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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
ホンダ NEWフィットdebut!! 変わっていないようで実は大変身 これぞ正常進化だ!
2代目へと進化したフィット

コンパクトカーNo.1を奪還する、と福井社長は強気の姿勢
【本記事は2007年11月にベストカーに掲載された記事となります。】フィットは2001年6月のデビュー以来、大ヒットコンパクトカーの座をキープ。6年間で日本国内だけでも96万2000台を販売。低床フラットフロアを採用し、革新的ともいえるセンタータンクレイアウトを採用することで、小さいボディにもかかわらず、余裕のある室内スペースを確保することに成功。コンパクトカーの革命児的存在となった。さて、大ヒット車の2代目は難しいといわれているが、フィットは10月18日、2代目へと進化した(発売は26日から)。ボディサイズは全長3900mm、全幅1695mm、全高1525mmで、全長は旧型に対して実に55mmも長くなっている。全幅も旧型は1675mmだったので20mmのプラス。全高に変化はないけれど、パッと見て新型はボディに張りがあってボリューム感を感じさせている。Aピラーの取り付け位置が旧型よりもグンと前に出ており、エンジンフードから直線的にAピラーに繋がるラインとなっており、モノフォルム感を強調したシルエットとなっているのが特徴的。ホイールベースは旧型よりも50mm長い2500mmとなっている。
さらに使い勝手を増した室内空間

フロントシートはアコード用シートの骨格を使っており、サイズはゆったり。リアシートも大型で座り心地は良好
・さらに使い勝手を増した室内空間フィットの大きな魅力として使い勝手に優れ、広さに余裕のある室内空間があげられる。新型フィットでも、基本となるのは初代フィットで開発されたセンタータンクレイアウトによる低床フラットフロアで、新型フィットにももちろん継承。室内に入って真っ先に驚かされるのがシートの豪華さ。特にフロントシートはサイズが大きく肉厚で、これまでに比べて2クラスも3クラスも上質、と思ったら、なるほど、骨格はアコード用シートと同等なのだという。実際に座っても、「これがコンパクトカーのシートですか!?」と改めてビックリ。しっかりと身体全体を包み込むようなシートサイズで、クッションの肉厚もタップリあるので座り心地も快適。シートバックの高さも充分だし、座面の前後長もタップリ取ってあるのでゆったりと座ることができ、このシートなら、高速道路を使ったロングドライブでも苦になることはないだろう。また、リアシートも肉厚が厚く、シート全体が大柄で余裕タップリの作りとなっている。実際、左右座面幅が20mm、座面奥行きが15mm大きくなっており、クッション厚も10mm厚くなっており、座り心地は旧型から格段によくなっている。コンパクトカーのリアシートは、シートバックの高さが低く、肩の位置がシートバックより高くなってしまうケースが多いのだが、新型フィットでは、普通に座れば肩はシートバックに収まり、安定した着座姿勢をとることができる。リアシートの収納など、シートアレンジの自由度を持たせるため、ボディの小さいコンパクトカーではリアシートの着座感に関しては、ある程度の犠牲はやむを得ないのも事実だが、やっぱりリアシートがしっかりしていると、使い勝手の幅が広がる。
シートアレンジは自由自在

