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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
インプレッサ WRX STI スペックC緊急試乗 世界の新井が教えるスペックCの愉しみ

【本記事は2009年9月にベストカーに掲載された記事となります。】スバルが7月23日に発表したインプレッサWRX STIスペックC。グループNのホモロゲ取得のため、1000台が生産、そのうち900台が限定で販売される(18インチモデル。17インチは台数限定なし)というスパルタンなモデルだ。そのクルマ好きなら大喜び必至のスペックCを早くも借り出すことができたので、前号で約束したとおりレポートさせていただくぞ。インプレッターはPWRCで世界を股にかけて活躍する新井敏弘氏。究極の「インプ使い」である氏に、スペックCの印象を聞いたみた。
Qいきなりですけど、一番印象に残ったのはどこでしょう?

最高出力&最大トルクは308ps/43.0kgmと変わらないが、中間域のパワーは段違
Aやっぱりターボがボールベアリングを使っているタイプになったんで、今までのSTIバージョンより吹け上がりにストレスが感じられない。馬力的には変わってないけど、中間の馬力とかそのへんを測ると、一割とはいかないだろうけど、それに近いくらいパワーは上がってると思う。トルクなんかも、例えば今までのSTIなら30.0kgm出てるところで測れば、33.0kgmとか出てるんじゃないかな。踏み込んだ後の加速がぜんぜん違うね。
Qそのほかに「ココが違うなー」って感じたポイントはどこですか?

Aフロント回りの剛性感もだいぶ違うよね。現行インプはフロントの剛性が少し足りない印象があったんだけど、非常によくなってる。フレームのネジレを取るために、フレーム内にまでつっかえ棒を入れたりした効果が表われてるよね。具体的にいうと、ハンドルを切ってからクルマが一瞬ヨレるような感じがない。ワンテンポ遅れるんじゃなくて、切った瞬間にスッと頭が入っていくような感じだね
Qリア回りもスタビライザーの太径化とかされてますよね?

Aクルマって、フロントがハンドル切ってリアが踏ん張ってから曲がりだすんで、その踏ん張りがすごく早くでるようになった。スタビの太径化が一番効いてるんだけど、それだけじゃなくてブッシュを換えたのも、すごく効いてる。フロントの補強と合わせて、クルマの反応が早く出るようになってるよね。
Qインプのコンペティショナルモデル用装備としては定番になった感のあるインタークーラーウォータースプレーですが、やはり効果は大きいんですか?
Aぜんぜん違うよ(笑)。競技ユースの装備だと思ってるかもしれないけど、一般道で乗ってても夏とかだと吸入温度って60℃とか70℃くらいいっちゃうんだよね。特にインプはインタークーラーがエンジンの上に載っかってるから。でも、それが水で冷やすと40℃くらいまで落ちる。それだけで追い越し加速とかまるで違ってくる。吸入温度で30℃違うと馬力で24~25馬力、トルクで3~4kgmは違ってくるからね。夏場は一般道を走る場合でも、スイッチを入れておいたほうが気持ちよく走れると思うね。
Q数値上だいぶ足回りが硬くなったようですけど?

ノーマルSTIのクロスメンバー。ゴツゴツに補強されているのがよくわかる。コレは確かに効きそうだ
Aそれほど乗った感じはあまり硬くは感じない。ノーマルのSTIよりコツコツくる感じは少ないと思う。それよりも路面との接地感がドライバーにより感じられるようになったのが好印象だよね。ロールはあんまりしないけど、タイヤがどういう感じで踏ん張ってるかが、わかりやすい。例えばノーマルのSTIに乗って、クルマに乗らされているなって感じている人も、このクルマだと乗ってるなって思いのほうが強く感じられると思う。ノーマルより乗ってて楽しいクルマになってるよ。それでいて、昔のスペックCみたいに鉄板を薄くして遮音性を犠牲にするようなことはしてないから、ノーマルから乗り換えても多少にぎやかかなっていう程度に収まってると思う。
QどういうシーンでノーマルのSTIとスペックCの差が感じられますか?
A高速道路をちょっとハイペースで走る、例えば中央高速の岐阜の手前あたりなんかは、ぜんぜんスペックCのほうが乗っててヒヤッとしないと思う。ノーマルだとグリップの限界が不明瞭な部分があったけど、スペックCは「そろそろ危ないかな」っていうインフォメーションをくれるんで安心できる。そういう意味では欧州車に近いかもしれないね。あとはワインディングもそう。特に低中速域を多用するところを走ると、最高に面白いクルマだと思うね。
Qズバリ、スペックCはお買い得ですか?

ASTIを買うか、スペックCを買うか悩むんだったら、スペックCを買っちゃったほうがいいと思う。スペックCのほうが絶対に自分の運転が上手く感じるし、クルマが伝える情報量が圧倒的に多い。自分がクルマを操縦しているんだっていうのが強く感じられる。なんたって価格も同じだし!う~ん、なんだか話を聞いているうちにすごくスペックCが欲しくなってきたぞ。というわけで新井選手強烈プッシュのインプレッサWRX STIスペックC、368万5500円で絶賛発売中だ!