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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02
トヨタパッソ/ブーン登場で考える女性のクルマ評価ポイント

トヨタパッソ+Hana ダイハツブーン パッソとブーンの標準モデルは、基本的にグリルとバッジで差別化される以外は共通デザイン。パッソにだけ、フロントマスクや装飾の異なる+Hanaが設定される
【本記事は2010年4月にベストカーに掲載された記事となります。】04年以来6年ぶりにモデルチェンジを行ない、2代目となった新型トヨタパッソ/ダイハツブーンの開発にあたって、鈴木敏夫チーフエンジニアは語る。「引き続き女性を中心に幅広いお客様からの支持を目指すとともに、軽自動車志向の若い女性にも喜んで選択していただけるように開発しました。また今回、企画段階から女性スタッフ主導で取り組むなど、従来の“男性目線”から“女性目線”でのクルマ作りにチャレンジしています」つまり、幅広いユーザーを意識して、男性はもちろん高齢のユーザーにも抵抗のないデザインでありながら、女性を惹きつけるエッセンスが込められたクルマが新型パッソ/ブーンということになる。そうなると、このクルマの真の魅力を解説できるのは女性ということになるわけで、今回はベストカーでもおなじみのスーザン史子に新型パッソ/ブーンについて語ってもらった。この記事をよく読んで奥様や娘、はたまたガールフレンドに解説するといいかも。
女性にとって大事なデザインがスゴイi

運転席からの視界は良好で、最小回転半径4.3mと小回りがきく
新型パッソには素の魅力を磨いたパッソとさりげなくおしゃれなパッソ+Hanaのふたつのスタイリングが選択できる。軽自動車の「カスタム」と呼ばれるエアロモデルが男性ユーザーを強く意識したバリエーションとしたら、+Hanaは女性を意識したバリエーションで、フロントマスクのデザイン、シート形状、カラーコーディネーションが異なる。いっぽう新型ブーンには、このバリエーションは設定されていない。
新型はデザインもオシャレで装備もイイ!

リアのスタイリングはシンプルながら、親しみの持てるもの。+Hanaはクリアレンズ採用。リアドアは約80°と大きく開くので乗り降りが便利だ
「エッ、これって『マーチ』と『ノート』のハーフ!?」新型の『パッソ』&『ブーン』を見ての私の第一声がコレ。全長もホイールベースも同じ、キープコンセプトとはいっても、もうちょっとデザインにパンチが欲しかったなぁ。このあたりは不満プンプンです。とはいえ、その変身ぶりは、ちょっと外観を見ただけじゃわからない!新たに追加された『パッソ+プラスHana』は『パッソ』のスーパーオシャレさんバージョン。ドアハンドルとサイドミラー、ホイールには、まるで金ボタンをあしらうように、シャンパンゴールドでコーディネート。どこから見ても『+Hana』とわかる装いです。

使い勝手のいいインパネ持ち歩いているバッグをかけるフックや、あえてフタのない収納スペースを設けることで、大幅に使い勝手を向上。内装色もオシャレだ!
インテリアは特にワタシ好み! 『+Hana』ではチョコ×アイボリーを基調としたシックな色遣い。前席にも室内がすっきりと広く感じられるベンチシートが採用されています。幅の狭い駐車場では、左右の移動が自由にできるから便利。それに、疲れたら、そのままゴロンと横になれるのもいいわぁ~。ちなみに『パッソ』&『ブーン』ではキナリ(生地の素材を生かし、無加工)のインテリアになってます。インパネ回りの収納スペースは、リッド(蓋)も仕切りもないオープンスペース。あえて隠さず、取り出しやすさを優先したカジュアルさも好感が持てます。室内の広さは、後席でも足が組めるレッグスペースがあるし、ヘッドクリアランスにも余裕があって、窮屈さはまったくなし。イチオシ装備は、『+Hana』にディーラーオプションで装着される、パナソニックの『ナノイードライブシャワー』。この『ナノイー』シリーズ、今女子にメチャメチャ売れてる美肌ケアグッズなんです。実はワタシも、置き型の『ナノイー』の愛用者。お化粧前の15分でお肌しっとり。おまけに自然な肌色を引き出してくれる高演色LED照明が付いているから車内でのメイクもOK。出かける間際ってとにかく時間がないっ。とりあえずすっぴんのままクルマで出発し、渋滞にハマった時を見計らってせっせと顔にお絵かきするんですもん。コリャ必需品ですよッ!!

