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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
スーパーチャージャーの走りは? 日産ノート 新しくなってどのくらい進化した?
新型ノートが大ヒット

流麗なフォルム:徹底的に空気抵抗を削減し、CD値0.29を達成、燃費を向上した。リアコンビランプにはリアタイヤハウス内の空気を抜く穴があり、空力を向上している
【本記事は2012年11月にベストカーに掲載された記事となります。】新型ノートが大ヒットである。発売2週間で受注は2万1880台に及んでいるという。売れすぎて試乗車がないとのことで、ずいぶん時間が経っての試乗だが、すでに注文した人以外の人に読んでもらいたい。注文した人ももちろん読んで、納車されるクルマの研究をしておいてほしい。新型ノートを開発する際にイメージしたライバルは、コンパクトカーの売れゆきナンバー1であるフィットだろうことは間違いない。ボディサイズやコンセプトなど含め、すべてにフィットの存在を感じます。ちなみに先代ノートも競合車にフィットをイメージしたと思われるが、ボディサイズをひと回り大きくするなど、ガチで当たることを回避している。エンジンも1.5Lでございました。新型ノートを開発するにあたりそういった配慮など一切しなかった感じ。「ガツン!」と音が聞こえるくらいの激突です。
パッケージングもフィットを意識

広い後席と足下:メーターはエコドライブをアシストする機能を持つ。アッパーグローブボックスは、大きなティッシュを収納できるほど巨大なスペースを確保している。ホイールベースは先代と同じだが、ニールームを643mmと現行ティアナよりも広く取り、快適性は増した
パッケージングもフィットを意識したため大幅に改善された。キャビンスペースはフィットと同じくらい広く、運転席シート位置を身長183cmの私に合わせてもリアシートのレッグスペースを残し、さらにラゲッジスペースまで確保できている。ファミリーカーと呼ばれたひと昔前のカローラやサニーより圧倒的に優れた実用性を持つ。また、ティーダ(サニーの後継車)も『メダリスト』というグレード名で吸収された。サニーがノートになっちゃったワケ。搭載されるエンジンはふたつ。フィット1.3Lに相当するベーシックグレードがマーチと同じ1.2L、3気筒。気になるのは、79馬力というフィットの99馬力を大きく下回る出力だ。人間、20%以上違う数字だと明確に体感できるといわれる。果たしてパワー不足を感じないだろうか? もうひとつが1.2L、3気筒にスーパーチャージャーを付けた98馬力仕様。1.5L相当の出力特性を持ち、実質的なティーダの後継モデルになるメダリストなどに搭載される。
スーパーチャージャーエンジンの燃費と走り

1.2Lスーパーチャージャー搭載 1.2L、3気筒のスーパーチャージャーエンジンは、最大出力が98ps、最大トルクが14.5kgm。S DIG-Sで25.2km/Lの燃費を実現。低回転時はSCが停止する
スーパーチャージャーエンジンの燃費と走りまずはスーパーチャージャー仕様からハンドルを握ってみた。Dレンジをセレクト。浅くアクセルを踏むと、1500回転くらいで走り出す。この状態だとスーパーチャージャー(以下SC)は稼働していない。およそ2000回転以上&アクセル開度が大きい時のみ動かす制御になっているとのこと。カタログ燃費の計測モードである『JC08』を計測する時は、SCを動かしていないのだとか。SCなしで街中の交通の流れに乗って走れるだけのパフォーマンスが確保できてます。もちろんアイドリングストップも付く。最新の軽自動車は車両停止前にエンジン止まっているという制御を行なう。それからすればノートの「車両停止後、一呼吸置いてエンジン止まる」ってモドかしい感じ。エンジン停止からの再始動は、タイミングや騒音レベルともに納得できる仕上がり。一般道を20kmくらい走ったときの燃費は、おおよそ22km/Lくらい。私の経験値から大雑把な印象を書くと、アイドルストップなしのフィットであれば18km/Lくらいの交通の流れ具合でございます。それじゃ、と加速時は2000回転以上となる元気な運転に切り替えてみた。イッキに燃費が悪くなるかと思いきや、街中だと先行車に追い付くのでアクセルを戻す。そもそもSC稼働するほどは速く走れない。結果、あまりSC稼働領域にならず、20km/L近く走っちゃいました。燃費が落ちるのは、交通量が少ない流れのよい国道かも。試しに高速道路で「最高速は80km/h上限。加減速の大きい運転」をしてみたら、16km/Lくらいになりました。燃費ベストと思われる高速道路の90km/h巡航は26km/L前後。絶対的な動力性能も燃費も大いに納得できるレベルだと評価しておく。となると「ベーシックエンジンはどうなの?」と思うことだろう。
NAエンジンとノートの走りの評価

リアドアは大きく開く 優れた5ドアHBパッケージングの新ノート。リアドアは最大85度開くので、乗り降りに優れている
NAエンジンとノートの走りの評価日を改めて試乗してみたら、やっぱしパワー不足を感じる。もちろん街中を普通に流す程度であれば優秀なコントロールをしてくれるCVTに助けられ、なんとか走ってくれます。3気筒の振動はエンジン停止の寸前でブルブル震える程度。ただ高速道路への流入や登坂車線などで加速しようとしたら「う~ん!」とウナってしまう。実用燃費もSC仕様に届かないようだ。足回りはどうか? コーナリング性能という評価軸なら余裕の合格点を付けていい。グニャグニャ大王のような「サイドウォール腰砕け」になるマーチとまったく違い、シャキ~ン! と音が聞こえるように曲がってくれる。よいハンドリングだと積極的にホメておく。ただし! 乗り心地が超キビシイ。道路のデコボコをすべて拾ってしまっている。「乗用車史上最悪の乗り心地」というレッテルを張ってもよい前期型プリウスとハンデなしで勝負できるほど。微少入力でまったく動いていない。以前、ノートの試作車に試乗したときは、かなりよかったのだが……。とはいえ日本人は乗り心地に対する評価が先進国のなかで最も寛容。プリウスだって売れゆきに影響を与えていない。ここは今後日産が頑張るだろうから、乗り心地についちゃ読者諸兄がディーラーで確認していただきたく思う。