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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
3列シートの7人乗り、最低地上高185mm!! それにしても大胆な四角だァ…… ミニバン×SUV=クロスロード 四角いボディの頼もしいヤツ
カクカクボディで個性プンプン!!

【本記事は2007年3月にベストカーに掲載された記事となります。】クロスロードの第一印象は「ウハ、カックイねぇ~」。“カッコイイ”ではなく、“カックイ”です。まぁ、とにかく直線、直線、スパッ、ズバッです。というわけで、撮影には四角い顔の面々に集まっていただいたわけでございます。どうでしょう、クロスロードとお歴々、どっちが「カックイ」でしょう!?ボディサイズは全長4285mm、全幅1755mm、全高1670mmでホイールベースは2700mm。最低地上高が185mmあって、ラフロードにも頼もしいSUVである。ただし、室内には3列シートが備えられていて7人乗り。そう、ミニバン的な要素も兼ね備えているのがポイントなのだ。クロスロードはSUVとミニバンのクロスオーバーカー。写真を見るとコンパクトに感じるかもしれないが、実車を前にするとけっこうボリューム感があるのにビックリ。全長は4285mmでCR-Vよりも235mmも短く、ベースとなっているストリームと比べると実に285mmも短いのに、だ。全幅が1755mmあるとはいえ、CR-Vはさらに広い1825mm。クロスロードが実際のサイズ以上にボリューム感を感じさせるのは、そう、四角いボディと1670mmある全高が「ワケ」なのだった。傾斜の緩やかなボンネットフードも高い位置にあり、ボリューム感をより強調している。低いボンネットを見馴れた目には、かなり新鮮な印象でした。シルエットは日産ラシーンにも似ているが、サイズ感は150%増量、といった印象だ。グイと張り出したオーバーフェンダーは、2Lモデルではボディ同色となるが、1.8Lモデルでは前後バンパー、サイドシルガーニッシュと合わせて樹脂むき出しのつや消しブラック。担当としてはつや消しブラックのほうがSUVらしいたくましさが感じられていいなぁ、と思うのですが、皆さん、いかがでしょう!? ちなみに1.8L車でも「スマートスタイルパッケージ」なるオプションを選択すると2Lと同じボディ同色にすることも可能です。

エンジンは2Lと1.8Lの2タイプ。ともにストリームに搭載されるエンジンと同じ。ミッションは全車5速ATとなっている
車種構成は2L(150馬力、19.4kgm)と1.8L(140馬力、17.7kgm)の2タイプのエンジンに、それぞれFFと4WDを設定。トランスミッションは全車5速ATとなっており、ストリームのようにCVTは設定されていない。これは、クロスロードはストリームと違って4WDがメインとなるため。ストリームではFF用にCVTが組み合わされる2Lエンジンでも、4WDとの組み合わせはもともと5ATとなっており、クロスロードではあえてFFにCVTを組み合わせることをしなかったため。ま、ボリューム感があるといっても全長、ホイールベースともにストリームよりも短いので、最小回転半径は5.3mとストリームの5.4mよりも小さく、取り回しはかなりいい。開発責任者の安木茂宏LPLは「タイヤの軌跡をあらわす最小回転半径より、実際にクルマの角が描く回転半径の小ささに自信があります。取り回しのよさは、ほかの3列シート車やSUVと比べても群を抜いていると思います」と自信満満。エクステリアデザインは徹底的に「角」にこだわっている。ボディラインはもちろんだが、例えば窓枠の形状は四隅を多角形にデザインしていて、「角」をイメージさせているし、リアコンビランプも四角いレンズで「角」をアピール。リアバンパーにも「角張り」を与えており、とにかく「角」。ヘッドライトだって最近の流行となっているツリ目ではなく、端正な長方形というこだわりよう。ちなみに◯は「白いのは携帯電話のようだ」と、言っておりました。
3列シートで7人乗りがクロスロードの魅力!!