新型パッソは全長が40mm延びただけで、全長3640×全幅1665×全高1535mmと旧型とほぼ同じサイズ。それでも室内長1830×室内幅1420(旧型比+20mm)×室内高1280(同+5mm)と少し広く取り、ゆとりを持たせている。そういったハードウェアの進化に加えて、ベンチシートや豊富な収納、センスのいいカラーリングという新たな魅力が加えられている。それでも約半数弱といわれる男性ユーザーにも抵抗のないスタイリングだ。旧型の4ATから、全車CVTとなった新型パッソ/ブーン。10・15モード燃費は、1LFFで22.5km/L、1.3Lが21.0km/Lと好燃費だ。さて、実際走ってみての評価はどんなものか?
取り回しも○で燃費のよさもうれしい!

1.3L は95ps/12.3kgm、燃費は21.0km/Lで50%減税対象(FF)
街中でのドライブがラクチンなのも『パッソ』&『ブーン』のいいところ。旧型より10mm上げたシートポジションと、10mm下げたベルトライン、そして水平基調のインパネのおかげで、視界はスッキリ! さらに、フロントウィンドウ側のAピラー形状を凹ませることによって、ピラーを細く見せる効果があるんですって。運転が苦手な女子にとっては、まずは視界の確保が第一! よく考えられてる。最小回転半径が軽自動車並みの4.3mと小回りがきくから、取り回しだって得意、と使い勝手のよさはハナマル級です。それにとっても燃費がいい! 新開発のトヨタ製1.3Lエンジンと改良を施されたダイハツ製の1Lエンジンに、CVTを組み合わせ、FF全車がエコカー減税の対象車になったのも見逃せません。なんてったって女子は、ファッションや化粧品、エステに習い事など、男性よりも、も~っといっぱいお金がかかる生き物なの。ガソリンになんかお金をかけてる余裕がないのよっ!軽自動車並みのお手頃価格と使い勝手のよさを両立しながら、5人乗れるという余裕の室内空間は、お買い得感アリアリ。安くてカワイイ、“しまむらファッション”感覚で、クルマ選びができることに感謝です!
価格はパッソが1.0X“VPackage”が100万円から1.3+Hanaの147万円まで

1Lは69ps/9.4kgmを発生。燃費は22.5km/Lで75%減税対象(FF)
ブーンがCLの110万円からCLの138万円(4WDは143万5000円が最高値)まで。先代モデルより若干の価格アップとなっているが、FFは全車エコカー減税対象、また全車エコカー補助金対象なのもうれしいところだ。
ライバルとエコカー減税 TEXT/渡辺陽一郎
パッソ/ブーンの1LFFは、排ガス規制4つ★対応と燃費基準+25%達成により、75%減税に対応。1.3Lは、4つ★対応と燃費基準+15%達成で50%減税に対応する。残る1Lの4WDも燃費基準+5%なので、13年を超えるクルマの廃車により補助金をもらえる。例えば、パッソ1L+Hanaの場合、補助金もコミで、約18万4500円も優遇される。ライバルはもちろんフィットやヴィッツ、マーチ、スイフトだが、パッソ/ブーンは軽ユーザーの取り込みも狙っている。実際、軽ハイトワゴンと価格帯は近く、例えばワゴンRはFXが104万4750円からとなっている。そこで、新車購入時の補助金を考えると、パッソ/ブーンが10万円なのに対して、軽は5万円しかもらえないなどむしろ有利で、充分勝算があるのだ。