シートアレンジは自由自在 ユーティリティモード 多彩なシートアレンジがフィットの魅力。リアシートのダイブダウンは荷室からワンアクションで可能。簡単にユーティリティモードにすることができる。また、この状態からの復帰はシートバックを起こすだけ。助手席を前倒しさせれば2400mmの長モノも積載可能となるロングモード。高さ1280mmも積載可能
さて、フィットといえばリアシートのアレンジなのだが、新型にもキッチリ受け継がれており、使い勝手、居住性ともにさらに進化している。実際の使い勝手の中で「これは便利だ」と思えるのが、ワンアクションでのリアシートのダイブダウン。これは、フロントシートがどのポジションにあっても、リアシートのレバー操作のみで一気にダイブダウンができるもので、例えば大きな荷物を持って、リアゲートからワンアクションでリアシートのダイブダウンができるので、超便利。これは、ホイールベースの拡大による前後席間距離の拡大や、リアシートの埋め込み式ヘッドレストの採用などにより実現したもの。ダイブダウン状態からの復帰も、リアシートのシートバックを引き起こすだけで完了するという手軽さ。旧型フィットでは、ダイブダウンしたリアシートを引き起こすと、そのまま座面も一緒に引き起こされてしまい(これはトールモードと呼ばれるシートアレンジ)、改めて座面をセットしなければならなかったが、これがワンアクションとなった。室内長は旧型の1835mmから1825mmに10mm短くなっているが、これは、カタログスペックの「室内長」はインパネ最後端部からリアシートの背もたれ後端までの距離を計測するため。新型フィットはホイールベースの延長などで足元スペースは実際に長くなっているが、この部分は室内長には含まれない。
新開発の1.3Lと1.5Lを搭載

標準タイプともいえる1.3Lのエクステリアはこれです
・新開発の1.3Lと1.5Lを搭載エンジンは直列4気筒のSOHC i-VTECで、1.3Lと1.5Lの2つの排気量をラインアップする点は旧型と同じだが、エンジンが新開発のものに一新された。1.3Lは、旧型では独自の位相点火方式を採用したi-DSIと呼ばれるエンジンを搭載していたが、新エンジンは特にそういった「仕掛け」はない。i-DSIは燃費向上に大きな効果を発揮したのだが、新型ではエンジンの改良とともにCVTの改良などもあり、旧型と同じ10・15モード燃費24.0km/Lを実現している。しかも、旧型のi-DSIエンジンよりも最高出力が14馬力アップの100馬力、最大トルクは1kgmアップの14.1kgmとパフォーマンスもアップしている。実際にプロトタイプに試乗した人も「旧型よりも全体的にパワフルだし、高回転まで気持ちよく吹け上がり、走りが気持ちいい」と評価している。また、1.5Lエンジンは最高出力120馬力、最大トルク14.8kgmを発揮し、フィットのボディを軽々と活発に走らせる。1.5Lには5MT仕様の設定もあり、スポーティな走りを楽しむことができる。CVTの改良もポイント。従来、ホンダマルチマチックと呼ばれる独自の電子制御クラッチを併用したCVTを採用していたが、新型フィットではトルクコンバーターを組み合わせた新開発CVTを採用。トルコン効果による発進時のトルク増大により、全体的にギアレシオをハイギアード化。これにより、スムーズな発進と巡航時の燃費向上を果たしている。
価格はほぼ据え置き

1.5Lエンジン搭載車は「RS」となり、フロントバンパー、グリルのデザインが異る
・価格はほぼ据え置き新型フィットには1.3Lにベースグレードとなる「G」と上級グレードの「L」、1.5Lに「RS」の3タイプのグレードが設定されているが、Gが119万7000円、Lが134万4000円、RSのCVTが157万5000円で、価格は旧型からほぼ据え置きとなる。RSの5MT仕様は178万5000円と高くなるが、これはVSAが標準装備となるほか、16インチアルミ、リアディスクブレーキ、ディスチャージヘッドランプなどが標準装備となるためだ。5MTは、スポーティ派のための、ちょっと「特別な」存在として位置づけられる。
CHECK POINT NEWフィット登場でコンパクトカーの勢力図はこう変わる!

