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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
トヨタの5ナンバーサイズ堅持兄弟 NEWプレミオ NEWアリオン 新2枚看板誕生!!
見よ、このアリオンのスポーティな面がまえ!
【本記事は2007年7月にベストカーに掲載された記事となります。】コロナ、カリーナというトヨタを支え続けた名セダンの後継としてプレミオ/アリオンが登場したのが、2001年12月。上質なデザインと広い室内、そして優れた走行性能を持つ両車は、ユーザーから着実な支持を集め、登場から6年半近く経過した’07年4月においても、それぞれ月に2000台弱販売するなど、根強い人気を誇った。そのプレミオ/アリオンが6月4日、ついにFMCを受けた。目指したのは、「5ナンバーセダンの完成形」。
ハッキリと分けられた新型のキャラクター
左からベルタ、カローラアクシオ、カムリ、マークX、プレミオ、アリオン。プレミオ/アリオンの存在感はクラスを越えている
先代プレミオ/アリオンは洗練されたデザインを持っていた。が、両車の外観上の差を明確に述べることは、どちらかのオーナーでもないかぎり、かなり難しいだろう。ヘッドライト、グリル、バンパーのデザインなどを変更していたものの、全体的な雰囲気は、かなり共通していたからだ。しかし、2代目プレミオ/アリオンは写真のとおり、明確なキャラクター分けを行なってきた。つまりプレミオはよりラグジュアリーに、アリオンは一気にスポーティ路線に変更を図って登場してきた。特にアリオンのエクステリアは直線的なヘッドライトやボリューム感のあるバンパーとあいまって、非常にスポーティで若若しい。先代モデルは購入客の40%以上が65歳以上であった(’07年時)というが、この2代目ならば、ユーザー層の若返りがおおいに期待できる。それでは初代よりラグジュアリー感を強めた2代目プレミオは、さらにユーザーの年齢層が上がってしまうのかというと、そうとも考えられない。これはぜひ実車を見て感じてほしいのだが、実際見るとイイのだ、雰囲気が。担当は30代前半だが、実はプレミオのほうが気に入ってしまった。もし20~30代の方でプレミオ/アリオンの購入を考えている人は、ぜひ両車とも実車を見てから決めてほしい。アリオンのスタイリングは写真のとおりだが、プレミオは写真では伝わりづらい雰囲気を持っている。
5ナンバーを維持したトヨタの英断に喝采を!
新型プレミオの全長、全幅は4600mm、1695mm。いっぽうアリオンの全長、全幅は4565mm、1695mm。両車とも全高を除き(全高は+5mm)、先代モデルとまったく同じボディサイズを維持している。つまり5ナンバーサイズだ。多くのクルマがボディを肥大させ3ナンバー化していくなかでの5ナンバーサイズ維持は評価できる。日本の道はそんなに広くない。また、プレミオ/アリオンが5ナンバーサイズを堅持してモデルチェンジしたことは、トヨタのセダンがベルタからクラウンまで、明確なヒエラルキーを保ったまま、さらに強固なラインアップとなったことを意味する。事実、プレミオ/アリオンはそれだけの魅力を持っている。
男性的でかつ上質感のある室内。 ミニバンばかりが車じゃないぜ!!
プレミオ、グレージュ内装のシート。フロントシートはフルフラットもこなす
ボディサイズそのままに室内空間は大幅に拡大新型プレミオ/アリオンのボディサイズが先代と変わらない5ナンバーサイズであることは先ほども述べたが、室内空間は大きく進歩している。室内長2055mm、室内幅1450mm、室内高1205mmというサイズは、先代より室内長で+80mm、室内幅で+55mm、室内高で+15mm拡大されており、これは3ナンバーサイズであった110系マークIIより室内長、室内高で勝る数値。事実、170cmと日本人としては平均的な身長を持つ編集部員が後席に座っても膝元には充分余裕があった。また、5ナンバーセダンの完成形を目指したというだけに、プレミオ/アリオンの内装はクラスを超えた上質感が与えられている。インパネデザインは、ライバルとなるシルフィが柔和で女性的な印象を感じさせるのに対し、プレミオ/アリオンは写真のように男性的な雰囲気を演出。特徴はトヨタ初となる、つや消し木目調オーナメント。本物の木目の質感にこだわったというだけあり、質感の向上に大きく貢献している。この木目調オーナメント、プレミオ/アリオンともグレードによってミディアムブラウンとライトブラウンの2色が用意されているが、個人的にはライトブラウンのほうがクルマの雰囲気にマッチしているように感じた。さらにタコメーターとスピードメーターの間にはマルチインフォメーションディスプレイを全車標準装備。平均燃費や瞬間燃費、航続可能距離などが見やすく表示され、しかも安っぽくないのが好印象だった。
ミニバンもビックリのシートアレンジ。ユーティリティ抜群
トランクはノーマル状態で491L。シート前倒しで1700mmの荷室長が得られる
シートもインパネ部同様、明るめのグレージュと、ダークグレーの2色がグレードによって用意されている。座り心地が向上したフロントシートも白眉だが、特筆すべきはリアシート。リクライニング機構やシートバック前倒し機構は、先代より踏襲された装備だが、ヘッドレストを外さずにシートバックを倒せるなどユーティリティが大きく向上した。リクライニングやシートバック前倒し機構はシルフィやカローラにはなく(カローラはLUXELに前倒し機構装備)、この点でもライバルを大きく引き離している。装備面でもスマートエントリー&スタートシステムが全車に標準装備されるほか、バックモニターが1.5L、1.8Lのベースグレードを除くすべてに標準装備されるなど、充実している印象が強い。室内の完成度は5ナンバーセダン一と言っても過言ではないだろう。
用意されるのは3種類のエンジン
主要諸元
このスペース効率に優れたコンパクトなボディに搭載されるのは2L(今冬発売)、1.8L、1.5Lの3種のエンジン。今年の冬に投入予定の、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、吸気バルブ自体で開閉量とリフト量を自動制御する「バルブマチック機構」採用の2Lエンジンにやはり目がいくが、1.8L、1.5Lエンジンも性能的には充分。シルフィの1.5Lと比較するとパワーは同等だが、燃費はシルフィ=16.6km/L、プレミオ=18.0km/Lと圧勝しているのだ。当然2Lエンジンは珠玉のデキ。10・15モード燃費の値こそ15.6km/Lとシルフィの2Lモデルより0.4km/Lほど負けているが、シルフィの133ps/19.5kgmに対し、158ps/20.0kgmと、特に最高出力で大きく差をつけている。これら3つのエンジンに組み合わされるミッションは、すべて「スーパーCVT-i」。従来のCVTより、アクセル操作に対するレスポンスなどが向上されており、このへんも1.5Lモデルが4ATのシルフィに比べ有利といえる(2LモデルはCVT)外観、内装、そして装備。すべてにおいて新しい価値感を感じさせる新型プレミオ/アリオン。間違いなく5ナンバーセダンの完成形に到達したといえるだろう。