中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
魔法の乗り心地が復活!! アンチBMW、ベンツファンにシトロエン C6
感動の仕上がり

日本仕様は本革仕様のみの設定となる。シンプルでクリーンなインテリアに、重厚でシットリ落ちつくシートもシトロエンならでは。ステアリングは奇抜ではなく普通だ
【本記事は2006年12月にベストカーに掲載された記事となります。】いや、久々に感動した。このシトロエンC6の仕上がりぶりには、トラクシオン・アバンやDSを生みだした天才エンジニア、アンドレ・ルフェーブルもきっと満足することだろう。今から51年前の’55年。DSに採用されたハイドロニューマチックによるサスペンションの乗り心地に、当時の人は驚かされただろうが、51年の月日が経った今でも、同様に乗った人を驚かせてくれるに違いない。
驚くほどの乗り心地進化

フランスの大統領専用車だけに、後席の広さも充分。オプションのラウンジパッケージでは電動スライドシートとなる。このオプションは28万円高となる
かつて、DSに乗るチャンスはなかったが、廉価版のGSでその乗り心地に驚き、中古車を購入するほど気に入ったものだが、今回C6に乗って、あの時の感動が甦った。まさにハイドロニューマチックの完成型ともいえ、段差の乗り越え時、そのショックを身構えていても、スルッと通過し、まさに“魔法の乗り心地”的満足を味わえる。液体であるハイドロ、気体を意味する“ニュー”。それをスフェアと呼ばれる容器に押し込め、その液体である油を制御するシステムだが、電子制御を取り入れた乗り心地の進化は驚くべきものだった。
けして高くない価格

かつての名車、シトロエンDSを思わせるエクステリア。リアウィンドウは内側に湾曲しCXのようだ。シトロエンらしい個性だ
ハンドリングも軽快でふところが深く、とてもV6、3Lクラス(というか、日本車でいえばセンチュリーのような最高級サルーン)のアッパーミドルサルーンが走っているとは思えないほどのレベルで走る。もちろんシフトショックも少なく、すべてのタッチが上級で、これもひとつの高級なあり方だと気づかされた。低速でもプジョーと共通の3L V6、2946cc、V6はトルクも充分あるし215ps/30.6kgmの性能も満足できるものだ。ブレーキのタッチもいい。ベンツ、BMW、アウディの対極にある上質を味わえる一台として、エグゼクティブにぜひお薦めする。けして682万円という価格は高くないと思う。