フィットに追いつけ追い越せと、次々とデビューしてきたライバルとの力関係がどのように変化するのか!?・価格フィットの価格は最も安い1.3Gが119万7000円、1.3Lの上級グレード1.3Lが134万4000円となる。Gは最廉価グレードとはいえ、マニュアルエアコン、両席エアバッグ、キーレスエントリーシステムなどは標準装備となっており、決して装備が貧弱ということはない。ただ、新型フィットは全グレードでオーディオ類、カーナビなどはオプション装備となっているので、CD付きラジオを装着すると、プラス3万円程度必要。同じ1.3Lを中心としたデミオは、最も安い13Fが112万5000円とお買い得な価格設定となっているものの、装備を大幅に簡略化した受注生産モデルとなっており、事実上の最廉価グレードは120万円の13Cと考えたい。こちらもマニュアルエアコンや両席エアバッグ、キーレスエントリーなどが標準装備となっているのに加え、CD付きラジオが標準装備となっており、フィットよりも事実上の価格は安くなる。ただ、デミオはタコメーターがオプションとなるなど、基本装備の簡素化が徹底されており、トータルで考えると、フィットのほうがややお買い得と判断できる。ヴィッツは1.3Lだと123万9000円からの価格設定となり、中心グレードの13Uだと140万7000円。これだとフィットLが134万4000円でオーディオを付けても140万円を切るのでフィットがお買い得。・燃費シリーズ中、もっとも燃費がいいグレードを用意しているのがフィット。10・15モード燃費24.0km/Lは旧型フィットと同等だが、実燃費は1.5Lが5%アップ、1.3Lは9%アップとホンダは説明する。ただし、フィットも車重が20kg重い「L」になると21.5km/Lになるので要注意。これに迫るのがデミオの13C-Vの23.0km/L。燃費スペシャルともいえるミラーサイクル+CVTでマークする燃費で、ノーマルエンジン+4ATを搭載するグレードでは21.0km/Lとなっている。スイフトも頑張っているが1.2Lで20.5km/Lだとちょっと説得力が弱い。ヴィッツの1.3Lは19.6km/Lと10・15モードでは劣るものの、実燃費のよさには定評があるので、これは気になるところ。・シートアレンジ/ユーティリティこれはフィットの得意分野で、まさに独壇場。まず、フロントシートのサイズがアコードと同等でゆったりしており、これはコンパクトカーとしてはダントツのゆとり。リアシートもクッションの厚さやシートバックの高さなどで他車を凌駕する。また、シートアレンジに関しては、ワンタッチダイブダウンリアシートや、座面を跳ね上げたトールモードの設定など、他車にはない使い勝手で一歩リードする。
NEWフィット 走りのよさも実証ずみ!

NEWフィット 走りのよさも実証ずみ! ハンドリングのよさ、乗り心地のよさなど新型フィットはコンパクトカーの次元を超えたといってもいいほど
NEWフィット 走りのよさも実証ずみ!「走り出すとすぐに車格が2ランクほど上がったことに気づかされる。なによりも乗り心地が上質なのがいい。旧型はちょっと突っ張るような乗り心地だったのだが、新型はしなやかにサスペンションがよく動いてくれる。旧型ではリアが跳ねちゃうような大きなギャップでも、新型だったらストロークしながら吸収してくれる。同時に、悪路での乗り心地も格段によくなっている」と新型フィットを絶賛するのは国沢光宏氏。「ハンドリング性能に関しては、コンパクトカーでダンゼントップでしょう。また、室内の質感の高さも旧型から格段に向上。特にアコードのシートフレームを使ったというフロントシートは座り心地がよく、コンパクトカーとは思えぬほど。ただ、1.3Lエンジンに関しては、燃費向上のためか、ギリギリまで点火の時期を進角しており、チリチリとノッキング音が出るのが気になった。もちろん、エンジニアに聞けば問題ない範囲でコントロールしているというのだが、やっぱり気になってしまう。ただし、エンジンのパフォーマンス自体に不満はない。CVTがトルコンタイプとなったこともあり、スタートはスムーズだし、高回転の伸びもよく、動力性能は向上している」と国沢氏。竹平氏も「ハンドリングのよさはコンパクトカーのなかではダントツトップ。150km/h以上でのスタビリティも高く、乗り心地もいいし、エンジンは特に1.3Lが元気になって質感も向上した」と大絶賛。