トヨタの四角いカローラ ルミオンかなりそそります！！

【本記事は2007年12月にベストカーに掲載された記事となります。】思わずカローラルミオンを見て「クルマはやっぱり四角いのがいいな」と思ってしまいました。デカbBと言われただけあって、確かに四角くデカイが外観のデザインは2代目の現行bBより、カローラルミオンのほうが初代に近い。北米ではサイオンxBとして売られ、つまりこれも2代目bB。日本版は過度に若年層を意識してアクを強めたが、北米版は初代の路線で素直に進化させた。意外にも日本市場に合ったツール感覚が漂い、カローラルミオンのほうが四角くてカッコイイと思う。

ボディは噂どおり相当に大柄で、全幅は共通のプラットフォームを使うオーリスと同じく1760mmに達する。日本版bBより70mm広い。全長は4210mmに収まるが、それでもbBに対してプラス425mmだ。ホイールベースも60mm長く、オーリスと同じ2600mmになる。このようにカローラルミオンのボディは、bBよりふたまわりくらいデカイ。とまあイチャモンを付ける部分はあるがメリットも多い。筆頭は室内の広さだ。ワイドで角張ったボディだからスペース効率は抜群。全高もミニバン並みの1630mmだ。身長170cmの乗員が座って、頭上の空間は前後のシートとも握りコブシ2つぶんもある。室内幅も広く、2名が並んで座っても互いの肩が接近しない。

リアシートの足元空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る同乗者の膝前空間は握りコブシ2つ以上。しかも着座位置が高めで、フロントシートの下に足が収まる。前後のシートとも居住性はLサイズミニバン並みだ。注意したいのはリアシートの座り心地。シートは大きいが、体の沈み込みが少なくボリューム感に欠ける。試乗した1.5G／1.8Sではリアシートの下に収納ボックスが付き、座面を持ち上げる機能まで設けたから座面の沈み方が不足した。この機能を持たない1.5Xなら、座り心地が多少は向上する。カローラルミオンは、子供が成長してミニバンの必要がなくなった中高年齢層に受けそうだ。2列シートで充分だが、今さら窮屈なセダンには戻れない。そこでカローラルミオンだ。そうなると、リアシートには子供ではなく友人を座らせる。相応にもてなしたいし、見栄も張りたい。ファミリーカーではないからこそ、リアシートが重要になる。座り心地には、もう少し手を加えたほうが良い。

いっぽう、フロントシートは快適。サイズが充分にあり、座面もしなやか。ボリューム感のある座り心地となった。つまりドライバーには快適なクルマで、それは走行性能にも当てはまる。このプラットフォームはマークXジオやエスティマなどV6エンジン搭載車にも使われ、剛性が高い。ワイドなトレッドと相まって走行安定性に優れ、特に後輪が踏ん張る。ボディ剛性の高さは乗り心地にもきき、特に1.5L（110ps）は快適だ。1.8L（138ps）はサスペンションが少し硬めの設定で、メーカーオプションの16インチタイヤを履くと若干バタバタする。動力性能は、1200kgを軽く超える車両重量とのバランスからいえば1.8Lがベスト。しかし、1.5LもCVTでパワーを有効活用している。峠道や高速道路の登坂路を除けば不満はない。そして乗り心地のバランスは1.8L以上だ。ちなみに装備の違いを差し引いて300cc分の価格換算を計算すると約9万円。このレートは平均的だが、1.8Lは安価なSでも195万円になる。2Lのギャランフォルティススーパーエクシードより高い。

こういった点を総合的に判断すると、ベストグレードはオートエアコンやCDオーディオを標準装着した178万円の1.5Gだ。サイド＆カーテンエアバッグも全車に付くから、ほかのコンパクトカーに比べて10万円程度の上乗せで、圧倒的に広い室内と存在感のあるボディが手に入る。視界や取りまわし性に不満を感じなければ、選ぶ価値はあるだろう。とにもかくにもカローラルミオンの四角いカタチ、なんかソソリませんか？

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