3列シートのありがたみは「必要時」に痛感するのだ
クロスロードの魅力として絶対に外せないのが3列目シートの存在。正直言って3列目はストリームよりも狭くてエマージェンシーと割り切るべきもので、大人が2人座ってのロングドライブは「キツイ」と思うが、あるとないとでは大違い。子供を乗せるには充分なスペースだし、大人だって1人だったらなんとか我慢できそうだし、ええい、7人乗っちゃえ!! という状況でも、10分程度なら、ギリギリ我慢できるだろう。よくあるシチュエーションだが、家族5人にじーちゃんばーちゃんという7人で近くのレストランまで、ってな使い方なら充分OKでしょう。もちろん、3列目シートは使わない時は(というか、この状態が標準的だと思うけど)5対5の分割で前方に折りたたんで荷室となる。シートはワンタッチで収納でき、荷室は段差のないフラットなフロアとなるので、荷物の収納性もバッチリ。2列目シートも前方に折りたたむことができる(6対4の分割)ので、長尺モノや大荷物を積むことも可能。なかなかにユーティリティに富んだクルマなのでありました。
4駆と高い最低地上高でラフロードも安心!!

クロスロードにはFFも設定されているが、やはりメインは4WD。185mmの高い最低地上高を生かして、雪道や林道などのラフロードをグイグイ走るには、やっぱり4WDが頼もしい。最低地上高185mmというのはSUVとしては平均的。CRVも185mmだしハリアーも185mm、RAV4は5mm高い190mmだが、ま、大差なし。アウトランダーは4WDのみの設定という意地を見せて210mmと圧倒的な最低地上高を誇っているが、185mmは決してSUVを名乗るに不足はない数字なのである。ちなみに通常の乗用車の最低地上高は150mm前後、パジェロのような本格派4WDだと225mmあたりということになる。といったわけで、クロスロードはオフにも強いミニバン的SUVだ、ということがよーくご理解いただけたと思う。オフロード性能を示すアプローチアングル=23.9度、ランプブレークオーバーアングル=17度、デパーチャーアングル=35.8度は本格的なオフロードマシンにはかなわないけれど、普通のミニバンでは入っていけないところまで余裕を持って入り込める実力を持っている。クロスロードに採用される4WDはCR-Vで高い評価を得ているワンウェイカムを組み合わせた「新リアルタイム4WD」システムを採用。これは、ホンダ独自のデュアルポンプ式4WDをベースとしながら、前輪のスリップにハイレスポンスで対応するワンウェイカムが瞬時にトルクをリアタイヤに分配。レスポンス、効きともに格段に向上しているのだ。「デュアルポンプ4WDはレスポンスが悪くてさぁ」と辛口の評価をしていた評論家諸氏も、CR-Vの4WDは高く評価している。同じシステムを採用するクロスロードの4WDにも期待が持てる。また、4WDモデルはCR-V同様VSAが標準装備となっている点も見逃せない。価格は20Xiの4WDが291万9000円、20X・4WD=248万8500円、18X・4WD=225万7500円、18L・FF=193万2000円となっている。18Xは4WDのみ、そして18LはFFのみの設定となるが、2モデルにはFFの設定もある。
CHECK POINT(1) SUVとしての4WD性能はどうなの?

このシステムは昨年10月にデビューしたCR-Vにも採用されている。雪道での走りでも高い4WD性能を実証している
クロスロードに採用される4WDはデュアルポンプ式4WDをベースにワンウェイカムを組み合わせた「新リアルタイム4WD」。さらにVSAが組み合わされ(標準装備)、高いトラクション性能を発揮する。これは先に登場したCR-Vにも採用されるシステムで、前後輪の回転差を感知すると、ワンウェイカムが作動。後輪へのトルク配分を瞬時に開始し、4WDのトラクションを発揮。さらに大きな駆動力が必要な状況では油圧の力でメインクラッチを作動させ、リアタイヤへの駆動配分を大きくする。VSAが組み合わされることで高い安定性を確保するのが特徴。
CHECK POINT(2) こんなにコンパクトでサードシートの居住性は大丈夫なの?

主要諸元
クロスロードの全長は4285mmで、ベースになったストリームに対して285mmも短い上に、ホイールベースも40mm短い2700mm。このコンパクトなボディに3列シートを押し込んでいるので、あくまでもサードシートはエマージェンシーと割り切ったほうがいいだろう。サードシートは大人が座るにはギリギリ。ちょっとした移動程度だったら充分だが、ある程度距離を走るとなると、正直キツイだろう。でも、サードシートは「ある」ことに意義があるのだ。そのありがたみは、「使う」時に感じるハズ。