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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
ポルシェボクスター&ケイマンそろってマイナーチェンジを行ない魅力アップだ!
デュアルクラッチミッション採用とエンジンの排気量アップが効果的
ケイマンはマイチェンでフェイスリフトを受け、フロントはよりすっきりしたデザインとなった
【本記事は2009年7月にベストカーに掲載された記事となります。】ポルシェのエントリーモデルであるボクスター、そしてボクスターをベースにクーペモデルとして後に登場したケイマンが、ビッグマイチェンを施し、’09年モデルとして登場。ハイライトはなんといってもエンジン、ミッションの大進化であり、加えて前後デザインにも手が加わった。さらにこれまでもオプションは豊富だったが、それがますます充実して、自分だけのカスタマイズがより可能となった。こだわりのポルシェファンにとっては、これもうれしいことだ。エクステリアのデザイン変更は、ヘッドライト、バンパー、ドアミラー程度だが、旧モデルとは大きくイメチェンした。2眼タイプとヘッドライトは新鮮だし、ボクスターとケイマンでは、デザインが異なるものの、大型化したエアインテークを備えるフロントマスクは、迫力大である。「スタイリングは内に秘めた価値を体現するのである」という、ポルシェのデザインアイデンティティが貫かれている。
そう、ボクスターとケイマンもさらなるパフォーマンスアップにふさわしいデザインへと進化したのだ。
新開発の3.4L直噴エンジンが上級グレードに採用された
視認性に優れた丸形メーターを基本としたコックピットも、シンプルながら機能美にあふれており、実に好ましい。ステアリングやシフトレバーのデザイン、タッチともにナイスだ。決して凝ったデザインではないが、ドライバーにストレスを与えず、快適なドライビングをするためのコックピットはこうあるべき、といったポルシェのこだわりを感じさせる。さて、注目のエンジンだ。おなじみの水平対向6気筒は、従来の2.7Lが2.9Lとなり、Sグレード用の3.4Lは直噴に進化して、大幅にパワーアップ。しかも、’09年モデルからボクスターとケイマンではパワーの差別化が図られ、ボクスターの2.9Lは255ps/29.6kgm、3.4Lが320ps/37.7kgmへとさらにパワーアップしている。ミッションはMTがすべて6速となった。注目はティプトロニックだったATがツインクラッチ方式の2ペダル、ポルシェドッペルクップリング(PDK)に進化したこと。
走りは「とにかく気持ちいい!!」のひと言だ。
ボクスターもヘッドライトやバンパー形状の変更を受けた。かなり新鮮なエクステリアイメージだ
はじめにボクスター(2.9L、MT)を試したが、ふけ上がりがすばらしく、背後で奏でるサウンドも刺激的なボクサーエンジンにまず感動。当然ながら加速性能も一段と高まっていて、シフトが確実でフィールもスムーズな6MTを駆使してのワインディングは実に心地よかった。もう一台は、ケイマンS(3.4L、PDK)をトライ。こいつはもっともっとパワフルで、気分も最高のひと言だ。吹け上がりは一段とシャープだし、サウンドもさらに刺激的。デュアルクラッチはランエボやGT-Rで経験済みゆえ珍しくはないが、PDKのシフトスピード、制御ロジック、街乗りでのスムーズさなど、ライバルに対して不足なし。ちなみに0~100km/h加速はわずか5.1秒で、これは911(MT)に匹敵する速さだ。
ボクスターとケイマンの走りの違いは何か。
それはもう、オープンボディとクローズドボディによるボディ剛性の差だ。それゆえ走りのキャラクターも自ずから異なり、ポルシェも差別化したチューニングを施している。つまり、ボクスターはロードスターとしての爽快な走りが楽しめるよう、穏やかなハンドリングとコンフォートな乗り心地を意識した味つけだし、ケイマンは高剛性ボディの利点を生かしたピュアスポーツ方向のチューニングがなされている。エンジンパワーに差をつけたのもこれが理由というわけだ。ただし、誤解してほしくないのは、ボクスターの走りもポルシェの名に恥じない、本格的なスポーツカーレベルにある、ということ。オープンながらボディはカッチリしているし、一体感の高いハンドリング、穏やかな乗り心地も備えている。久しぶりのポルシェだったが、最新モデルはやっぱりよかった。ボクスターもケイマンもそれなりに高価だが、上質なスポーツカーにじっくり乗りたいならどっちもオススメだ。