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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
アテンザセダン乗り味上質、走りスポーティ 2L直噴エンジンは燃費向上でエコカー減税50%
グッと変わった乗り味に驚嘆の声

しなやかな乗り心地とカッチリしたハンドリングのバランス点が高まった印象だ
【本記事は2010年4月にベストカーに掲載された記事となります。】アテンザの印象って、「スポーティでいかにもマツダらしいハンドリングだけど、ちょっとシャープで乗り心地も固めだな」というものだった。「そうした声をユーザーの皆様からたくさんいただきました」(高田稔開発主査)細かな説明を受けるまでもなく、マイチェンしたアテンザに乗って「おおっ、これは!!」、グッと変わった乗り味に驚嘆の声を発してしまうほど。足の動きが圧倒的にスムーズになっているので、街乗り速度域でのゴツゴツ感がすっかり影を潜め、しなやかでロードホールディングのいい上質な乗り心地を手に入れている。だからといって「ヤワ」になっているわけではなく、ダンパーの動きがスムーズになって、しっかりと動きながらも減衰力がコントロールされているため、芯のあるシャープさが失われたわけではない。

インテリアはピアノブラックとクロームメッキを組み合わせたことで上質感が向上。ブラウンの内装色も新設定
ただ石畳のような、前後左右輪がバラバラに上下に比較的大きく動くような場面をゆっくりめの速度で走った際に、ややボディが足の動きに遅れて動く感覚を感じたが、速度域が上がるとシャッキリするので、ちょうど路面の凹凸とある特定の速度域でのサスペンションの動きの波長が共振したのかもしれない。通常の舗装路面のギャップなどでは、そうした挙動を感じることはなかった。操舵フィールも大きくチューニングが変わった印象。マイチェン前のアテンザは、ステアリングセンター付近のホンの小さな動きにも敏感に反応していた。これがシャープなハンドリングを演出していたことは間違いないのだが、高速道路の巡航時など、ちょっとシビアすぎると感じることも少なくなかった。
運転していて安心感をもってハンドルを切り込んでいける
新型は、電動パワステのチューニングを改善するとともに、サスペンションチューニングの変更などにより、センター付近の剛性を高めつつ、切り始めのヨーゲインの立ち上がりを穏やかにする絶妙のチューニング。舵角に対してヨーの立ち上がりが素直なので、ハンドルを切るほどにジワジワとノーズがインを向く。接地感がしっかりしているので、運転していて安心感をもってハンドルを切り込んでいけるのだ。この感覚は絶妙。運転がワンランクうまくなったような気がする。
細部までこだわったマイチェン

直進安定性の向上については、細かいことだが空力特性のチューニングも効果があったのだという。フロア下、フロントタイヤの内側に小さな整流板を追加することで空気の流れをスムーズにすることができたのだという。副次的にフロントブレーキディスクのクーリング効果も得られた。小さなパーツだが、効果は絶大なのだ。また、サスペンションブッシュの特性も見直しているというのだが、例えばリアサスのトレーリングアームボディ取り付け部ブッシュについては、動いた時のたわみ量をコントロールするブッシュ内部の中空部分の位置と形状を変更することでよりスムーズに動くように改善したという。実に細かい手の入れ方だ。

このほか、2Lエンジンは直噴ガソリンエンジンに変更されたことでアクセルレスポンスが向上。だが、直接動力性能に関係するほどのパワースペックの差はない。が、10・15モード燃費が14.2km/Lから15.0km/Lに向上し、エコカー減税50%の対象となったことが嬉しいニュース。価格はほぼ据え置きとなっている。