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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

2Lエンジン最強パワー発揮 308馬力、43.0kgmに進化!! インプレッサWRX STIこれがスバルの回答

インプレッサSTIvsランエボXどっちが凄い? スペック比較

【本記事は2007年11月にベストカーに掲載された記事となります。】インプレッサSTIvsランエボXどっちが凄い? スペック比較10月24日にデビューしたインプレッサSTI。日本の2Lエンジン車としては初のオーバー300馬力となる308馬力エンジンを搭載しての登場となった。これはちょっと衝撃的。最大のライバル、先にデビューしたランサーエボリューションXの最高出力は280馬力。最大トルクは両車同じ43.0kgmだが、最高出力は28馬力の差がついた。インプレッサは新開発の5ドアボディを採用することと、コンベンショナルな6MT採用ということで車重を1480kgに抑えているのに対し、ややボディが大きくなったうえ、ツインクラッチSSTを搭載するランエボXの車重は1540kgとやや重く、パワーウェイトレシオ、トルクウェイトレシオの数値ではインプレッサ優勢となる。さてさて新型インプレッサSTIの「進化」はどこがポイントなのか? 徹底的に解剖したい。ランエボvsインプレッサの行方はどうなる!?

インプSTIにはランエボXのような飛び道具はないけれど……

ブレーキはSTIが開発したフロント対向4ポッドブレーキシステムを採用する。高い剛性とカッチリしたブレーキタッチを実現する

ブレーキはSTIが開発したフロント対向4ポッドブレーキシステムを採用する。高い剛性とカッチリしたブレーキタッチを実現する

インプSTIにはランエボXのような飛び道具はないけれど……まず最初にハッキリさせておきたいのだが、ツインクラッチSSTやS-AWCなどといった先進的電子制御メカニズム満載のランサーエボリューションXに対してインプレッサSTIはきわめてシンプル。そういった“飛び道具”的なメカは採用されていない。トランスミッションは従来型から受け継がれる6速MTのみの設定だし、4WDシステムはDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)を軸としたフルタイム4WD方式で、前後トルク配分や左右輪トルク移動などのメカニズムは搭載されていない。「三菱がランエボXにさまざまな先進メカを投入してくることは当然我々もわかっていました。でも、あえてインプレッサSTIは素性のよさで勝負することを決断しました。乗って、走らせていただければ、私たちの言っていることがわかっていただけると思っております」インプレッサSTIの開発チームを率いる森宏志氏は言う。つまり、新型インプSTIは、このSTIモデルの設定を前提に決定されたインプレッサ用新開発プラットフォームをベースに、さらにSTIモデル用に磨き上げられたサスペンション、エンジン、ブレーキなどを搭載し、高い次元でパッケージがまとめ上げられている、という自信の表われだ。

走りを追求した結果のボディパッケージ

ホイールベースは2625mmで、これはWRCという。オーバーハングは特にリアが大幅に切り詰められているのチームとの協議のうえ決定されたものだが特徴的

ホイールベースは2625mmで、これはWRCという。オーバーハングは特にリアが大幅に切り詰められているのチームとの協議のうえ決定されたものだが特徴的

・走りを追求した結果のボディパッケージホイールベース2625mm。ノーマルインプレッサよりも5mm長くなっているが、このホイールベースは開発チームがWRCを戦うSWTと度重なる協議のうえ決定された数値なのだ。従来の2540mmというホイールベースでは、今のハイスピード化されたWRCでは、基本スタビリティが不足し、戦闘力がどうしても高められなかったのだという。そのために必要だったのが2620mm前後のホイールベースだったというわけだ。さらに運動性能を向上させるために不可欠だったのが前後オーバーハングの縮小。特にリアオーバーハングを切り詰めることが求められた。2620mm前後のホイールベースと前後オーバーハングの切り詰めを両立させると、ボディは必然的に5ドアハッチバック形状となった……、というのが新型インプSTIが5ドアボディのみとなったことの最大の理由なのだ。実際、フロントオーバーハングは旧型4ドアセダンよりも15mm短縮され、リアオーバーハングは120mmも短縮されている。4ドアセダンでは、ここまで大胆にリアオーバーハングを切り詰めることは不可能だった。ボディサイズは全長4415mm、全幅1795mm、全高1475mm。5月に登場したノーマルタイプのインプレッサに対し、全長、全高は変わらないが、全幅は実に55mmも拡大されているのがポイント。これは言うまでもないが、30mm以上拡大された前後トレッド、そして245/40R18というファットタイヤを収めるために前後フェンダーがブリスター化されているため。これにより、マッシブで力強いフォルムとなっている。また、前後ともにゼロリフトを実現する空力ボディでもある。

2L初のオーバー280馬力エンジンに進化!!

