン搭載の23Tが約30%を占めており、現車を見ないでの購入がこれだけ多いのは期待の大きさを示している。購入層は30~40歳代のファミリー層が中心とはなるが、50歳代のユーザーも多いとのことで、幅広いユーザー層となっている。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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