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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03
右肩下がりを打開できるか!? エース登場!! 乗用タイプミニバン ウィッシュの願い
販売数低迷の乗用ミニバンにウィッシュが新風を吹かせるか?

ウィッシュ!! のポーズです
初代ウィッシュがデビューした年がピーク

2Lクラス乗用ミニバンの販売状況(年間)
しかし、ウィッシュやストリームが属する「2Lクラス乗用ミニバン」カテゴリーは、ちょうど初代ウィッシュがデビューした’03年~’05年あたりが人気のピークだった。’05年の販売台数をチェックすると、ウィッシュは年間販売台数9万2000台を誇っていたが、’06年は7万8000台、さらに’07年になると5万7000台とさらに減少、昨年は3万9000台まで販売台数を落としている。もちろんこれは、ウィッシュがデビューから時間がたち、モデルライフ後半以降となったことによる魅力度の低下も原因として挙げられるが、日産のラフェスタの販売台数をみても、’05年=4万1624台、’06年=1万8102台、’07年=1万3907台、’08年=9234台と漸減。’06年にフルモデルチェンジしたストリームも、モデルチェンジをした’06年は4万1131台、翌’07年は5万7351台と気を吐いたものの、昨年には4万1399台と台数を落としている。
乗用タイプミニバンのユーザー離れが進む

日産ラフェスタは今年秋で生産を終了するという……
31ページでもお伝えしたように、ラフェスタに関しては、プレサージュとともに今年秋には生産を終了するもよう。日産は乗用タイプミニバンについては完全にあきらめてしまった雰囲気。実際、ミニバンの販売の中心は車高が1700mm以上と高く、リアドアがスライドドアとなる「BOXタイプミニバン」へとユーザーのニーズは移行していることがうかがえる。一時期は一世を風靡したホンダオデッセイも、’05年の販売台数は6万4002台だったものが、’06年には4万4986台、’07年=3万1792台と台数を落とし、モデルチェンジを実施した昨年の販売台数は2万8982台まで落ち込んでいる。オデッセイのモデルチェンジは昨年10月16日だったため、モデルチェンジ後の新車の台数が年間販売台数にほとんど影響されていないが、それにしても、乗用タイプミニバンのユーザー離れを実感させられるデータである。
乗用タイプミニバン起死回生なるか!?

新型ウィッシュのボディはなんと3タイプ
■乗用タイプミニバン起死回生なるか!?そんななか、果敢にもモデルチェンジでカテゴリーの起死回生に立ち上がったのがトヨタウィッシュだ。冒頭にも書いたとおり、6年ぶりとなる初のモデルチェンジだ。基本スタンスは超キープコンセプト。初代ウィッシュのもつ使い勝手や手軽さを生かしつつ、スポーティなテイストを盛り込んだのが新型ウィッシュということになる。開発を担当した大井敏裕チーフエンジニアは、「クルマは元気で楽しくなくてはダメ」という考え方のもと、“アクティブ・リラックス・スマート・7シーター”をキーワードに新型ウィッシュを開発したと語っている。フロントマスクはうねりを感じさせる独特の形状のフロントバンパーに加え、切れ上がった形状のヘッドライトなどでシャープな印象。基本フォルムは大きく変わることはないが、初代のポッテリした印象から、ずいぶんと引き締まった印象となっている。
ボディサイズ

新型では全長が30mm伸びているのみでほかは旧型と同寸となる
ボディサイズは全長4590mm、全幅1695mm、全高1590mmで、初代と比べて全長は30mm延長されている以外は初代と同寸。ホイールベースも2750mmで変更なしである。
全幅

