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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

1.5L VTECターボ&ヨコ開きリアゲートでライバルを突き放す! このターボ気に入った! ホンダNEWステップワゴン独占試乗!!

孤軍奮闘のステップワゴン

【本記事は2015年6月にベストカーに掲載された記事となります。】ステップワゴンはホンダにとって国内市場における大黒柱だ。先代はピーク時の2010年で年間約8万台、モデル末期の昨年度でも4万2000台を販売。軽への需要シフトやフィットのリコール問題などで苦戦するホンダ勢の中にあって、まさに孤軍奮闘している。そんな主力車種のモデルチェンジで、ホンダは大勝負に出た。もっとも注目すべきは、パワートレーンを新開発の1.5Lダウンサイズターボに一新したことだ。いわゆる“5ナンバーミニバン”というのは、設計の自由度が大きくない。4.7m×1.7mというボディサイズの中で、ファミリーのためのパッケージングを最優先しなきゃならないし、パワートレーンは燃費効率とドライバビリティの高い水準での両立を求められる。走り重視の車種ではないにしろ、操安性や乗り心地の要求度も高い。こういう厳しい制約のなかでクルマを開発してるから、デザイナーもエンジニアも「どうやってライバルとの違いを打ち出すか」に必死なのだが、皮肉なことに、それゆえどのメーカーの製品も似たようなテイストになる。いってみれば高度に煮詰まったセグメント、それが5ナンバーミニバンなのだ。

繊細さと上質感がある1.5L VTECターボ

ホンダ初のダウンサイジングターボとなる直4 、1.5LVTECターボを搭載。150ps/20.9kgmのスペック以上のトルクフルで軽快かつ上質な走りを実現した。このエンジンは、いい!

ホンダ初のダウンサイジングターボとなる直4 、1.5LVTECターボを搭載。150ps/20.9kgmのスペック以上のトルクフルで軽快かつ上質な走りを実現した。このエンジンは、いい!

繊細さと上質感がある1.5L VTECターボそんな激戦区でライバルとまったく違った新型パワートレーンに賭けるのは、開発者にとっても経営陣にとってもすごく勇気の要ること。国産ミニバン初のダウンサイズターボが、2L NAやハイブリッドに対してどう戦うか。これぞまさにホンダらしいチャレンジだと思う。だが、じっさいに試乗してみて、ホンダがなぜダウンサイズターボに賭けたのかすぐわかりました。それくらい、このエンジンは優れたドライバビリティを持っているし、キャラクター的にも際立っている。まず、ベースエンジンがコンパクトな1.5L 4気筒となったおかげで、機関重量だけでなく往復運動マスや回転バランスがすごく軽やか。スターターの作動もシュン! と歯切れいいし、アイドル振動も極めてスムーズ。パワーユニットに繊細さと上質感がある。それでいて、走り出すとあら不思議。エンジンフィールは繊細なのにやたらにトルクフル。アクセルをほとんど開けてないのに予想以上にスムーズに加速してゆく。念のためカタログを見ると、車重1.7tに対して1.5Lターボは150ps/20.7kgmというスペック。旧モデル(NA 2Lで150ps/19.7kgm)と比べて、そんなに劇的にパワーアップしてるわけじゃない。それなのにアクセルに対する反応がいいのは、明らかに過給エンジンのアドバンテージ。旧モデルのNA 2Lが4200rpmで最大トルクを発生するのに対し、新型は1600rpmですでにMAXトルクに達し、それが5000rpmまで持続する。ピークを直線的にカットした台形のトルクカーブが、新型のドライバビリティを特徴づけているのだ。

新型エンジンの真骨頂

乗り心地も上質さを増した新型。横開きリアゲートに目を奪われがちだが、走りのレベルアップも際立つ

乗り心地も上質さを増した新型。横開きリアゲートに目を奪われがちだが、走りのレベルアップも際立つ

低速から盛り上がる豊かなトルク感こそ、この新型エンジンの真骨頂だ。じっさいにはターボラグはわずかにあるはずなのだが、トルコンの増幅効果とCVTの巧みな制御によって体感上はゼロ。アクセルを踏めばすぐに力強い加速を開始、NA時代よりスムーズかつトルクフルな走りが味わえて、しかも静粛性も確実にワンランク向上している。パワーユニットに関してはマンネリ気味のこのセグメントで、このドライバビリティは新鮮。ベスト燃費ではハイブリッドに及ばないにしても、走りの楽しさではこっちが光る。こういう新しいチャレンジを待っていたユーザーも少なくないと思う。注目されるのは実走行燃費だが、エコモードで大人しく走らせればJC08モード燃費(17km/L)の8掛けくらいは余裕、というのがとりあえずの印象だ。今回の試乗は時間が限られていたため厳密なデータは取れなかったし、過給エンジンは面白がって踏むと燃費が悪化しがちなのも事実。燃費でいい数字を出すにはドライバーの自制心が必要なタイプではある。しかし、この新型エンジンによって、ステップワゴンの燃費ポテンシャルは間違いなく向上している。後日、きちんとした燃費テストをするので楽しみに待っていてほしい。

使い勝手のいい3列シート

レストランモード

レストランモード

本当に広く、使い勝手のいい3列シートもうひとつ、パッケージ面でもホンダは新しい“ネタ”を用意してきた。ミニバンというと、2、3列目のシートアレンジが開発チームの腕の見せどころだが、そこで新型ステップワゴンはテールゲートに横開きも可能な“わくわくゲート”というユニークな構造を採用。3列目シートの乗員が後ろのドアから簡単に出入りできる新しい使い方を提案している。じっさいに使ってみると、これが実に新鮮かつ便利。ワンタッチでシートが床下にダイブダウンするから、3列目に座っていても簡単にリアドアから乗り降りが可能。ディーラーの人に聞いたら、とくに子供にはバカ受けだそうだ。従来モデルより大幅に居住スペースが広がったこととあいまって、コイツの3列目シートは本当に使い物になる、そんな印象を強く持った。

「攻めの姿勢」を高く評価

室内空間をクラス最大級とすることや、JC08モード燃費をクラストップの17km/Lとすること、またホンダセンシングによる自動ブレーキなど最新の安全装備の充実。アト出しのニューモデルなんだから、ステップワゴンはこういう部分は当然クラストップを確保している。でも、そういうベンチマーク的な改善だけに頼らず、「なにかブレークスルーをやってやろう!」という意気込みがこのクルマにはある。そういう「攻めの姿勢」を高く評価したい。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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