2Lエンジンとしては初めて280馬力を突破し、最高出力308馬力を発揮するインプSTIのエンジン。最大トルクは従来型同様43.0kgmだが、左のグラフからもわかるように2400回転あたりからほぼ最大トルクに達する

2Lエンジンとしては初めて280馬力を突破し、最高出力308馬力を発揮するインプSTIのエンジン。最大トルクは従来型同様43.0kgmだが、左のグラフからもわかるように2400回転あたりからほぼ最大トルクに達する

・2L初のオーバー280馬力エンジンに進化!!エンジンはEJ20型で、これはインプレッサSTIが伝統的に搭載するエンジン。もちろん水平対向4気筒だ。デュアルAVCS(吸排気バルブタイミングコントロール)、吸排気ポート形状の見直し、等長等爆エキゾーストシステムなどの採用、チューニングの見直しなど、エンジン本体の進化に加え、インタークーラーの容量アップ、ツインスクロールターボのコンプレッサー形状の最適化などにより、最高出力は308馬力を実現。2Lエンジンとしては初の280馬力突破で、言うまでもなく国内最強の2Lエンジンだ。最大トルクは43.0kgmで旧型と変わらないが、2400回転で最大トルクの約90%を発揮し、4400回転で最大トルクを発生する、フレキシブルなエンジンに進化していることも見逃せない。全域でトルクは向上しているというから、実際に走らせればより力強い走りを味わうことができるだろう。このエンジンにレガシィでおなじみのSI-DRIVEが追加されたのがポイント。「I」、「S」、「S♯」の3つのモードを任意に選択することができ、「I」モードではトルクの立ち上がりを緩やかにし、ドライバビリティを高めるとともに燃費も10%程度向上する。インプSTIとはいえ、常にポテンシャルを100%発揮する必要はなく、燃費にも気を遣った走りをする場合に便利なモードだ。また、センターデフのロック率を制御するDCCDだが、オートモードの制御がより高度に進化し、路面状況や走り方に応じた3段階の設定が可能。より高次元の走りに対応する。また、STIモデルとしては初のVDC(スタビリティコントロール)が装着されたのも特筆ポイント。ただし、完全オフモードが選択できるのがSTIモデルらしいところだ。

走りと同時に全身レベルアップ! 今度のSTIはインテリアの質感もアップ

ブラック基調のインテリアは、インパネの素材やドアトリムの表皮素材など、これまでのインプSTIと比べて圧倒的に質感が向上している

ブラック基調のインテリアは、インパネの素材やドアトリムの表皮素材など、これまでのインプSTIと比べて圧倒的に質感が向上している

走りと同時に全身レベルアップ! 今度のSTIはインテリアの質感もアップ新型インプレッサSTIは、究極のハイパフォーマンススポーツモデルであると同時に、スバルの走りのトップモデルとして内外装の質感のレベルアップも意識して開発されている。インテリアは柔軟素材を使ったインパネをはじめ、質感の高いドアトリム表皮を採用するなど、これまでのインプレッサSTIと比べるまでもなく、上質さを実感できるものとなる。インテリアはブラック基調のカラーとなっており、スポーティなムードがプンプン。ステアリングセンターやシートバック、センターコンソールにはチェリーレッドの「STI」エンブレムが輝き、特別なクルマ感を高めている。メーターは3眼タイプのメーターを採用するが、センターの一番大きなメーターがタコメーターに割り当てられているのがSTIらしいところ。照明はオレンジに輝き、スポーティな雰囲気を高める。シートは標準装着されるものはアルカンターラ&本革コンビのスポーツバケットシート(これも充分高いホールド性を発揮してくれそうな形状)だが、オプションでレカロ製バケットシートを装着することも可能(15万7500円)。さらにスポーツ性を高めた形状に加え、ハイトアジャスターによりヒップポイントを10mm低くすることが可能で、より重心を低くすることができる。表皮はアルカンターラ&本革のコンビで標準装着シートよりも肌触りはなめらかでした。新型インプレッサSTIは基本ワングレードの設定で価格は365万4000円(旧型比25万2000円アップ)となってといるが、タイヤ/ホイールで何タイプかのオプションが用意されている。例えば標準は18インチタイヤだが、17インチタイヤ仕様も設定されており、こちらは344万4000円となり、標準車よりも21万円安くなる。また、18インチBBS鍛造ホイールを装着するとレカロシートとのセットオプションとなり402万1500円となる。また、STIとはいえ、オーディオ、カーナビは今や必要不可欠。オーディオ一体型HDDナビが28万3500円プラスでオプション設定されている。