最上級グレードとなる2.0Z。前後のオーバーフェンダーにより、全幅は標準タイプから50mmも拡幅された1745mmとなる。
全幅に関しては、基本1695mmで5ナンバーサイズをキープしているが、新たに設定されたエアロフォルムの「1.8S」では拡大されたトレッドに合わせてフロントフェンダーを25mm拡幅させ全幅1720mmとしているのがポイント。わざわざ専用形状のフロントフェンダーを用意する手の込みようだ。プレスパーツを専用に用意するというのは、非常にコストのかかること。思いきったトライである。また、初代ウィッシュにも用意されていた最上級スポーティグレード「2.0Z」は新型にも受け継がれており、1.8Sのワイドフェンダーをベースに、専用のオーバーフェンダーを装着して全幅は1745mmまで広げられている。2.0Zは215/50R17サイズタイヤを装着し、リアサスがダブルウィッシュボーンとなるなど、ハンドリング性能を重視したチューニングで、スポーツ性をアピールしたグレードとなっている。FFモデルのリアサスは2.0Z以外ではトーションビーム方式を採用。リアタイヤの追従性などでは、独立懸架のダブルウィッシュボーンが一歩も二歩もリードするのはご承知のとおりだ。
パッケージングは初代のいい部分を踏襲する

新型はグンとシャープになった!! 新旧ウィッシュの2ショット(左が新型)。新型は切れ長のヘッドライトやワイド感を感じさせるフロントバンパーのデザインなどでシャープで引き締まった印象となる
■パッケージングは初代のいい部分を踏襲するボディサイズがほぼ変更なしなので、室内パッケージングに関しても大きな変更はない。初代ウィッシュは3列目シートの居住性も高く評価されていたので、新型ウィッシュでも大きな不満はあるまい。実際に2列目、3列目に座ってみたが、2列目シートに関しては、ニースペース、ヘッドスペースともにまったく問題なし。どこも接触することはなかったし、シート形状もゆったりしていて、長時間のドライブでもリラックスして移動ができるだろう。
3列目シートはこのクラスとしては充分に実用的

3列目はやや狭いものの、このクラスとしては充分実用的といえるもの。頭は完全に天井に接触
3列目に関しては、もともと大人が長時間座ることを考えたスペースではなく、あくまでも短時間の使用、あるいは子供用という位置づけのため、大人が乗って広々ということはないのは承知ずみ。3列目をある程度実用的に使いたいのなら、やっぱり車高の高いBOX型を選びたい。という前提条件はあるものの、ま、新型ウィッシュの3列目シートはこのクラスとしては充分「実用的」と言っていいだろう。大人が座ると頭もヒザもキチキチだけど、それでもストリームよりは広いと感じたし、シートそのものも小型サイズなりにクッションも効いており、悪くはない。ただ、背もたれは肩口までの高さを確保できておらず、もうちょっと高さがあれば大人でも1時間程度の移動ならラクチンなんだけどなぁ。
1.8L、2Lともにバブルマッチング採用で燃費アップ

■1.8L、2Lともにバブルマッチング採用で燃費アップ新型ウィッシュのグレード構成は基本的に初代と同じ。すなわち、1.8Lと2Lエンジン搭載車が用意され、2LはFFのみ、1.8LにはFFと4WDが用意されるという構成。搭載されるエンジンは1.8L(144ps、17.9kgm)、2L(158ps、20.0kgm)ともに全車バルブマチックタイプのエンジンとなり、トランスミッションは全車CVT。これまで1.8Lは4ATだったが、1.8LにもCVTが組み合わされている。バルブマチックとCVTの効果により10・15モード燃費はグンとアップ。1.8Lでは初代の14.4km/Lから11%アップの16.0km/L、2Lでは5.5%アップの15.2km/Lとなっている。これは大きなメリットだろう。パワーアップして燃費も向上している!!最後に気になる価格だが、ベースとなる1.8Xが184万円、1.8Sが209万円、2.0Gが226万円、最上級の2.0Zが248万円という設定。1.8Xは3万4000円のアップ、2.0Gは18万1000円のアップだが、VSCやサイドエアバッグ、カーテンシールドエアバッグなどが標準装備となっているほか、2.0Gではクルーズコントロールも標準装備となっており、実質的には価格据え置きといってもいい内容となっている。取得税、重量税の減税に関しては、1.8L、2LともにFF車は50%減税、4WD車は減税なし。