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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
研ぎ澄まされた走りのDNAに感嘆!! スバル インプレッサWRX STI tSタイプRA試乗
11:1というステアリングギアレシオに驚き
クイックなギアレシオに驚き!! NBRチャレンジパッケージのリアビューはSTIドライカーボンリアウイング(角度2段調整式)がド迫力!
【本記事は2013年8月にベストカーに掲載された記事となります。】いやいや驚いた! ナニかと言えば11:1というステアリングギアレシオに、でございます。なんと! WRカーと同じなんだとか。というかWRカーのギアレシオって、そんなにクイックだったのね!さっそく走り出してみたら、いろいろな意味で、標準となっている13:1のギアレシオとまったく違う。人間のセンサーは20%違うと誰でもハッキリわかるというけれど、今回のギアレシオの差ってかぎりなく20%に近い。動き出した瞬間から「あらら?」と思うことだろう。ただ案外と違和感がない。ふつうに走れるのだった。
手首を動かしたくらいで曲がるクイックさ
ステアリングホイールはノーマルWRX STIと違い、専用の高級本革巻を採用しているのがポイント
最初の印象は「ハンドルが重い」。そらそうだ。ハンドルを少し動かすだけで激しく舵角がつくのだから。軽かったらアブないでしょ。続いて「おお! 確かにクイックだ!」。本格的にタマげるのはワインディングロードに入ってから。イメージとしちゃカート! 初めてカートに乗った時を思い出してほしい。手首を動かしたくらいで曲がるクイックさに驚くと思う。それと似ている。ハンドルの切れ角が圧倒的に小さく、クルマがヒラヒラ走ってくれるのだ。ターマックラリーのようなワインディングロードをわずかな舵角で気持ちよく走っていると「これがWRカーの味か!」と単純なジジイは感銘を受ける。開発を担当した森さんに聞くと、「単にステアリングギア比を早くすると、落ち着きがなくなります。そこでリアを補強しています。高速域で落ち着きがなくなると、クルマ全体のイメージが悪くなりますから」。確かにギアレシオを早くした「副作用」を感じないからタイしたもんです。高速コーナーなんかジワッとハンドルにチカラを入れるだけで曲がれちゃう。
大幅に進化したサスペンション
ターボはボールベアリングツインスクロール方式を採用している
サスペンションも大幅に進化した。標準と同じKYB製だというが、滑らかに動くうえ、微小入力でもキッチリと減衰力を出している。「やればできるじゃないの!」と思ったほど。標準モデルより減衰力を高めていると言うことだが、むしろ乗り心地がよくなった。このふたつの点は、私が歴代最高と推す『S204』(’06年登場)を超えてますね。ただし、エンジンに関しちゃ手組みで320psを超えるS204に届いていない。このクルマを買ったらマフラーとコンピューターは交換したいと思う。おっと、クルマの紹介をしていなかった。ここにきてSTIのコンプリートカーは難解になりつつある。『R』だの『S』だの『tS』だの入り乱れてしまったからだ。大雑把に言えば『S』はエンジンや足回り、エクステリアなどすべてに手を加えた豪華タイプ。『R』が走りに重点を置き簡素な装備にしたもの。今回の新しく登場してきた『tSタイプRA』といえば、速さを追求した『RA』をさらに進化させたという。一番スポーティなインプレッサと言い換えてもよかろう。
S204(2006年) S203のコンセプトを継承し、さらに進化。スペックは320ps/44.0kgm
車重を1450kgに軽量化。ボールベアリングターボでレスポンスの改善を狙う。開発のキーワードを並べると「誰がどこで乗っても、みんな気持ちがいいと感じる走る」「日常ユースで楽しい強靱でしなやか」「ドライバーが意のままに操れる4輪の接地性」「固めるところを固め、いなすところはいなす」などなど。このところ納得の行くSTIのコンプリートカーがなかったけれど、こいつは久々に面白い! と思ったら売れゆきも順調らしく、200台のNBRチャレンジパッケージは完売。100台作る標準モデルも61台が売約済みとのこと。