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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

コペンセロはコペンの本命なのか? 爽やかクンに似合うのはコペンセロかS660か?

似て非なる存在

【本記事は2015年8月にベストカーに掲載された記事となります。】コペンの新作である『セロ』が登場した。単独で評価しても基本的に『ローブ』と同じクルマだから、同じような試乗レポートになってしまう。ということで同じジャンルの超人気車S660と比べてみることにしました。果たしてどんな違いがあるだろうか? 結論から書くと「似て非なる存在」でしたね。共通項は動力性能と、屋根の開く2シーターであるということだけ。いや、屋根の開き方がまったく違う。「買う人は迷わないでしょう」というのが結論。

そのスタイリングはS660に勝るか?

2シーターのオープンカーということ以外、対極的なデザインの2台

2シーターのオープンカーということ以外、対極的なデザインの2台

そのスタイリングはS660に勝るか?ローブはトヨタ86のバランスを日本人体型にしたようなデザインだったため、腰高感ありカッコいいと言えなかった。セロもバランスという点からすれば決して褒められたものじゃないけれど、先代のイメージを引き継ぎそれなりにまとまっている。ローブかセロかと聞かれたら、0.5秒も迷わない。S660はシャープで低い。これで100mmくらいワイドなボディにしたら超カッコよくなると思う。私ならS660を選びますね。座った感じは、ローブと同じ。S660と座り比べてみたら、着座高が驚くほど違う。コペンってミラ・イースなどと同じ乗用車のフロアを使い、可能な限り着座高を低くしているのに対し、S660は基本設計からスポーツカーらしさを狙う。クルマ好きなら座った瞬間から「いいね!」したくなるほど。ただ走りにコダワリのない人であれば、コペンの方が乗降性よいし死角(特にBピラー)も少ない。クルマにナニを求めるかで評価は違ってくるかと。

電動開閉式

開閉にかかる時間は約18秒

開閉にかかる時間は約18秒

屋根は、コペンが電動開閉式。ボタン一つで気軽に開けられる。所要時間約18秒。穂乃華さんに聞いたら「楽しいですね~」。ゲストを乗せる時に喜んでもらえそう。しかも開放感タップリ。サイドウインドウを上げておけば、風の巻き込みだって多くない。一方S660は開けるのが面倒。いや、閉じる手間を考えたら開くのも億劫になる。私なら年に数回しか開けまい。「オープンにすることもできる」くらいに考えておいた方がいいかもしれません。

数字以上の差を感じる動力性能

総排気量658cc、最高出力64psと同等だが、最大トルクはS660が1.2kgm上回っている

総排気量658cc、最高出力64psと同等だが、最大トルクはS660が1.2kgm上回っている

数字以上の差を感じる動力性能。ミッションは、今回は両車共マニュアル。セロが旧来の5速。S660は新設計の6速タイプを組み合わせている。どちらがいいか? 100人に聞いたら100人とも同じ答えになるだろう。S660のミッション、タッチやストローク感、ギアレシオを含め、文句なし。気持ちよくシフト操作を楽しめる。セロに乗り換えると「マニュアルミッションを設定したことを高く評価しましょうね」。コスト増を嫌うダイハツがマニュアルを用意しただけで凄いと思う。エンジンは軽自動車の場合、自主規制という上限が設定されているため絶対的な出力は横並び。どんなによいエンジン作っても意味ありません。という点では技術の向上にストッパーをかけてしまっている感じ。エンジンフィールの差が出るの、高回転域。軽自動車は出力規制を行っているため、横並びになる。エンジンフィールやパワー感など大差なし。ただS660は60km/hで6速に入れるとエンジンから微振動出ます。要改良ポイントかと。

FFのコペンはゼロ発進時でホイールスピンに注意が必要

FFのコペンはゼロ発進時でホイールスピンに注意が必要

0~50km/h加速で、日常的に使う動力性能を測ってみた。セロの4.0秒に対し、S660が3.8秒。同じようなパワーウエイトレシオだからして、駆動方式の違い出た感じ。トラコン稼働させたまま元気よくスタートすると、すぐ介入。オフにして試したら、容易にホイールスピンしてしまう。S660だと高回転でクラッチミートしたってホイールスピン皆無。この差がタイム差になったということです。20km/hくらいからの加速性能は互角だと思う。ドライバビリティの指標になる2速ギアによる30~50km/hと、3速ギア使った50~80km/hの追い越し加速を計測してみた。絶対的なトルクこそ変わらないものの、タービンの立ち上がり(タイムラグ)はS660のエンジンの方が良好らしい。低い回転域のトルクが重要な50~80km/h加速はS660が圧倒。ちなみに80km/hでのエンジン回転数はS660が5200回転でセロ5000回転。ギアレシオによる差は考えなくていいと思う。ハンドリングは、S660は本格的なピュアスポーツと比較しても負けないようなハンドリングを実現している。なんたって最大で1.2G程度の横G出るのだ。凄いとしか言いようがない。セロは普通のFF乗用車ベース。もちろん頑張っているけれど、期待しちゃアカンです。ブレーキのタッチ(セロのリアはドラム)もまったく違う。参考までに書いておくと、乗り心地はS660に軍配を上げたい。ローブの時よりもマイルドになったセロながら、もう一歩です。ダイハツのクルマ作りや売り方を見ると「面白いクルマに乗りたい」的な軽い意味でのクルマ好きを狙っているように思う。片やS660はガチのクルマ好きを強く強く意識している。クルマ好きなら最初から迷わないだろう。また、軽い意味のクルマ好きが、ガチのクルマ好きに「ドッチがよいと思う?」と聞いたら、S660をプッシュされるに違いない。コペンもベストカーを読むようなクルマ好きに評価されるよう、もう少し頑張ることを期待しておく。

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グーネットマガジン編集部

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