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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

日産のハイブリッドはトヨタのハイブリッドを凌駕したか? そこがとっても気になる!! フーガHVは本当に19km/Lも走るのか?

NISSAN フーガ ハイブリッド 577万5000円 10・15モード燃費19.0km/L

NISSAN フーガ ハイブリッド 577万5000円 10・15モード燃費19.0km/L

【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】フーガハイブリッド最大のナゾが「なんでクラウンハイブリッドより25%も10・15モードの燃費いいのか?」という点にある。実用燃費だって確実に20%程度よい模様。試乗会ではコンスタントに15.0km/Lくらいの燃費が出ていた(何人かの同業者に聞きました)。クラウンハイブリッドだと12.0km/Lも厳しいコースなのに。このナゾを究明する、というのが私の使命であります!

巡航に入るとエンジンは発電しながら後輪へ駆動力を伝えるモード

(1)ナビゲーション画面を切り替えることでエネルギーフローをわかりやすく表示する

(1)ナビゲーション画面を切り替えることでエネルギーフローをわかりやすく表示する

まず試乗といきたい。ブレーキペダルを踏んでスタートボタンを押すと、なんで? エンジンかかっちゃった。バッテリー残量少ないということもあるのだろうが、最初から拍子抜け。このままじゃ「エンジンかかったまま走り出す」というホンダ式ハイブリッドと同じなので、Pレンジのまま充電を待つ。5分くらいすると充電終わってエンジン停止。仕切り直して試乗であります。Dレンジをセレクトしてアクセル踏む。まずモーターのパワーだけでスタート。少し速度上がるや、2速にシフトアップする。変速ギアのないトヨタ式だと、シフトアップというプロセスを踏まない。まず大きな違いですね。続いて3速に。どこまでモーターのパワーだけで加速するかな、とジワジワ加速していくと(アクセル深く踏んだら、すぐにエンジンかかります)、70km/hくらいでエンジン始動。理論上は80km/hくらいまで加速できるらしいが、加速中にバッテリー残量も減ってしまい、エンジンかかっちゃうのである。エンジンかかると同時にクラッチ繋がり、モーター+エンジンで加速。巡航に入るとエンジンは発電しながら後輪へ駆動力を伝えるモードに。やがてバッテリーいっぱいになるが、そうするとエンジン停止(クラッチ切る)。モーターだけでの巡航に移ったりもする。

日産式ハイブリッドの凄さ

アクセル戻したらエンジン停止。ブレーキペダル踏むと、回生しながら停止する、といった具合で、エンジンとモーター、回生ブレーキの使い方はトヨタ式とほぼ同じだと考えていいだろう。だがどうしてクラウンハイブリッドより25%も燃費がいいのか? アレコレいろんな事をやってみた結果、なんとなく解明できました。以下、ヤヤこしいが少しガマンして読んでください。日産式ハイブリッドの凄さが少し理解できると思う。

日産式とトヨタ式のどちらが優位?

●1モーター2クラッチパラレルハイブリッド ●電池はリチウムイオン

●1モーター2クラッチパラレルハイブリッド ●電池はリチウムイオン

トヨタ式ハイブリッドの場合、常時エンジンが回っている。ガソリンをカットしているため、アクセル戻すと燃料消費量こそゼロになるも、フリクションたるや巨大。3.5L V6エンジンのクランクシャフトを「むんず!」とつかみ、回してほしい。人力じゃビクともしないと思う。もっとわかりやすく書く。Dレンジをセレクトしたクラウンハイブリッドを押すことをイメージしたらいいかと。2人でも動かんワな。仮に空回りさせるために3ps必要だとしよう。アクセル開度の少ない状態やアクセル戻した状態になると、こいつがすべてエネルギーロスになってしまう。日産式だとアクセル開度が少ないときは、エンジンを止め(クラッチも切るため空回りさせないでOK)、エンジンのエネルギーロスをゼロにすることが可能。また、減速時は走行エネルギーの大半を回生できる。トヨタ式だと常時3psぶんをムダにしてしまうワケ。

日産式

プリウスのように摩擦抵抗を徹底的に追求した4気筒エンジンの空回りであれば、たいしたパワーロスにならない。でも300馬力を発生するV6を常に引きずっているクラウンだと、いろんな意味でロスが大。燃費勝負という観点からすれば、クラウンの完敗でございましょう。エンジンとモーターの間にクラッチを付けないかぎり、クラウンのシステムだとフーガに勝てないと考えていい。だったら日産式はすべての点で勝ちか? これが微妙だったりする。例えば追い越し加速。60km/hくらいからアクセル全開にした、と考えてほしい。トヨタ式だと、大出力モーターのトルクをダイレクトに車軸へ伝え、たちまち加速を開始します。日産式は、巡航状態で例えば6速ギアに入っていると、まずシフトダウンしなければならない。60km/hなら2速まで落ちる。この間、駆動力かからず。モーターはアクセル踏んだ瞬間にレスポンスさせられるのだけれど、ミッションを介在させないと駆動軸に伝わらない。つまり普通の大出力エンジンとまったく同じプロセスを踏まなくちゃならないのだ。「ハイブリッドらしい加速感」という点でクラウンに届かず。また、クラッチ切れた状態から(エンジン止まっている状態でも同じ)、繋ぐ時にどうしてもショックを出してしまう。

アクセルワークに気をつければ80km/h程度までEV走行が可能だから街中でも燃費は悪くない

アクセルワークに気をつければ80km/h程度までEV走行が可能だから街中でも燃費は悪くない

試作車と比べれば圧倒的によくなったものの、高速走行時に追い越し加速する時や、極低速時にアクセル戻し、直後にアクセル踏むような乗り方をすると、前者は「ドガン!」、後者だと「むにゅっ」と押し出される感じが出る。はたまた100km/hまで全開加速した後(この状態だと2速に入っている)、アクセルを戻したなら、3速-4速-5速-6速-7速とシフトしていくが、この間、ず~っと減速度が変化する。

どちらを買うかは・・・

そろそろまとめよう。絶対的な加速力は引き分け。どちらも充分以上に速い! アクセルレスポンスでクラウン優勢。燃費だとフーガ圧勝。滑らかさでクラウン優勢、でございます。これがプリウス級のクルマであれば、間違いなく燃費のよいほうが勝ちだと思う。されどフーガ級になると、燃費を気にするユーザーなど少数派かと。どちらを買うかは、お好みで決めればよろしい。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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