中古車購入
更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.11.28

日産ティアナはJPN ミドルサルーンのスタンダードなのか!?

3代目となる新型ティアナ

10月登場予定のNEWレガシィと比較する!!

10月登場予定のNEWレガシィと比較する!!

【本記事は2014年3月にベストカーに掲載された記事となります。】1月20日にデビューした3代目となる新型ティアナ。2月中旬になって試乗する機会が訪れたのでご報告差し上げます。発表に先立つ事前説明会の場で、日本仕様の開発とりまとめを担当した商品企画部の寺田美穂リージョナルプロダクトマネージャー(RPM)は「いまの50歳代は、昔私たちがイメージしていた50歳代とは違います。サザエさんの波平さんは54歳、フネさんは52歳です。あのような古風な50歳代はいらっしゃいませんよね。サザンの桑田さんは57歳、黒木瞳さんは53歳。いまの50歳代の方は若くてオシャレです」。そのとおりだと思う。いま、この原稿を書いている編集部梅木は来年50歳になる。間違っても家に帰ったら和服でくつろぎはしないし、自分のことを「ワシ」などとは言ったりしない。新型ティアナは、そんな若々しくオシャレで家族や友人を大切にする熟年層をターゲットに開発したのだという。ふむふむ。ひと通り試乗をして戻ってくると、日産の人に囲まれて「どうでしたか!?」なんて聞かれたりするのが試乗会というヤツだ。ここで回答に詰まる……。

新型ティアナにあって、新型ティアナにはないものとは!?

新型ティアナのここがポイント

新型ティアナのここがポイント

■新型ティアナにあって、新型ティアナにはないものとは!?「うーん、新型ティアナ、とってもいいクルマですよ、うん。室内は広くてインパネやシートの質感も上質だし、乗り心地もしっとりとしていてアッパーミドルクラスのサルーンとしてしっかりとまとまっていますよね」、と答えた。これはもちろん、偽らざる本音である。直4エンジンだって100km/h巡航時は1500rpmで、音も振動も感じることはなく快適。ただ、合流時の加速で4000rpmも回すと、「ああ4気筒なんだな」と感じちゃうのはちょっとマイナス。

それでいいのか!?

全長4880mm、全幅1830mm、全高1470mmのボディは堂々たるサイズ感だ

全長4880mm、全幅1830mm、全高1470mmのボディは堂々たるサイズ感だ

でもね、それでいいのか!? という裏返しでもある。ティアナの月販目標台数は520台だ。ケタを間違えているのではない。ハリアーが発売1ヶ月で2万5000台だとか、ヴェゼルが3万3000台受注だとかいっているこの時期に、月販目標520台。もちろんそれはそれでいい。逆に言えば、月々520台、年間6240台売れれば採算が取れるというビジネス上の計算で企画されている、ということ。これは、4ドアセダンの販売が低い位置で頭打ちしている現状の日本マーケットでは正しい判断だろう。「ティアナのお客様は家族や友人たちとの時間、空間を大切にします。4気筒エンジンしかないとか、馬力がどうだとか、そういうことよりも室内の広さや上質感、乗り心地などを重視されるのです」と寺田RPMは言う。そのとおりかもしれない。でも、あえて言いたい!! 乱暴な表現かもしれないが、月々520人のお客さんしか想定していないのだったら、もっと思い切ったことをして欲しかった。『新型ティアナは新開発の直列3気筒1.5L直噴ターボを搭載してJC08モード燃費は18.5km/Lです。日本のお客様には3気筒というとちょっと抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いま、中国では小排気量ターボは高級メカニズムとして高く評価されているんです。乗っていただければ、ご理解いただけると確信しています。全長4880mm、全幅1830mmの大型サルーンとは思えない軽快で気持ちのいい走りをご提供しています』。オシャレで若々しい感覚を持った50歳代だったら、こんな作り手のメッセージにビビッとこないわけがない。

メッセージ性

本文中ではずいぶんと批判的な書き方をしているけれど、絶対に誤解して欲しくないのは、「新型ティアナはクルマとしてとてもバランスよく仕上がっている」ということ。乗り心地もいいですよ!!

本文中ではずいぶんと批判的な書き方をしているけれど、絶対に誤解して欲しくないのは、「新型ティアナはクルマとしてとてもバランスよく仕上がっている」ということ。乗り心地もいいですよ!!

「オレが今度買ったクルマは、ちょっとほかの日本車にはない新しいコンセプトなんだよ。次はベンツBMWにしようと思っていたんだけど、こっちのが面白そうなんだよ。ほら、お前も運転してみろよ!!」となる人が年間1万人程度はいる。いや、1万人を振り向かせるクルマ作りをして欲しいのだ。スバルが先のシカゴショーで新型レガシィを公開した。サイズ的には新型ティアナやマツダアテンザ、トヨタカムリなどと同クラス。言うまでもなくアメリカをターゲットにしたモデルで、セダンは日本にも導入するようだが、ツーリングワゴンは現行型をもって消滅し、新たなレヴォーグがその位置を受け継ぐ。つまり、レヴォーグこそ日本人に向けたジャストサイズ、ジャストマッチのクルマだということ。新型ティアナに、そういった「想い」や「メッセージ」を感じないのだ。

『いいクルマ』であることは間違いない

初代ティアナから伝統的に受け継がれる『おもてなし』の発想はもちろん最新型にも受け継がれ、さらに上質で気持ちのいい室内空間へと発展させている。ボトムが242万9700円という「買いやすさ」も魅力

初代ティアナから伝統的に受け継がれる『おもてなし』の発想はもちろん最新型にも受け継がれ、さらに上質で気持ちのいい室内空間へと発展させている。ボトムが242万9700円という「買いやすさ」も魅力

誤解しないでほしいのだが、新型ティアナは「アッパーミドルサイズの4ドアサルーン」としてものすごくバランスされた『いいクルマ』であることは間違いない。ここは声を大に伝えたい。ただ、ベストカーを読んでくれるようなクルマ好きの皆さんにはちょっと物足りないのではないかと感じるのだ。あえて苦言を呈したのは「親友には言いにくいことも、厳しいことも言う」、という編集部梅木の信念ゆえとご理解下さい。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