インプSTIにも『SI-DRIVE』採用普段は『牙』を隠すのだ!!

SI-DRIVEの操作ダイヤルはシフトレバー後方に配置される。「I」モードでも最終的には最大トルクを発揮するのはSTIモデルのプライドか

SI-DRIVEの操作ダイヤルはシフトレバー後方に配置される。「I」モードでも最終的には最大トルクを発揮するのはSTIモデルのプライドか

インプSTIにも『SI-DRIVE』採用普段は『牙』を隠すのだ!!昨年マイチェンされたレガシィで初採用されたSI-DRIVE。センターコンソールに設置されたコントロールダイヤルでエンジン制御モードを「I」、「S」、「S♯」の3段階にドライバーが任意に設定できるシステムだ。パフォーマンスが自慢のSTIでなぜ!? との意見もあろうが、なにも常にパフォーマンスを100%発揮させる必要があるわけではない。むしろ、パフォーマンスがより高まったぶん、普段の走行シーンでは落ち着いた走りを求める場面も出てくるだろう。もっともパフォーマンスを抑える「I」モードでは燃費が10%程度向上するというメリットもある。ただ、レガシィと違うのは、たとえ「I」モードを選択していたとしても、アクセルを深く踏み続けることでスロットルは全開となり、43.0kgmの最大トルクをキッチリ発揮するということ。高速道路巡航中にインターチェンジでの合流など、急加速が必要になったような場面でも、STIらしい動力性能を発揮することができるのだ。「S♯」モードではSTIのパフォーマンスをタップリ味わえる。

DCCDの制御がさらに緻密に進化した

DCCDの制御がさらに緻密に進化した

DCCDの制御がさらに緻密に進化した

DCCDの制御がさらに緻密に進化した従来はマニュアル設定とオートモードのみだったDCCDだが、新型STIではオートを3タイプのモードに分け、路面状況やドライブスタイルに合わせてよりマッチしたセンターデフコントロールを選択できるようになっている。「AUTO」ではあらゆる路面をカバーするオールラウンドな制御となるが新設された「AUTO+」モードではトラクション重視でセンターデフのロック制御を強くする方向でコントロール。ウェット路やダート、スノーロードなどの低ミュー路に適したモードとなる。いっぽう「AUTO-」はセンターデフのロックを弱めに制御することでハンドリング性能を重視し、フットワークのいい走りを重視したコントロールをする。サーキットなどの高ミュー路向けのモードとなる。このほか、従来同様マニュアル操作でセンターデフのロック率を6段階に設定できる機能も持っている。

新井敏弘NEWインプレッサを語る

新井敏弘NEWインプレッサを語る実は市販モデルにはまだ乗っていないんです。でも、スペックやディメンションを見ると、新しいSTIは、相当期待できますね。5ドアハッチにしたことで特にリアのオーバーハングが短くなっている。これがフットワークに好影響を与えることは容易にわかります。さらに、リアサスの変更により、ロールセンターが高くなっています。旧型はリアのロールセンターが低く、限界付近でピーキーな挙動の傾向があったんですが、新型ではリアの追従性が向上し、挙動が大きく改善され扱いやすくなっているはず。誰が乗ってもファン・トゥ・ドライブが高い次元で楽しめるハズです。

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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